prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「ゴールデン・リバー」

2019年07月19日 | 映画
原題がThe Sisters Brothersで、Sistersという苗字の兄弟のことなのだけれど、なんとも人を食っている。
顔の形からいったらホアキン・フェニックスにはジェイク・ギレンホールが兄弟役をやった方が似合う気がするが、全然似ていないジョン・C・ライリーを組ませたのキャスティングがオフビートとまでいかないが、監督がフランスのジャック・オーディヤール西部劇というジャンル映画とはずらした作りとも重なった。

リチャード・レスターが「新・明日に向かって撃て!」でスキーとかジフテリアの血清とかスカンクとか考証的には西部劇に出てきてもおかしくないけれど西部劇イメージとずれたものをやたら出したのをちょっと思わせる。

パキスタン系のリズ・アーメッドが科学者の役で出てくるというのも同様。最近は大陸横断鉄道建設に携わった中国人労働者が西部劇に出てくることが増えたが、それに近い。

邦題からだと「黄金」のような欲望にとりつかれた男たちのドラマのようで、実際そういう面もあるのだが、むしろそれを通り抜けた救いの物語となっている。

「ゴールデン・リバー」 - 公式ホームページ

「ゴールデン・リバー」 - 映画.com