チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

工芸茶 マリーゴールド

2019年10月29日 | お茶

曇、15度、69%

 香りをつけた中国茶といえば「ジャスミンティー」、中国の「工芸茶」の起こりはこの「ジャスミンティー」だと聞いたことがあります。つまり香りをつけるという一手間かけたお茶です。その後、様々な花を芯に白茶の葉で包みお湯の中で花咲かせるものが出来たのだそうです。ガラスの器の中で開いて行くお茶の蕾を見る時間は静かに過ぎます。

 日本ではカーネーションを芯にした「工芸茶」が母の日のプレゼントにされていると知ったのは今年の母の日のことでした。日本らしい贈り物の仕方です。母の日に息子さんご夫婦から贈られた貴重な「工芸茶」を友人が分けてくださいました。中国でも「工芸茶」はお高いお茶です。

 お茶の産地福建省で作られる「工芸茶」、花色を生かすためにはお茶の色が濃くては見栄えがしません。そこで細長い銀の葉を持つ「白茶」が使われます。 熱々のお湯を注いでゆっくりと花開くのを待ちます。外の「白茶」の葉が開き中の花の蕾が見えます。よく使われる花は真っ赤なバラです。今回いただいたのはオレンジ色のマリーゴールドでした。しかも大輪です。しっかりと開くまで時間にして8分ほど。他のお茶を入れる時とは違いゆっくりとお茶のグラスを見つめて待ちます。

 そういえば中国の人たちはお茶を入れるのにせかせかとしません。丸い急須を前にのんびりと葉っぱが開くのを待ちます。決まりごとなど少ない中国のお茶の入れ方です。以前は空き瓶にお茶の葉を入れお湯を注いで蓋をして持ち運んでいる人をよく見かけました。時間の流れをお茶と共に過ごす中国人です。

 いただいたマリーゴールドの「工芸茶」はスッキリとした深い味があります。口元にグラスを寄せるとマリーゴールドの甘い香りがしました。一服にふさわしいお茶でした。

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新茶

2019年06月26日 | お茶

雨、22度、76%

 4人の方達からそれぞれ違うお茶の産地の新茶をいただきました。5月の八十八夜を待たずして送られてきたものもあります。産地によって茶摘みの時期も違うのかもしれません。福岡の八女、鹿児島の知覧、静岡の掛川、最後にいただいたのが京都の宇治のお茶でした。

 香港にいる間は日本茶を買うこともないほど、皆さんからお土産でお茶をいただきました。空港でも買うことができますし、なんと言っても軽くて荷物になりません。帰国すれば日本茶は自分で買わなくてはと思っていましたが、お茶は贈答品の代表格です。頂戴もののお茶を楽しませてもらっています。

 まさか4箇所の新茶をいただくとは思ってもいませんでした。新茶といっても産地によってこんなに違うものかと改めて知りました。今までは新茶のみならず漫然とお茶を入れていました。2つ目の新茶をいただいた頃から、味、香り、お茶の色、果てはお茶がらまでその都度確かめるように飲みました。4つの産地のお茶を写真に収めておけばよかったと後悔しています。

 新茶ですからお茶っ葉の姿はどこもさして変わりません。同じ茶さじで同じ量のお湯をさします。待つ時間もほぼ同じ。お湯飲みに注ぐとまず鼻先をお茶の香りがよぎります。次に目に飛び込んで来るお茶の色、この緑の具合が産地で全く違います。爽やかな黄緑のものもあれば透明感のあるお茶もありました。口に含むとまろやかさ、後に残る渋みがそれぞれです。コロコロと転げそうなまろやかな甘みを持ち、最後にすっと後を引く渋み。その調和がそれぞれ違います。お茶がらを出してみると、新芽の様子がはっきりと見て取れます。このふた月、爽やかなお茶を十分に楽しみました。

 中国茶も紅茶も新茶があります。ただ、茶摘みの後の工程が日本茶より長いために新茶の意識が低いのでしょう。やはり日本の新茶を楽しむ文化は繊細な日本人ならではのものだと思います。

