作家が歳をとると融通無碍というかスタイルが崩れた不定形なスタイルになることが多いが、大林宣彦(76歳)監督によるこの最新作もそう。黒澤明が「乱」を撮ったのが75歳で、そこからまた作風が変わったのと似た時期ということになるのかもしれない。
戦争、それもあまり語られることのないソ連の日ソ不可侵条約を破っての侵攻や、韓国人の強制連行といった社会派的なモチーフと、中原中也といった文学や絵画などの芸術の世界、ひとりの医者でもある人間の青年時と老年時と亡くなった後とを自由に往還し、医者として戦時下の人間として、そして自分の死においてさまざまな形で人の生き死にに関わっていき、それが一人の命の興亡にとどまらず他の命との関わり(親族に限らない)にも広がっていく奔放不羈な作り。
膨大な量のセリフ(というより言葉)についていくだけでも相当に大変だし、めぐるましい編集とさまざまな位相を行き来するスピードで三時間を押し切る。
かつてほとんど消滅した炭鉱が3.11以降見直されて、露天掘りが復活しているという状況を実写で見せるのがなんとも皮肉。
これはご当地映画でもあるわけだが、町そのものが生き物のように死にかけたと思うと復活するということもあるのだろう。
本ホームページ
公式ホームページ
野のなななのか@ぴあ映画生活
映画『野のなななのか』 - シネマトゥデイ
戦争、それもあまり語られることのないソ連の日ソ不可侵条約を破っての侵攻や、韓国人の強制連行といった社会派的なモチーフと、中原中也といった文学や絵画などの芸術の世界、ひとりの医者でもある人間の青年時と老年時と亡くなった後とを自由に往還し、医者として戦時下の人間として、そして自分の死においてさまざまな形で人の生き死にに関わっていき、それが一人の命の興亡にとどまらず他の命との関わり(親族に限らない)にも広がっていく奔放不羈な作り。
膨大な量のセリフ(というより言葉)についていくだけでも相当に大変だし、めぐるましい編集とさまざまな位相を行き来するスピードで三時間を押し切る。
かつてほとんど消滅した炭鉱が3.11以降見直されて、露天掘りが復活しているという状況を実写で見せるのがなんとも皮肉。
これはご当地映画でもあるわけだが、町そのものが生き物のように死にかけたと思うと復活するということもあるのだろう。
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