チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

仏手柑

2022年01月11日 | お正月

雨、9度、80%

 毎年大晦日にいただく小包に必ず入っているのものがあります。「仏手柑」、黄色い大きな実です。一見異様な形をしています。珍しい「仏手柑」は正月飾りとしても使われます。福岡では花屋に売っているのを見ることすらありません。暖かい地方で栽培されています。字からもわかるように「柑橘類」の一種です。

 昨年末は郵便屋さんから小包を渡された途端に、爽やかな香りがしました。今までで一番香り高い「仏手柑」です。みかんなどと同じく枝から垂れてこの実はつくそうです。生っている姿を想像するだけでも面白い「仏手柑」です。香港でも「春節」にホテルなどで飾られているのを目にすることがあります。太子の花市でも売られていませんから、特別な入手経路で香港に入ってくるのかと想像していました。色が黄色は黄金色に通じお金ができる。たくさんの手を持つこの姿は子孫繁栄に繋がると、縁起物です。

 ひと月、ふた月と元気な姿を保ちます。今年はまだいい香りがしています。一昨日、ふと知ったことです。「仏手柑」食べられるそうです。皮をマーマレードのようにして食べるのだとか、実らしい実はなく白いワタが詰まっているそうです。考えたら「仏手柑」を切ったことがありませんでした。

 立派な私の手のひらほどもある「仏手柑」、食べてみたい気持ちとこのまま飾っていようと思う気持ちが入り乱れています。「仏手柑」今年も我が家にいい事、いい人、いい知らせを呼んでくれそうです。

 

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庭の七草

2022年01月08日 | お正月

晴、3度、74%

 お正月の明けて7日、「七草粥」の日です。と言うよりお正月明け一息してくださいと言う日だと思います。4年前帰国して驚いたことの一つが「七草」セットでした。初売りの日からパックに入って「七草」がスーパーに並びました。便利になったなあと喜んで買いました。さっと湯がいて刻みますが、ちっとも「七草」の香りがしません。昔は山に摘みに出かけました。元気のないパックの「七草」でした。

 その翌年から、庭の青い葉っぱを7種類摘んでおかゆやリゾットを作りました。「七草」は決まった7種類でなくても、寒の内に青々とした緑濃い葉っぱならいいと思います。その元気を頂戴するのが「七草粥」です。

 カゴを持って庭に出ました。私の弾む気持ちがココさんにも伝わってココさんも庭に出て来ました。 「なんですか?これ」 左上から「イタリアンパセリ」「ルッコラ」「ディル」「パクチー」「よもぎ」「チャービル」「チャイブス」の7種類です。昨年夏に植えた「よもぎ」が初登場。「よもぎ」は季節によって香りが変わるそうです。春の新芽とは違った香りがします。摘みたてを洗ってさっと湯に通し、刻みます。ほんのりと暖かい青草の香りが鼻をくすぐります。緑も鮮やか。

 今年は焼き餅と合わせました。刻んだ「庭の七草」を焼きたてのお餅に絡めるだけです。お餅の香ばしさ、草の香り、目にも鮮やかな緑。「この冬も元気に乗り越えられますように。」手を合わせて頬ばりました。

 来年も庭の葉っぱで「七草」を楽しむつもりです。タンポポの緑が「ここにもいますよ、きれいな緑。」と言っているようでした。

 

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注連縄

2022年01月07日 | お正月

晴、4度、66%

 年が明けてもう7日、早いところではお正月飾りを外すところもあるようです。帰国して4回目のお正月でした。注連縄や松飾りが30年も日本にいない間に随分変わって来ていることに気付きます。30年過ごした香港では新年は休日ですが元旦のみ、大きなお祝いは旧正月に行います。30年の間、日本でお正月を迎えたことはありませんでした。

 帰国後、初めて迎えたお正月は「戌年」でした。福岡の注連縄を飾ろうと思います。 竹1本に藁とウラジロ、大きな橙、これが福岡の注連縄です。でも街には丸い「輪飾り」や京都の竹で組まれた高価なものまで売られていました。福岡の古来からの注連縄はどうも私は好きになれません。注連縄なしでと思っているとこんな注連縄を見つけました。 「パグの注連縄」です。モモが迎えることができなかった日本のお正月に「パグの注連縄」を飾りました。

