フランスのテレビ・ドラマ“メグレ警視”シリーズから、“メグレ警視 ジュモン51分の停車”を見た。
ツタヤのWカード会員の金曜日半額セールで数本まとめて借りてきたうちの1本。当初の借りる基準は「原作の雰囲気を映像で見たいもの」だったが、もう何でもよくなって、その時の気分で選んでいる。
どれにしても、メグレ警部シリーズは大きくはずれることはないから。
原作は、“Jeumont, 51 minutes d'arret”だが、ドラマの原題は“Un meurtre de premiere classe”(“1等車の殺人”)と改められている。それが日本語字幕版では、ふたたび“ジュモン51分の停車”に改められて(戻されて)いる。
ちなみに、長島良三編『名探偵読本2 メグレ警視』(パシフィカ、1978年)によると、原作は、1938年に発表されたメグレ・シリーズの第24作目の作品で、「ワルシャワからベルリン経由でエルクリーヌに到着する列車で男が殺される。ベルギー国境に呼び出されたメグレは・・・」と紹介されている。
フランス人、ポーランド人、ドイツ人などが乗り合わせた国際列車の車内で殺人が起こり、密室だった1等車と繋がっている食堂車だけが、ベルギー国境に近い(らしい)ジュモンという田舎駅の引込み線に停められ、パリからやって来たメグレが、列車が出発する午後9時までに事件を解決するという設定。
時代は第2次大戦が終わってほどない時期になっているらしく(原作は1938年なのだが)、ナチスに協力した美貌のフランス女性なども登場する。解説には、その時代の雰囲気が出ているとあったが、第2次大戦後のフランスの雰囲気というよりは、時代にかかわりないフランスの片田舎の雰囲気だろう。
* 写真は、DVD版“メグレ警視 ジュモン51分の停車”から、ジュモン駅の引込み線に停められた車両とメグレ警視(この当時はメグレ警部ではないだろうか・・・)。