豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

“フロスト警部 それぞれのミレニアム”

2008年07月29日 | テレビ&ポップス

 “フロスト警部 それぞれのミレニアム”は、1999年のクリスマス・イヴから2000年の元旦までの数日間のデントン署が舞台。

 前編、後編の続き物で時間がいっぱいあったからだろうか、発電所での連続殺人事件、犬猫の射殺事件、盗難車の国際密売事件、フロストも巻き込まれる銀行強盗事件、警察官の不倫殺人事件、16歳少女の家出(親に秘密の出産事件)などなど、あれやこれやと事件が起こる。
 
 最終的には、警察官の不倫殺人事件と発電所での連続殺人事件に収束していくのだが、今回も事件それ自体の謎解きよりは、捜査の過程で明らかになっていく親子間の愛憎、警察官同士の確執、それに再会したフロストと元妻(?)との交流などが中心的に描かれている。
 
 今回も10年近く前の、ファスト・バック全盛時代のイギリス車のオンパレードで、クルマ好きにはたまらないだろうと思う。ぼくにはイギリス車の識別などできないのでなんとも言えないが、このドラマの製作者は、クルマの記号的意味を使って、登場人物、場面に応じてしかるべきクルマを配列しているように思う。

 個人的には、エピソード的にしか描かれていない、親への連絡なしの16歳少女の出産の事件に興味を引かれた。
 ちょうど今、秋の研究会で報告するために、Axon判決というイギリスのQueen's Bench で下された判決を読んでいる。その事案というのが、親に連絡しないまま16歳未満の少女に対して中絶を行うことはヨーロッパ人権条約で保障された親の権利を侵害しないかということが主要な論点になった事件である。
 理想的には、今回のフロストで描かれたような解決が望ましいのだろうが、現実には、そんなに都合よく産科医と警官が知り合いで、その警官(フロスト)がいきり立つ父親に友情ある説得を行ってくれ、父親も現実を受け入れるなんてことはありえないだろう。

 しかし、本当のことを言えば、今回はクルマよりも、未成年者の医療よりも、ほどよい太さの女性が何人か出演しているのがよかった。本来はイギリス人女性は苦手なのだが、今回登場した女性たちは悪くない。

 * 写真は、ミステリー・チャンネル“フロスト警部 それぞれのミレニアム”から、フロストの元妻(か? 途中を少し見逃したのでどういう女性か不明)。

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