冒頭、アフリカの現地人側にも奴隷を狩って売る王国があることが描かれる。おそらくダホメー王国だろう。(なぜ西アフリカ諸国は奴隷貿易に加担したかより)。
さらに父親が銃を持っており、馬も貴重ながら使役され、この馬はサハラ砂漠にいたというセリフもある。
若者を厳しく鍛える一種の軍隊組織があったり、街に行き大学に入りたいとクンタが言ったりと、クンタが属するアフリカの共同体も西欧とは違う独自の文明・文化を築いていたのを見せる。
風景も川べりの緑豊かな土地で、乾燥したサバンナに住む未開人という紋切型を否定している。
生まれた息子に名づけた父親が名前は魂であり盾だと言い聞かせる。これがのちに奴隷としての「トビー」という名前を押し付けられるのと対応してくる。
「千と千尋の神隠し」で湯婆婆が千尋から名前を奪ったのを思い出した。宮崎駿がインタビューで言っていたが、名前を奪うことでアイデンティティを奪うというのは、かなり普遍的に見られる現象のようだ。
息子が旅立つと足跡の土を拾い上げる。無事に戻ってくるようにというおまじない。
フィドラー(ヴァイオリン弾き)役が旧作ではルイス・ゴセット・ジュニアだったが、今回はホイットニー・ウィテカー。
暴力描写は旧作よりかなり激しくなっている。実際はもっとはるかにひどいものだったろうが。
それにしても、旧作はテレビ朝日系列でゴールデンタイムに鳴り物入りで放映されたのに、今回はCSだけ。海外ドラマを本当に地上波でやらなくなった。
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