きのう、夕立ちがやんでから、ツタヤに出かけて、メグレ警視シリーズの“サン・フィアクル殺人事件”を借りてきた。
6月28日から7月4日までは半額セール(?)をやっていたが、クーポンを写メールしていかなかったので、定価(当日380円)。もったいないことをした。
今回は、以前に書いた“聖歌隊少年の証言”の原作(『サン・フィアクル殺人事件』の第3章)との関係を探るのが目的。
で、分かったことは、要するにDVD版(=テレビ版)では、原作の『サン・フィアクル殺人事件』(原題は“L'affaire Sant-Fiacre”)を2つ(それ以上かも)に分割して、メグレの少年時代の思い出の部分は“聖歌隊少年の証言”に、メグレの故郷で起こった事件それ自体は、今回の“サン・フィアクル殺人事件”で描いた、ということのようだ。
長島良三氏の解説によると、メグレは、ホームズやポワロと違って、その生い立ちを知ることができる探偵という点が特色のひとつだという。
まさに、今回の『サン・フィアクル殺人事件』や、『メグレの回想録』(世界ミステリ全集、早川書房、1965年、所収)によって、作者のシムノン自身がメグレの少年時代を描いているのだ。
これらに記されたメグレの生い立ちは、長島良三『メグレ警視--La vie du commissaire Maigret』(読売新聞社、1978年)の第1部「メグレの履歴」でも知ることができる。
なお、今回のDVDには、メグレの妻が登場する。原作の活字から得られる印象では、メグレの妻は、もっとふくよかで母親的な女性のように思えたのだが、昨日見たのでは、なかなか知的で積極的な、ときにメグレが殺意を抱くほど辛らつなこともある女性であった。
* 写真は、DVD版“メグレ警視 サン・フィアクル殺人事件”のタイトル。