prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「健さん」

2016年09月02日 | 映画
「単騎、千里を走る」で案内人役で共演した中国人邱林(チュー・リン)が来日して大阪新世界の映画館・新世界東映で上映している高倉健の主演作(「ザ・ヤクザ」)を見るところから始まる。

調べてみると、この新世界東映(紹介ブログ)という映画館は今どき珍しくホームページなし、ぴあ等を見ても上映作品はわかっても時間表なし、フィルム上映という新宿昭和館を小型にしたようなコヤらしい。

この映画館の支配人氏がインタビューに登場して、高倉健が主演した「日本侠客伝」「昭和残侠伝」「網走番外地」といった人気シリーズは、フィルムを用意しようにも擦り切れて上映可能なプリントがないと語る。プリントを新しく焼いたりしないだろうし、デジタル素材があったとしても上映用のDCPはないわけで、どういう番組を組んでいるのだろうと思ってしまう。
ちなみに、現在上映しているのは「沓掛時次郎・遊侠一匹」「男の勝負」「水戸黄門 天下の副将軍」で、主演はそれぞれ中村錦之助、村田英雄、月形龍之介だ。

構成とするとかなり外国の著名映画人のインタビューが多くて、どうもネームバリュー優先という感じ。
スター・イメージを見事に守り通した人、ということになるだろうけれど、そこから一歩も突っ込もうとしないのはどうも物足りない。

スコセッシが「沈黙」の出演オファーしていたという。年齢的にいってイッセー尾形がやった井上筑後守役ということになるのだろうか。

ポール・シュレイダーが「MISHIMA」の三島由紀夫役を高倉健にオファーしていたと語る。同作で市ヶ谷に向かう三島が盾の会の若者たちと「唐獅子牡丹」を歌うシーンがあるのだが、実現していたらすごい楽屋落ちというかセルフパロディになっていたところ。

写真家の立木義浩やヤン・デ・ボンが、高倉健はどこから撮っても画になる、ダメなアングルがない、というのが印象的。
実際、大量の健さんのスチルが挿入されるのだが、これがさまざまな角度から撮られていてどれも恰好いい。


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9月1日(木)のつぶやき

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