一昨日MAKIKYUは所用で東京メトロ千代田線を利用し、その際JR常磐線から乗り入れている希少車両・209系1000番台に乗車した事もあって、昨日この車両に関する記事を取り上げましたが、この記事は意外と反響もあり、また昨日千代田線に乗車した際は更に希少な207系に遭遇した事もありますので、今日はこの207系電車について取り上げたいと思います。
(ちなみに今回乗車したのは夜間ですので、写真は以前撮影したものを使用しています)
この車両は国鉄末期に製造され、同時期に製造開始された205系とほぼ同等のステンレス製車体を採用し、客室設備もほぼ同様ですが、前面は地下鉄千代田線乗り入れ用に前面貫通路を設けた関係で205系には見られないデザインとなっており、今では当り前の様に普及している交流モーターを使用したVVVFインバーター制御の試作車両として登場したのが大きな特徴です。
試作車という事で900番台を名乗った10両1編成が登場し、VVVFインバーター制御車は性能や保守面でのメリットは大きいものの、この当時は製造コストが非常に嵩む状況であった事もあり、国鉄や民営化直後のJR東日本では量産車の導入は行われず、存在するのは試作車1編成だけです。
そのためこの車両は地下鉄千代田線~常磐緩行線において、東京メトロ車両や203系が多数走る中に紛れて走る非常に希少な存在となっており、JR車両の運用(運行番号:K)であれば何処に運用されるかも決まっていませんので、捕獲が非常に難しい状況となっています。
ただ日頃この車両が走る線区を利用していると時折出没し、MAKIKYUがこの車両に乗車したのは今年に入ってから2回目ですが、他社の事例も決して多いとは言えない初期のVVVFインバーター制御ならではの独特な走行音や、千代田線~常磐緩行線を走るJR車両の中では最も優れた内装(というよりも他形式が酷過ぎるだけですが…)を誇る事もあり、この車両に遭遇できるとかなり有り難く感じます。
そのため乗り入れ先の東京メトロ車両の様に更新工事を施工し、今後も末永く走り続けて欲しい車両ですが、JR東日本では急速な勢いで車両淘汰を進めてこの車両より新しい209系の試作車両ですら廃車となる有様で、また常磐緩行線の主力である203系もあと数年で置き換えと言われていますので、いつまで活躍するかは予断を許さない状況です。
また207系という形式は、その後JR西日本のアーバンネットワークと称される大阪近郊で使用される通勤型車両にも使用され、この車両は多数が量産されてバリエーションも幾つか存在しますが、偶然なのか試作車と同様に地下線区(JR東西線)を運行しており、こちらは高級感溢れる外観と内装が特徴的ですが、VVVFインバーター制御とはいえ使用機器などは全く別物となっており、実態は別形式とも言える車両が同一形式を名乗っているJRでも稀有な事例としても知られています。
ちなみにMAKIKYUは日頃首都圏を動き回っている事もあって、JR西日本の207系に乗車した回数は1桁、皮肉にも希少な存在となっている試作車の方が乗車回数が多い有様で、個人的にはJR通勤車両では屈指の高級な内装を誇るJR西日本207系の様な車両が身近な所でも走っていれば…と思いますが(ただ車両のバランスに問題がある様ですので、この点の改善は当然必要ですが…)、これは安物車両を他社に先立って導入している首都圏JRの現状を見る限りでは夢物語といった所です。