“三笠書房”の次に目にとまるのが、“秋田書店”。
マンガにも歴史物にも興味がないぼくにはあまりご縁がない出版社である。
飯田橋駅を通過する総武線、中央線の車窓から、夜になると真っ赤なネオン(?)の看板が見えるので、昔から“秋田書店”がこの辺にあることだけは知っていた。
「ご縁がない」といったけれど、昔よく読んだ佐藤忠男の映画評論の中に秋田書店の本があったことを思い出した。
1冊目は「世界映画100選」(昭和49年、秋田書店刊)。まえがきによると、佐藤が自分自身で見て感動した映画だけを集めたという。
高橋大輔で有名になった「道」は選ばれていない。ぼくは好きだけど・・・。アンソニー・クインがジュリエッタ・マシーナを捨てるシーンで、男が去って行くのを彼女は気づいていたのかどうかで、級友と議論したことがあった。
もう1冊は「青春映画の系譜」(昭和51年、秋田書店刊)。「ジャイアンツ」のなかのジェームス・ディーンのイラストが表紙になっている。ディーンの背景は意味不明の日の丸(?)。
田中絹代の「伊豆の踊り子」からジェームス・ディーン、石原裕次郎、大島渚らを経て、深作欣二あたりで終わっている。
佐藤忠男から教わったこともたくさんあった。具体的に何だったかは忘れてしまったけれど。
2010/2/21