先月MAKIKYUは今春開業したばかりの北海道新幹線に乗車機会がありました。
北海道新幹線は料金面では東北新幹線との跨ぎ利用で若干の割引が適用されるものの、特急料金は㎞通算されず別料金(運賃部分は㎞通算)となっており、分割民営化以降に開業した他新幹線(北陸・山陽~九州)と同様の扱いになっています。
列車の運行面では大半の列車は東北新幹線に直通運転、車両も東北新幹線と共用となっており、開業区間も青函トンネルを挟む新青森~新函館北斗間の部分開業のみ、北海道の基幹都市・札幌と東北新幹線沿線各都市の移動では、新函館北斗駅で新幹線と在来線特急に乗り継ぐ必要があります。
この様な状況に加え近年のJR北海道を取り巻く諸問題も影響してか、比較的近年開業した九州や北陸などの新幹線に比べると、盛り上がりも今一つという印象があります。
ただそれでも今までに比べると「近くて遠い北の大地」という印象が強かった北海道内各地への道程が、以前より随分便利になったと感じたのは事実で、近年在来線特急で相次いだ重大インシデントが、新幹線において発生しない事を強く願いたいものです。
前置きが少々長くなってしまいましたが、この北海道新幹線は東北新幹線と車両を共用しており、運行距離比率なども影響してか、運行車両の大半はJR東日本所属のE5系車両となっています。
しかしながらJR北海道も4編成(1編成10両-計40両)だけながら、E5系とほぼ同仕様の自社所属車両・H5系車両を導入しており、MAKIKYUが北海道新幹線に乗車した際には、この数少ないH5系に乗車する事ができました。
導入数が少なく車両の独自開発を行うのは厳しい上に、運用差替やミニ新幹線車両との混結なども考慮すると、JR東日本で実績のある車両と同等の車両を導入するのは必然で、H5系は北陸新幹線でJR東日本とJR西日本がE7系/W7系として、両者で同等の車両を走らせているのとほぼ同様の状況です。
とはいえE7系/W7系や東海道・山陽新幹線のN700系などとは異なり、車体塗装は窓下の帯色を変えているのが大きな特徴(E5系はピンク・H5系はパープル)で、車体側面にも北海道をイメージしたロゴを配しています。
車内に足を踏み入れると、普通車の客ドアは内側が黄緑色に塗装され、これもベージュ色のE5系とは異なったものです。
客室内も座席数や座席形状などはE5系と同等ながら、床材も雪の結晶をイメージした模様が入れられるなど、こちらも内装は完全共通仕様のE7系/W7系に比べると、JR北海道の個性を感じられる仕上がりになっていると感じたもので、LED蛍光灯を採用した関係で、天井周りの雰囲気がやや変化した点も注目と感じたものでした。
またMAKIKYUが先月北海道新幹線を利用した際には、JR東日本の株主優待乗車証(自社線内のみ料金を含めて2割引・1度に2枚まで利用可能)を用いた事もあり、新青森を境に北海道新幹線を含む以北のJR北海道区間と、新青森以南の東北新幹線を含むJR東日本区間で乗車券を分割して購入したものでした。
この事もあってか、新函館北斗から乗車したはやぶさ号(東京行)は新青森で下車、その後青森市内に数時間滞在してから新青森始発の東北新幹線で帰京していますが、帰京の際に乗車したはやぶさ号も北海道新幹線区間とは別編成ながら、こちらもJR北海道所属のH5系でした。
新青森から乗車した新幹線は、株主優待乗車証利用で料金も割引される事もあり、グリーン車を利用(株主優待乗車証2枚利用の場合はグリーン料金も4割引)したものでしたが、グリーン車デッキの客ドアは内側が赤紫色に塗装され、これもE5系とは異なるものです。
客室内に足を踏み入れると、こちらもLED蛍光灯採用に伴う天井構造の変化に加え、床敷物が流氷をイメージした柄になっているのが目立つと感じたものでした。
(E5系グリーン車は見た事があるだけで未乗ですが…)