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「アイリッシュモルト」ロンネフェルト

2019年04月18日 | お茶

晴、13度、96%

 「ロンネフェルト」という紅茶の会社があります。出会いは10年ほど前、主人が上海の出張から持ち帰ってくれた紅茶でした。その頃主人が上海で常宿していたホテルは昔の租界にあり、このドイツの紅茶を供してくれていたようです。ドイツの紅茶なんてと飲んでびっくり、とても美味しい紅茶でした。とりわけアールグレイの香りが私の好みでした。主人のホテルもその後変わり、この「ロンネフェルト」の紅茶のことは忘れていました。

 先日、ある雑誌にこのロンネフェルトの紅茶が紹介されていました。「アイリッシュモルト」というフレーバーティーです。さすが日本です。早速福岡で買えるかどうか調べてみました。福岡ではいくつかのホテルのティールームで飲めるらしいのですが茶っ葉を売っているところはほとんど無く、あっても「アイリッシュモルト」「アールグレイ」は置いていませんでした。そこで日本の輸入元に頼んで送ってもらいました。

 早速、「アイリッシュモルト」を飲んでみました。葉っぱはインドのアッサムを使っています。アッサムですから大きめの葉っぱです。封を切っただけでも「アイリッシュウィスキー」の香りがします。その香りの陰に甘い香りが隠れています。「カカオ」だそうです。ストレートで一口飲みました。そのあとアッサムですからミルクを足しました。 ストレートより断然ミルクティーの方が香り、甘みとも際立ちます。午後の日差しの中、「至福の一杯だわ。」と身体中が満ち足りました。

 香りや美味しさをお伝えするのは非常に難しい、東京や名古屋ではティーサロンもあるようです。今日は久しぶりに「アールグレー」を入れてつもりです。もちろん袋から出した茶っぱは、 マリアージュの缶ですが大事な紅茶を入れる缶に詰め替えました。毎日の紅茶はセイロンディンブラのものがすんなりと喉を通ります。特別な時な一杯にこの「アイリッシュモルト」をと考えます。「アイリッシュモルト」に合うお菓子は何かしら?合わせるお菓子を考えるのもまた楽しみです。

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ケニアの紅茶

2019年04月03日 | お茶

晴、7度、57%

 久々に紅茶の話です。紅茶も緑茶も中国茶もやはり葉っぱに熱いお湯を注いで入れて飲むのが好きです。今やペットボトルのお茶が多くを占めています。紅茶はティーバックで入れるのが一般的です。先日我が家にやって来た12歳のハーフのお嬢さん、紅茶がいいとおっしゃるのでいつものようにお嬢さん、そのお父さん、私の分の紅茶をテーブルでポットからカップに入れました。最後に茶こしに紅茶の葉がどっさり出て来ました。そのは茶殻を見て日本語が達者なお嬢さんは言いました。「それ何?」一体、何を指して何と聞いているのか私はわかりませんでした。さすがお父さん「紅茶の葉っぱだよ。」それでもキョトンとしているお嬢さんでした。東欧でも紅茶はティーバックが主流らしいと知りました。

 珍しく初めて見る紅茶のブランドがありました。その黄色のパッケージに初め目が留まります。「キャンベルズパーフェクトティー」アイルランドの会社です。中身の紅茶は全てケニアの葉っぱを使っていると書かれています。ケニアの紅茶はブレンドティーではよく見かけるようになりました。一度だけオランダの紅茶でケニアだけの葉っぱの紅茶を飲んだことがありますが、味や色、香りの記憶がありません。ケニアにはアッサム種の紅茶が移植されているそうです。つまりミルクティー似合うしっかりした香り、渋みを持つ紅茶です。 

  写真より色は明るいのですが、紅茶独特の香りも少なくストレートで口に含むと埃っぽい渋みが残ります。 そこでミルクを注ぎます。ミルクの量は紅茶の色で自分の好みに入れます。このミルクを入れた時、熱い紅茶から立ち上る香りはストレートの時とはまるで別物です。口に含んでもミルクの甘みを全て引き出して完全なミルクティーです。久しぶりにミルクティーの美味しさに感激します。

 茶っ葉は葉の形をしていません。小さな小さな球状です。一度砕くいた葉っぱを丸く丸めて作られます。「チャイ」が主流のインドでは量販の紅茶はこの製法で作られています。「タージマハル」「タタ」のパックを開けた時丸い葉っぱを見て驚いた記憶があります。つまり余すところなくお湯に紅茶を抽出するためです。

