「ライラの冒険 黄金の羅針盤」 2009年06月11日 | 映画 三部作の一作目という点を考えても、ストーリー構成がガタガタ。どんな世界観で作られているのかもよくわからないし、動物をリアルにCGで表現されてもなんか可愛くないんだよな。これが日本で当たらなかったらシリーズ化はムリと言われていて、まあ当たったみたいだが続きできるのかな。あまり見たくないが。(☆☆☆) 本ホームページ
「サンシャイン 2057」 2009年06月10日 | 映画 真田広之の出番が済むと途端に興味が薄れるのは、こちらが日本人だからというだけではないだろう。ほかに東洋人としてはミシェル・ヨーも出てます。ダニー・ボイルはこの後「スラムドッグ$ミリオネア」で全編インドが舞台でインド人ばかりの映画を作るが、それと関係あるのかいな。音響効果は優秀だけれど、一方でこんなに宇宙って騒々しいところなのかとも思う。(☆☆☆)本ホームページサンシャイン2057 - goo 映画
「最高の人生の見つけ方」 2009年06月09日 | 映画 最高の人生の見つけ方 [Blu-ray]ワーナー・ホーム・ビデオこのアイテムの詳細を見る ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマンという、これ以上ない手駒を揃えて、残念な出来に終わった一編。 死を前にして、何をしたいのかという問いに対する答えを実現していくという一種のファンタジーなのだが、本当に死を前にしたらしたいことができなくなるという肝腎な点が外れている。金があればいいってものではない。 あと、バディ・フィルムの定石に乗った作りの割りに、二人の本質的な違いというのがせいぜい金持ちと貧乏人(と、いうほどでもないが)程度にとどまっていて、死を前にしたら大して違いはないにせよ、死んだらオシマイと思うか死んだあと何事かを残したいと思うか程度の違いがないと、土台ドラマにならない。 (☆☆☆) 本ホームページ
「ドラゴン・キングダム」 2009年06月08日 | 映画 ジャッキー・チェンとジェット・リー(未だにこの名前にはなじめない、リー・リン・チェイ 李連杰)の競演というのが売りだけれど、もう少し早く共演してほしかったね。いずれにせよ主人公ではなく、西洋人のいじめられっこが孫悟空になるファンタジー世界を駆け巡って修行し、現実世界に戻っていじめっこをやっつけるという相当にムシのいい話。ハリウッド版「ドラゴンボール」の予告編みたいに見えることもあるし、「ドラエもん」の前半で終わってしまっているような感じでもある。カンフー・アクションにCGやワイヤー・ワークを混ぜるのはいいかげん飽きた。(☆☆☆)本ホームページドラゴン・キングダム - goo 映画
「ブッシュ」 2009年06月06日 | 映画 この映画のジョージ・W・ブッシュは、なんかほとんどのシーンで何かしら食べたり飲んだりしている。それもアメリカ的にチープな食べ物か、アルコールかだ。ホワイトハウスで、ものものしい銀の盆に入れて持ってきたのがサンドイッチで、しかもチェイニーの食べ残しに手をつけたりする。まことにお行儀が悪い。フロイトの言う口唇期というのか、でっかい子供という感じ。演じるジョシュ・ブローリンは口に物入れながらセリフを言わなくてはいけないわけで、なかなか大変。 ブッシュ・ジュニアのフャザコンぶりがドラマの核になっているわけだけれど、それほどブッシュ・シニアって立派な大統領だったっけという気はする。立派なイメージは息子の思い込みにすぎないのではないか。すでに政治家としては二代目だったわけだし、父親に対するコンプレックスの再生産といったドラマ作りもできたと思うが、彫りの深さをオリバー・ストーンに要求してもムリか。 扮するジェームズ・クロムウェルは、「24」シーズン6でジャック・バウアーのとんでもない父親役をやっていましたね。 伝え聞くブッシュのバカさ加減や宗教右翼との結びつき、弱者に対する無神経ぶりを十分に描いているかというと、はなはだ物足りない。「なかったこと」にするには、被害が大きすぎる。 (☆☆☆) 本ホームページ ブッシュ - goo 映画
