舞台になる物々しいお屋敷のたたずまいといい探偵役のダニエル・クレイグといいイギリスっぽいのだが、アメリカの話。
クレイグが007の時のこわもてぶりとは大きく調子を変えてかなり軽いお喋りな調子で演じているのがおもしろい。
クレイグの台詞で「ドーナツのように真ん中が空白になっている」と何度も繰り返す(繰り返しすぎて警部にツッコまれるくらい)のだが、屋敷に置かれたナイフがドーナツ状に中央に向けてぐるっとドーナツ状に配置されている装飾がドーナツの性格を解説している格好。
キャリアのある年配のスターがずらっと並んで誰が犯人かというアガサ・クリスティーばりの趣向なのだが、話の軸になるのが移民の娘の若い看護師なのでこちらが目立つ、というより最後まで見るとこの若く貧しく正直な娘(ウソをつくと文字通りゲロを吐いてしまう、という冗談みたいな設定が可笑しい)が強欲でウソつきの金持ち連中に対してドーナツの穴的な存在になっているという構図に収まる。
「ダイ・ハード」と同じように親が不法移民なのをばらすぞと脅されるあたり,進歩がないというか状態が悪化しているというか。
クレイグが007の時のこわもてぶりとは大きく調子を変えてかなり軽いお喋りな調子で演じているのがおもしろい。
クレイグの台詞で「ドーナツのように真ん中が空白になっている」と何度も繰り返す(繰り返しすぎて警部にツッコまれるくらい)のだが、屋敷に置かれたナイフがドーナツ状に中央に向けてぐるっとドーナツ状に配置されている装飾がドーナツの性格を解説している格好。
キャリアのある年配のスターがずらっと並んで誰が犯人かというアガサ・クリスティーばりの趣向なのだが、話の軸になるのが移民の娘の若い看護師なのでこちらが目立つ、というより最後まで見るとこの若く貧しく正直な娘(ウソをつくと文字通りゲロを吐いてしまう、という冗談みたいな設定が可笑しい)が強欲でウソつきの金持ち連中に対してドーナツの穴的な存在になっているという構図に収まる。
「ダイ・ハード」と同じように親が不法移民なのをばらすぞと脅されるあたり,進歩がないというか状態が悪化しているというか。
ちょっとイギリスっぽい視点から成り上がりのアメリカ人を見下しているニュアンスもある。
場所や人物が限られているので舞台劇みたいに閉鎖的になりそうなのを、複数の人物の違う時間に行われた証言をシャッフルするように編集して映画的に再構成している技法がさりげないが新鮮。