prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「シング・フォー・ミー、ライル」

2023年04月02日 | 映画
歌うワニっていうのがまず荒唐無稽で、それを見世物として売り出そうとするハピエル・バルデムのキャラクターはよく考えてみると「エレファント・マン」の見世物小屋の主に近い悪役に なりそうなキャラクター。 

「グレーテスト・ショーマン」のスタッフというのが宣伝上の売りなのだが、具体的に言うと同作の作詞作曲のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが同様に劇中曲の作詞作曲と製作総指揮とを担当しているわけで、このコンビには他に「ディア・エヴァン・ハンセン」がある。
並べてみると、異形のものとの共存するにあたっての壁といったテーマが割と一貫しているかと思える。
ライルが 極端に 内気でしゃべることができないのだが 歌うことはできるっていう設定がその壁とその突破口を典型的に示す。

だからというか、その間に立つ商売人=ショーマンが悪役よりはあまりあてにならない媒介者になるわけか。

ライルのビニール人形みたいな質感が爬虫類のぬめっとした感触を出しながら生理的不快感は排除している。
本物の(という設定の)ワニと一緒に出てくる場面で質感の違いは歴然。

時間の都合で吹き替え版を見たのだが、歌が日本語版と字幕版が混ざっているのはどういうわけだろう。
歌そのものの曲数はやや少ない印象。クライマックスまで持っていく手順が良くも悪くもいかにも定石通り。

ゴミとして捨てられていた食べ物を漁ったり、ライルを救出するためとはいえ罪のない警備員が相当ひどい目にあっているところとか、いくつか「いいのか?」と思わせる場面はある。






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