 次の年も「注連縄」で迷いました。地方地方によって「注連縄」の形が大きく違うことも知りました。見つけたのが「捻りに稲穂」の注連縄です。「稲穂」は好きな素材です。大きさも程よく控えめな様子が気に入って以来この形を我が家の「注連縄」にしています。

 今年のお正月、よそのお玄関先を覗くと「注連縄」のないお家が多くなりました。モダンな洋風の家では「輪飾り」の注連縄です。マンションの玄関には注連縄は似合わないと思います。帰国した年末、注連縄だけを売る店があちこちに見られましたが、昨年末はその数も減りました。小さな注連縄をつけている車もほとんど見かけません。次第に省略されているお正月飾りです。

 鶴や亀を象った「注連縄」が伝わる地方があるそうです。東北の力強い注連縄はさすが「米どころ」と思わせるものが見られます。「注連縄」ばかりか「門松」も数が減っています。小正月までお休みが続いた昔とは違って今では3が日を待たなくてもお店が開きます。お正月の雰囲気が薄れていくのは寂しくもありますが、当然の成り行きなのでしょう。我が家の「注連縄」は今夕、外します。

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お餅の思い出

2022年01月04日 | お正月

晴、4度、52%

 子供の頃の食べ物の思い出はいいものもあれば、良くないものもあります。「お餅」にはあまり芳しくない思いがありました。そんな思いをこの歳になるまでなんとなく引きずって来ました。でも、なんの切掛かコロリと落ちることがあるのを知りました。

 子供の頃、元旦から成人式過ぎまでは朝から夜までこの家で一人で留守番をしていました。父の仕事柄、一年中で一番お客様の多い時期でした。写場、つまり写真のスタジオには晴れ着を着た人たちが記念撮影にやって来ます。母も着付けの乱れを整えたりで一緒に出かけます。火の元が心配なので、ストーブは使えず椅子に座って当たる火鉢だけでした。ご飯を作り置きするような母ではありません。私に置かれた食べ物は「お餅」。きな粉やお海苔もありません。仕方なく「お醤油とお砂糖」を混ぜてつけました。

 寂しかったと思います。寒かったと思います。「お餅」を見るとお醤油とお砂糖の甘塩っぱい味とともに胸に支えるものがありました。嫌いではないのです。ぷーっと膨れて香ばしい香り、熱々の「お餅」は食の細い私でも好きでした。

 ここ数年、年末につきたてのお餅をいただきます。福岡は丸餅です。ご家族揃ってつかれた「お餅」は遠くからやって来ます。今年初めて「あん餅」が入っていました。昔、祖父母の家でつきたてのお餅にあんを入れ私に叔母がぬくぬくを手渡してくれたことを思い出します。荷物を開けるや「あん餅」をいただきました。

 明けてお正月、一番にいただいたのは白味噌で仕立てたお雑煮、久しぶりの白味噌仕立てでした。焼き餅は香ばしく、「ああ、お正月」としみじみ感じます。「あん餅」「白味噌お雑煮」と今年はお餅を食べる勢いが違います。いつもならひと月かけて食べる「お餅」が今年はもう数えるほどです。「お醤油とお砂糖」は使いませんが、ご飯がわりにいくつも食べます。「昆布締め」に使った昆布を炊いた、 こんなものと一緒に。

 胸の中にあった「お餅」への石のように硬い思いが、ポロリと落ちました。「お餅」のあとに入れた「大福茶」を飲みながら、満足げに微笑んでいる自分がいました。寂しかった、寒かった思い出が何処かに消えてしまった、今年のお正月です。

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おせち(私のための)

2022年01月02日 | お正月

晴、3度、70%

 スーパーなどでは早々と「おせち」の出来合いが売れれています。買って並べれば便利ですが、味が濃いのが苦手です。「おせち」を一年一年作ることからたくさんの料理や手順を学びました。一人分の自分の好きな味付けの「おせち」を作りました。