ちなみにH5系はE5系と同様に「グランクラス」も設定されていますが、こちらはグランクラス利用客以外の見学目的での客室内立入りはご遠慮下さいという掲示が目立つ状況、専任アテンダント乗務もあって視察も困難な状況だけあり、こちらの画像はありませんのでご了承下さい。
このH5系は基本的にE5系の仕様を踏襲しながらも、可能な範囲で北海道らしさを出すという点では、他のJR複数社共同設計車両よりも一歩上を行く存在と感じたものでしたが、車内放送はチャイムも含めてE5系と全く同一、その上北海道新幹線区間でも東北新幹線区間と同一と言うのは、少々残念と感じたものでした。
(E7系/W7系やN700系では所属会社毎に車内放送チャイムが異なっており、個人的にはJR西日本の車両で用いているチャイムが好みです)
またH5系は新幹線50年の歴史において、初めてJR他社の新幹線車両と併結して運行を行う形式になったというのも注目点で、MAKIKYUが大宮駅ではやぶさ号から下車した際には、後部にJR東日本所属車両(E6系)を従えた姿を見る事も出来ました。
途中で社籍が変わった事(国鉄→JR各社への転換を除く)により、2社の所属歴(JR東海→JR西日本)を持つ新幹線車両には以前乗車した事もありますが、1列車で2社の新幹線車両が併結した列車に乗車したのは当然初めてで、H5系の運用数が少ない事もあってか、このシーンも注目と感じたものでした。
新青森以北の今春開業した北海道新幹線区間の様子に関しても、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。
最新の画像[もっと見る]
- 寝台列車関連記事へのリンク掲載 8年前
- JR西日本225系5100番台~幾つかの疑問を感じる阪和線用最新型車両 8年前
- 最新!「住みよさランキング2016」トップ50が発表~今年もまた北総監獄が… 8年前
- 和歌山電鐵・たま駅長が急逝~高齢とは言えども… 9年前
- 和歌山電鐵・たま駅長が急逝~高齢とは言えども… 9年前
- 和歌山電鐵・たま駅長が急逝~高齢とは言えども… 9年前
- 阪神電車・普通用に新形式車両導入~車両代替は予想していましたが… 10年前
- 今日は各地でダイヤ改正~JR系はかなり注目されていますが… 10年前
- 「開発を止めた某鉄道」7260形がようやく消滅~余りに酷過ぎましたので… 10年前
- 山陽新幹線開業40周年・記念キャンペーンCMも… 10年前
E5・H5新幹線が北海道上陸するよりも前に
函館本線の流山温泉駅に新幹線が居ましたよね。
もう撤去解体されてしまった事でしょうか・・・
SL函館号の車窓から緑帯の200系新幹線が
見えた時には驚きでありました
0系や200系は比較的多くの静態保存車が
存在しますが、2階建新幹線MAX初代は
保存されてる車両って存在しなかったりして~
山形新幹線400系についても、もしかすると
生き残りは居ないのかも知れません
新幹線つばさ号はカッコ良かったな~
流山温泉は施設自体が閉鎖、また保存車両も北の大地への新幹線延伸を祈願して設置されたものだったと思いますので、念願が叶う一方で施設運営撤退ともなれば、運命を終えたと言っても過言ではないと思います。
また2階建て新幹線に関しても、初代のE1系は全廃・現存のE4系退役が進行する状況ですが、特に後者は様々な面で特色ある車両ですので、1両程度は鉄道博物館へ殿堂入りさせるのも…と感じます。
400系も保存車は聞きませんが、その後登場したE3系も退役進行中ですので、こちらと合わせての保存も話題性を集めるという点では、検討余地がありそうな気がします。
新幹線車両を丸ごと保存となると、容易な事ではありませんので、状況次第では西条の保存車の如く、通称「生首」状態にせざるを得ないかもしれませんが…