先日（2014.3.1）亡くなったアラン・レネ監督の87歳の時の作品。この後二本作っているのだから凄い。
タイトルからすると、野原一面の草が波打っている画を思い浮かべるのだが、タイトルバックに出てきて、その後も何度も繰り返されるのは、アスファルトの割れ目に生えた雑草、というのが人を食っている。
レネというとヌーヴォー・ロマンの小説家との関わりの印象が強いが、コミックのマニアでありコレクターでもあったらしい。
ここでは相当にその面が出ている。
画面の一部にマンガの吹き出しのように別の場面が合成されたり、いい歳をした男が信じられないくらい軽率な行動に出るとか、展開がいちいちなんだこれ的な飛躍を見せる。
新藤兼人監督の晩年の作品とかオリヴェイラの近作など、高齢になると独特の大胆さな突き抜けることがあるが、これもそう。
家畜人六号【小暮 宏】 @yapoono6