


1枚目の写真は始発の石渓站から少々進んだ所に位置し、ここまでの貨物列車も多数運行されている躍進站に停車中の様子で、架線が張られた構内にナローSLという組み合わせは中国広しといえども余り見かけることは出来ないシーンで、勿論現代の日本では現役のSL自体が存在しませんので、この様な風景を見る事は叶いません。
2枚目の写真は列車走行中のモノで、山中の勾配を上がって行くシーンは非常に風情あるものと感じる方も居られるかと思いますが、芭石鉄路の客車は低速にも関わらず非常に居住性が悪く、凄まじい騒音を放ちながらガタガタ揺れる車内で写真を撮ろうとするにも、振動で体やカメラが揺さぶられて大変なものです。
また調子に乗って窓から身を乗り出しているものなら、前方の牽引している機関車はSLですので、煤煙に混じった煤の奇襲を受けてしまい大変ですが、こんな体験はなかなか出来るものではありません。
3枚目の写真は菜子場という停留所に停車した際のモノですが、ここは站名標が無ければ站であるかどうかも分からない何とも質素な感を受けますが、一応站名標は最近整備されたのか随分綺麗なモノになっており、ガタガタの列車とは対象的な感じです。
またこんな山奥でも道路が整備されておらずこの鉄道のみが交通手段となっている事から人の乗り降りは結構有り、また大きな荷物を背負った乗客の姿が散見されるのも特徴です。
ただ最近はこの鉄道もかなり有名になってきているのか、この様な長閑なシーンばかりではなく、観光客が押し寄せて通勤列車さながらの混雑になっている事もある様で、その点は少々惜しまれる気がします。