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北総監獄を走る電車~H:600形

2007-02-08 | 北総監獄

最近首都圏では以前運行していた車両と同じ番号帯を用いた形式の新型車両登場が相次ぎ、先日小田急で4000形と呼ばれる千代田線直通用新型車が登場するという事も随分各方面で話題になっています。

今日は過去の車両と同形式を名乗る車両が話題になっている事ですので、北総監獄(千葉ニュータウン)を走る高額運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)にも乗り入れ、地下鉄直通列車の運行番号に「H」を用いている大手私鉄に所属する600形と呼ばれる車両に関して取り上げたいと思います。
(ちなみにこの車両が製造される前の600形を名乗る車両は2扉クロスシート車で、現在も四国の高松琴平電気鉄道(琴電)に譲渡され、形式を改めた車両が現役で走っています)

この車両が製造されたのは90年代の中頃で、VVVFインバーター制御の下回りはこの車両が製造される前に増備されていた1700形とほぼ同等ですが、台車と外観のデザインは随分と改善され、完成度の高い車両と感じます。

以後の同社各車両でもほぼ同様のデザインが採用されており、この会社はこのデザインが相当気に入っている様ですが、台車は以降の車両でまた居住性の劣る従前のタイプに戻ってしまった事が惜しまれます。

編成は地下鉄や「開発を止めた某鉄道」にも乗り入れる8両編成と、基本的に自社線内のみで運用される650番台の4両編成の2種類が存在し、8両編成の最終増備編成(608F)と4両編成は仕様が若干異なりますが、3扉の地下鉄乗り入れ車両でありながらも座席は全てクロスシートで新製されており、それも608F以外の8両編成車では「ツイングルシート」と呼ばれる可動式座席が設置されたのが特徴です。

しかしこの形式の名物ともいえるツイングルシートは特殊構造で使い勝手や費用の面で難があり、また座り心地も決して良いとはいえない代物だけあって、608Fと4両編成車では採用されず、この時期に首都圏の幾つかの他事業者が導入した多扉車などと共にツイングルシートは通勤車両の失敗作とまで言われる状況です。

そのため最近ではこの座席を撤去し、車端部を除いてロングシート化改造を実施した編成も存在しますが、ツイングルシートを装備せず、他の8両編成車より座り心地の良い座席を装備していた608Fもロングシート化改造されており、この車両はA快特と呼ばれる2扉車使用の線内優等列車の検査代走にも適任でしたので、この編成の改造は惜しまれる限りです。(この編成をオールクロスシート残存にしておけば、快特代走以外に昼間「開発を止めた某鉄道」へ乗り入れる運用などに使用しても有用だった気がします)

ロングシート改造を受けた車両は、同時にドアチャイムや車内LED案内表示装置の設置といったバリアフリー対応工事も施工され、ロングシート化改造自体も長距離客向けに車端部クロスシートを残存させた事や、地下鉄線内の混雑を考えると改造の趣旨は妥当な気がしますが、交換された座席が以前「MAKIKYUのページ」でも取り上げた「ブカブカ」した異様な感触の軟らかいモノ(好みが大きく分かれます)で、相互直通運転を行っている他社局の車両をはじめ、MAKIKYUとしては不評だった改造以前のツイングルシートよりも更に座り心地が悪く感じられる事は頂けない気がします。

ただこの600形は、以降に登場した地下鉄直通用新型車に比べると騒音や振動が少なく、同社の車両の中では居住性が比較的優れている事は特筆すべき点で、これは大いに評価できますので、今後の末永い活躍に期待すると共に、ロングシート改造の際には首都圏他社局と同程度のモノを採用すれば、随分と評価の高い車両になる気がしてなりませんが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様は如何お考えでしょうか?

ちなみに写真は運行番号「K」を使用する某大手私鉄へ乗り入れた600形で、この鉄道へ乗り入れる機会は多く、千葉県内でも姿を見かける事がよくありますが、この会社の車両が「開発を止めた某鉄道」に乗り入れる本数自体がさほど多くない上に、この会社の乗り入れ車両は幾つもの種類が存在する事もあって、「開発を止めた某鉄道」へ乗り入れて北総監獄で姿を見る機会は少なく、写真も某大手私鉄線内までの列車に充当された際のものです。