prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

こまどり姉妹歌謡ショー

2005年12月01日 | Weblog
雷5656会館でこまどり姉妹のライブに参加。ドキュメンタリー映画「こまどり姉妹がやってくる ヤアヤアヤア」の収録用。今どき、こまどり姉妹をドキュメントしようという不思議なセンス。もちろん「ビートルズがやってくる ヤアヤアヤア」のもじりだが、考えてみるとこまどり姉妹は現在68歳、ビートルズの面々が62から65、それほど違わないのだね。

当然、年輩の客が多いが映画のスタッフは若く、つられてか若い客も多くてちょっとこういうステージとは一味違う感じ。
四時間違いで生まれた双子とはいえ、声質などかなり違っていて、歌がきれいにはもるというわけではなく微妙にずれる。かけあいの喋りが互いの厚化粧ぶりをネタにして笑わせつつ、11の時から北海道や北陸で門付け(!)で稼いで食べていたという生活を折り込んですこぶる面白い。
稼いだ金はいったん土地を仕切っている親分のところに全部差し出し、そこから生活に必要な分だけ渡される、それを半年続けてやっと“流し”をやっていい許可が出る、とか、泊まる場所がなくて一日映画館にいて7回同じ映画見てやっと夜になって出ていくとか、三味線で流すのだったらやっていいと言われ、本当は3年かかる三味線を強引に一週間で覚えて出て来たら、ショバから追い出すつもりでそう言ったんだと呆れられたり、笑わせているけど、すごい苛烈な暮らし振り。

実に45年前の録音に合わせて姉の栄子が踊ったり、司会のひびきわたるが細かく客席に向けて客いじりしながらキセルを使った鳥の鳴き声を模写しては歌いながら最後に朱鷺=時に合わせて締める、といった芸を見せる。ずいぶんドメスティックな世界。