懐かしい思いがものの見事に裏切られた“ボナンザ 第1話 殺し屋兄弟”だったが、“第2話 スペインの所有権”は期待を裏切らなかった。
確かに、“真昼の決闘”などとは比べるべくもないが、50分弱のテレビ・ドラマとしては、まずまずではないか。
テーマは、西部開拓を奨励するために、開拓民に農地を無償で与えることを定めたホームステッド法のもとで土地を開拓した農民たちと、従来からの所有権を主張するスペイン貴族の末裔との争いの物語である。
カートライト一家もこのホームステッド法によって土地を得た農民であるが、それ以前からの所有権を主張するスペイン人貴族の相続人と称する者がやって来て、周囲の開拓農民を追い払おうとする。抵抗する農民は用心棒に撃ち殺されてしまう。
旧来のスペイン人の所有権は、メキシコ政府もカリフォルニア政府も承認していると、話のなかでカートライトの親父さんが言っていた(ただし“ボナンザ”の舞台はネバダ州だが)。問題は、追い立てにやって来た女が本当にスペイン貴族の相続人かどうかということである。
カートライトの二男と三男が、モントレーまで調べに行くが、裁判が始まる直前まで戻ってこない。いっぽう、長男は女に近づいて、真実を聞き出そうとするが、結局聞き出せないまま裁判当日を迎えてしまう。
その裁判の結末は、ハッピー・エンディングが定例であるはずのアメリカのテレビドラマの結末としては、結構意外なことになっている。
1960年2月6日放映とあるから、ぼくは10歳、小学校4年生である。こんな複雑な時代および法的な背景など分かっていたはずもない。それでも西部劇であるだけで満足して見ていたのだろうか。
* 写真は、DVD版“ボナンザ 第2話 スペインの所有権”から、開拓農民とスペイン貴族の相続人の間の所有権をめぐる法廷シーン。