「シルク」 2009年06月05日 | 映画 絹のもとである蚕の卵を輸入するために日本に来るイタリア商人の話だけれど、どの程度史実なのかなとは思った。何も十九世紀の日本から蚕の卵を輸入しなくても、六世紀の半ば、ペルシア商人が中国に潜入し、カイコの卵を杖の先端に隠して、ひそかにビザンツの宮殿にまで持ってきて、糸を取りだすことに成功している。何でまたこの時期に、と思うし、ラストでいきなり幕末だったことを思い出させるのもどんなものか。日本女性のエキゾチックな描き方が、未だにというべきか「将軍」的なのはひっかかる。中谷美紀が西洋にいついた日本人という、当時とすると強引な設定で登場するが、ゴージャスな洋風衣装の着こなしなどかえって違和感は薄い。例によって、というべきか、どこの国の人間も英語をしゃべっている。変なの。(☆☆☆)本ホームページ
「僕の彼女はサイボーグ」 2009年06月04日 | 映画 韓国映画「猟奇的な彼女」の監督作だけれど、ああいう男をとことん振り回す(文字通り!)女の子がよっぽど好きなのかマゾなのか。それがエスカレートして、ついに本当に人間離れしてしまっている。綾瀬はるかの、普通はトロく見える感じを、感情があるのかないのかよくわからないキャラに応用したわけね。そういう「戦略」はまあ成功しているとは思うけれど、個人的にはさっぱり乗れない。昔の香港映画じゃあるまいし、ストーリー構成が支離滅裂。(☆☆★★★)本ホームページ僕の彼女はサイボーグ - goo 映画
「アンドロメダ・ストレイン」 2009年06月03日 | 映画 ロバート・ワイズ監督版映画化「アンドロメダ…」の引き締まった作りとはずいぶん違って、「24」的に各種のアイデアを盛大に詰め込み、病原体がスタニスラフ・レム作品ばりに集団全体としての意思を持っていたり(むしろ「燃える昆虫軍団」に近いか)、ワームホール利用のタイムスリップやら、地熱と硫黄で繁殖する深海の地球で最も最初に発生したと言われている原生生物やら、飽きさせはしないけれど「おいおい」と言いたくなる強引な詰め込みよう。荒唐無稽とバカにされていた昔のSFみたいなテイストもあるが、ああいう可愛げはない。製作総指揮はリドリー&トニーのスコット兄弟、監督は撮影監督上がりのミカエル・ソロモン。(☆☆☆)本ホームページ
「ブルー・マックス」 2009年06月02日 | 映画 手段を選ばず撃墜数を増やしていた戦闘機乗りが、上層部に英雄として仕立て上げられ利用されたあげく破滅するという戦争スペクタクルとしてはかなりシリアスな内容。塹壕の中で空を飛ぶ複葉機を見上げるオープニングが、上昇志向を典型的な画にしている。もっとも、それからどうやってのしあがっていったのか、よくわからないまま、ぽんと撃墜数を競う立場になっているのが唐突。製作総指揮が「トラ!トラ!トラ!」('70)のエルモ・ウィリアムズであるところが目を引く。この映画の複葉戦闘機の空中戦撮影の成果をもとに、真珠湾攻撃のシーンを構想したのだろう。CGでは得られない実写精神の魅力。ドイツ軍内部に相当な階級差別があるのがありありとわかる。これは最近の「ワルキューレ」でも押さえられていた。(☆☆☆)本ホームページブルー・マックス(1966) - goo 映画
「バーン・アフター・リーディング」 2009年06月01日 | 映画 省略法が独特で、話の発端であるCDがどういうわけで紛失したのか画面に出ないのをはじめ、ストーリーのかなりの部分がCIAの上層部への報告という形で会話で片付けられているのが、妙なオフビート感がある。ブラッド・ピットのバカ演技ぶりが可笑しいのだが、ジョージ・クルーニーの留守中に家に忍び込んだところにクルーニーが戻ってくるシーン、何も逃げ場がない二階に逃げることないのではないか。回れ右して裏口から逃げればいいので。その後の動きのつけ方も妙なところあり。バカはブラピだけではなく全キャラクターがそうなので、愚行のロンドといった感じ。ただ、その愚かさが「ファーゴ」みたいに人間性の深いところまで触れているかというとそれほどでもない。(☆☆☆★)本ホームページバーン・アフター・リーディング - goo 映画