還暦直前に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症弁形成術体験記)

還暦を目前にして滋賀医大の浅井徹先生の執刀で僧帽弁形成術を受けました。
私の体験が同病の方の参考になれば幸いです。

血圧の基準値の変遷

2016年07月19日 | 雑記帳(心臓と関係有り)
血圧の基準値は以下のように、何度も変遷が重ねられてきています。
元資料は、2014/09/18第42回STS研究会の資料です。

1993年(高血圧の予防、発見、診断、治療に関する米国合同委員会第5次報告)
最高血圧が160~180、最低血圧が90~105で軽症高血圧
180/105までなら特に持病がなければ、3ヶ月程度生活習慣を改善するなどして様子をみて、それでも160/95を超えていれば降圧剤を使う

2000年、日本高血圧学会作成の「高血圧治療ガイドラインJSH2000」によると
140/90以上で高血圧、目標数値は130/85未満。
ただし、高齢者の基準はもっと緩やかで最高血圧の目標値は
60歳代では140mmHg以下
70歳代では150~160mmHg以下
80歳代では160~170mmHg以下
最低血圧は年代にかかわらず90mmHg未満

2004年、日本高血圧学会作成の「高血圧治療ガイドラインJSH2004」によると
60歳以上の高齢者も60歳未満の基準に合わせた
※年齢に寄らず一律の基準

2008年、厚生労働省作成の「メタボ健診(特定健康診査・特定保健指導)」では
上が130mmHg以上、または下が85mmHg以上で特定保険指導の対象となった。

2014年、日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が見直し提言
健康な男女グループでの血圧値上限は、収縮期血圧147mmHg、拡張期血圧94mmHg。糖尿病や腎疾患といった持病がなければ、緩められる新基準の範囲であれば薬を減らせる可能性がある。

これについては高血圧学会(コレステロール値は動脈硬化学会)が反論し、未だ見直しには至らず、基準値については従来通りです。

人間ドック学会のHPを見ると、血圧の基準(高い方)は
129以下 基準範囲
130~159 要注意
160以上 異常

高血圧学会の基準は
119以下 至適血圧
120~129 正常血圧
130~139 正常高値血圧
140~159 Ⅰ度高血圧
160~179 Ⅱ度高血圧
180以上 Ⅲ度高血圧

となっているので、高血圧学会の正常高値血圧とⅠ度高血圧は、人間ドック受診時は要注意とされるわけです。直ちに健康が損なわれるわけでは無いという感じでしょうか?

高血圧学会のHPには、血圧が低いほど血管病と腎臓病のリスクは下がると書いてありますが、他の臓器の病気については言及がありません。

こんなグラフもあります。
つまり血圧が高いからと言って降圧治療すると、自立した生活ができなくなるリスクが高いという研究もあるのです。血管は守られても他の臓器が病を得てしまう、と言うことがあるのかもしれませんので、他の臓器はどうなるのか、血管系や腎臓にとどまらない研究をして欲しいと思います。