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芭石鉄路(3)~車内から見た情景

2007-02-23 | 鉄道[中華人民共和国]
今日は芭石鉄路を走る旅客列車の客車に関する記事を取り上げましたが、他に(3)としてMAKIKYUが昨年乗車した際に車中から撮影したシーンを幾つか公開したいと思います。

 

1枚目の写真は始発の石渓站から少々進んだ所に位置し、ここまでの貨物列車も多数運行されている躍進站に停車中の様子で、架線が張られた構内にナローSLという組み合わせは中国広しといえども余り見かけることは出来ないシーンで、勿論現代の日本では現役のSL自体が存在しませんので、この様な風景を見る事は叶いません。

2枚目の写真は列車走行中のモノで、山中の勾配を上がって行くシーンは非常に風情あるものと感じる方も居られるかと思いますが、芭石鉄路の客車は低速にも関わらず非常に居住性が悪く、凄まじい騒音を放ちながらガタガタ揺れる車内で写真を撮ろうとするにも、振動で体やカメラが揺さぶられて大変なものです。

また調子に乗って窓から身を乗り出しているものなら、前方の牽引している機関車はSLですので、煤煙に混じった煤の奇襲を受けてしまい大変ですが、こんな体験はなかなか出来るものではありません。

3枚目の写真は菜子場という停留所に停車した際のモノですが、ここは站名標が無ければ站であるかどうかも分からない何とも質素な感を受けますが、一応站名標は最近整備されたのか随分綺麗なモノになっており、ガタガタの列車とは対象的な感じです。

またこんな山奥でも道路が整備されておらずこの鉄道のみが交通手段となっている事から人の乗り降りは結構有り、また大きな荷物を背負った乗客の姿が散見されるのも特徴です。

ただ最近はこの鉄道もかなり有名になってきているのか、この様な長閑なシーンばかりではなく、観光客が押し寄せて通勤列車さながらの混雑になっている事もある様で、その点は少々惜しまれる気がします。

芭石鉄路(2)~客車の様子

2007-02-23 | 鉄道[中華人民共和国]

    

先日「MAKIKYUのページ」では中国・四川省を走る芭石鉄路に関する記事を取り上げましたが、(2)では旅客列車で使用される客車について取り上げたいと思います。

この鉄道で使用される客車はマッチ箱を連想させる様な小型の客車を連ねており、これは大半が2軸車なのですが、2軸車は似た様な外観ながらもよく見ると窓数や車長などに差異が見られ、また2軸車主体の中に少々大柄なボギー車が1両だけ混じっているなどなかなか興味深いものです。

ただこれだけ小型の客車を使用しているにも関わらず各車両に乗務員を乗せている事(人海戦術に長けた中国では国鉄の列車でも一般的ですが…)や、各駅の乗降口が片側に限られている事から、扉は片側だけに設けられているのも特徴として挙げられます。
(日本では片側の扉のみを使用する路線として関東鉄道竜ヶ崎線などがありますが、これでも一応扉は両側に存在します)

またこの鉄道は20km程度の距離を片道1時間以上かけて運行し、非常に遅いにも関わらず、列車が走り出すと共に凄まじい騒音と振動が襲ってくる状況で、これは金具を引っ掛けただけと言っても過言ではない走行中は凄まじい音を放ちながら前後に激しく揺れる簡素な連結器や、スプリングなどないに等しい直に振動を伝える下回り(2軸車が大半ですが…)など、列車の乗り心地は快適とは程遠い凄まじいダイナミックなもので、よくこの様な鉄道が21世紀の今でも走っているものと感心させられる程です。

この様な車両ですので当然空調なども装備されておらず、車内の座席も木製の簡素なものですので、長時間の乗車は堪えると推測されますが、往復2時間半程度であればこの様な客車への乗車もなかなか面白いものです。
(ただ中国では時速400km以上を誇るリニアモーターカー(上海で走っています)や最近運行開始した新幹線形車両の様な最先端の鉄道もありますので、新旧様々な鉄道が楽しめるのも中国の醍醐味かもしれません。)

しかし外国人がこの鉄道の旅客列車に乗車する際は、地元住民に比べて大幅に高額な外国人運賃(片道15元)を請求される事と共に、自由に好きな車両を選んで乗車する事は出来ず、中ほどに連結された「工作車」というプレートが掲出された車両に案内されるのは惜しまれる事ですが、この工作車は見た所では特に他の車両と大きく違う訳でもなさそうですので、外国人の乗車をこの車両に限定しなければならない理由が何処にあるのか気になります。

写真は客車全景(ドア側とドアのない側)と中程に1両だけ連結されたボギー客車、外国人が案内される工作車の外観と車内の様子です。