 美味しいものを年末日本中から頂戴したので、まずは「年越しそば」から。 「信州の手打ちそば」が冷凍で送られてきました。お蕎麦を美味しくいただくには茹で時間が肝心です。蕎麦好きの主人のためにそれだけは気を使ってきました。昨年の秋には「新そば」をわざわざお店に出かけて食べました。ところがその新そばよりもこの「信州そば」は香り高く、素晴らしい喉越しです。つけ汁は使いません。蕎麦だけの味、香りを楽しみました。お相手には、 「なめこ」をさっと湯がきました。こちらは山梨から届いた「なめこ」です。その大きさに驚きました。 立派な「なめこ」と「信州そば」そのうまさを堪能した大晦日でした。

 明けて元旦、もちろん「お雑煮」から始まります。大晦日の夕方つきたてのお餅を毎年頂戴します。 丸もちを香ばしく焼き、「なめこ」を添えるので今年は白味噌仕立てにしました。 焼き餅と「なめこ」だけですが、小さな柚子の皮が蓋を取るとお餅の香ばしさとともに香ります。今年初めの食事です。

 「お雑煮」の後すぐに「初詣」に出かけて、帰宅後「おせち」の準備にかかりました。出来上がって品数を数えると6品目、あっという間に出来上がり。一人ですのでお重は二段です。 縁起を担いで取り皿は「瓢箪」にしました。塗りのお皿です。

  一段目、牡蠣の燻製、鯛の昆布締め、海老の梅酒煮、卵焼き、黒豆。「鯛の昆布締め」は一晩おきました「黒豆」は30日に炊きました。 大粒の「牡蠣」が見つからず、ただでさえ縮まる「牡蠣の燻製」ですがぷるんと膨らんでジューシーです。 一晩おいた「鯛の昆布締め」はゆずの皮とちょっぴりのお醤油でいただきます。福岡の鯛は年中美味しいのですが、寒さのこの時期は一段と美味くなります。そこに昆布の美味味が乗ります。薄造りではなく厚めに切った鯛はしっかりした歯ざわりでこの上なく美味しい。

 二段目は、 筑前煮です。鶏と京人参以外のお野菜は、頂き物です。

 大晦日から元旦、美味しいものをお腹いっぱい食べました。みなさんのおかげで一人にしては贅沢な食事の数々です。ありがとうございます。

 気持ちの改まる元旦、台所で包丁を握るのはこれまた気持ちが整います。私の和食の基本は「おせち」作りです。

 

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2022年、あけましておめでとうございます。

2022年01月01日 | お正月

晴、2度、60%

 あけましておめでとうございます。

 たった一晩の眠りから覚めると、年が変わって新年です。成人してからはこの新年の朝は気持ちが改まるのを感じます。「おめでたい」というより「清々しい」と感じます。この朝を迎えることができありがたい。

 12月は落ち着きません。座って本読むことも編み物を続けることも出来ずに雑務に追われました。昨日はてんやわんやの1日で、夕刻年越しそばのお膳の前に座る頃にはぐったりでした。ご家族が多い方は私の忙しさの比ではないと思います。

  今月のテーブルクロスは「ウィリアム=モリス」の麻が混じった生地です。木綿100%と違いとろみがあって重い布です。真っ白ではなくクリーム色を帯びた色合いは暖かく感じます。新たまった気持ちに落ち着きを添えてくれる布です。

 床の間は、 「川合玉堂」の「黎明」、かすかに日の上る赤みが射したお軸です。昨夕、届いた「仏手柑」を飾りました。正月らしい凜とした空間です。帰国して以来毎年、晦日の夕方に小包をいただきます。お餅、花、お茶、正月準備の品々が詰まっています。大家族でお忙しいのに年末の荷造りして送ってくださいます。いつもありがたく頂戴します。荷物の中の大きな「ウラジロ」の葉と今年の稲穂を父母に供えました。 この家、土地を私に残してくれた両親への感謝の気持ちです。

 夕方急いでプリントした「モモさんカレンダー」 香港、グレンリーの通りの側溝の水の流れで遊ぶ姿です。10歳を過ぎた頃からカメラの向こうの私に微笑むようになりました。しっかりレンズを見て目が笑っています。この笑顔がいつも私の胸にあるモモさんです。

 日が昇って初詣に出かけます。昨日とは打って変わってのんびりした一日を過ごします。寒い年明けになりました。雪の多い地方の方達のご苦労を思います。

 今年も良い年にしなくては。よろしくお願いいたします。

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