 「キャンベルズパーフェクトティー」アイルランドのこの会社はティーバックは出していないそうです。アイルランドもイギリス流の正統派紅茶の国です。

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リプトン 青缶

2018年12月19日 | お茶

晴、6度、72%

 1日に3杯紅茶を飲みます。小さなシルバーのポットで度々おやかんで沸かしたお湯でいれます。香港から帰国する時の荷物には、たくさんの紅茶の葉っぱを中国茶とともに持ち帰ってきました。ティーバックが主流の紅茶です。葉っぱでいれると後始末が大変ですが、おいしさも違います。

 帰国以来、気になっていたリプトンの青缶を求めてみました。きっといつか飲んだことがあるはずですが、小さい頃から実家はトワイニングでした。「香港式紅茶」と呼ばれるミルクティーがある香港では、リプトンの黄色缶がよく売られています。セイロンティーが好きなので普段はこの黄色缶のリプトンを飲んでいました。色、味、香り共に本当にスタンダードな紅茶です。青缶は日本でしか見られません。早速、 セイロンのヌワラエリアで採れた茶っ葉です。黄色缶よりもちょっとランクが上の茶っぱを使っているそうです。深いコクと澄んだ色いい香りです。好きなお茶の一杯にホッとします。 

 実はこの青缶、自分へのご褒美に買いました。450グラムのある大缶です。そんなにお安い物ではありません。この2日間、義母の病院に1日2度通いました。行く前には電話を入れて、必要な物がないか確かめて出かけます。一昨日は洗濯物を取りに行きました。帰宅してすぐに電話です。「実家から靴を持って来て欲しい。」そこで実家周りで病院に。昨日はコルセットの代金を届けました。帰宅すると今度は「実家からバスタオルを持って来て。」又しても実家周りで病院に行きました。車ですからそんなに遠い距離ではありません。それでも気付けば、昼間の4時間ほどを家を空けています。用事を片付けているとすっかり日が暮れます。気持ちのどこかにクサクサしたものが芽生えていました。昨日の病院からの帰り道、そんな訳で青缶を買いました。一杯のお茶に心が整いました。450グラムの茶っ葉は20年使い続けている缶に入れ替えました。 この年末は好きなお茶に助けられて乗り切ります。

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抹茶オレ

2018年07月17日 | お茶

晴、27度、93%

 抹茶オレを作ります。お茶を点てる要領で熱いミルクを注ぐのですが、お抹茶を漉していてもダマができることがありました。先日、知人がお抹茶を漉さなくてもダマができない方法を教えてくれました。とても簡単です。はじめに少量のお水でお抹茶を練るだけ。この後は冷たい水でも熱いお湯でも普通にお茶を点てるのだそうです。

 早速やってみました。よく練った後冷たいミルクを注いで点てました。 水で練っている時からお抹茶の香りが立ち始めます。ミルクをシャカシャカするためにミルク用の茶筅を持っています。香りばかりかミルクと合わさってもまろやかな抹茶の味が口に広がります。ダマなし。

 次に暑いミルクを注いで作りました。冷たいミルクの時よりも柔らかな泡が立ちます。もちろんダマなし。一見邪道のような水練りから始めるこの方法、お抹茶を一人分濾す必要がなくなりました。お抹茶をふるいにかけると周りに飛び散って、散々です。いつもは多めに漉して棗に入れておきます。いつも頭のどこかに棗に残っているお茶を早く片付けなければと気になります。一人で点てるのならこの方法で十分。しかも旨味成分の何かが出てくるのだとも教えてくださいました。生憎、科学用語に疎いので忘れています。

 恥ずかしい話ですが、お台所でシャカシャカと点てて立ったまま飲むこともあります。この暑さです、多めに点てて水分補給のつもりです。水練りのお茶、お試しください。

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ルピシアのお茶とティーポット

2018年06月27日 | お茶

曇り、28度、69%

 香港に住んでいた30年の間、私が一番消費する紅茶を除きお茶の葉を買ったことがほとんどありませんでした。日本からお見えになる方のお土産は緑茶が一番多く、中国茶は台湾の会社関係の方からいただきました。帰国の引っ越しの荷物には私用の紅茶、お使い物にと中国茶をたくさん入れました。帰国して1年数ヶ月、紅茶は底を尽きました。緑茶は日本ですから、お慶びにつけ不祝儀につけいただきます。

 昨日、びっくりする贈り物が届きました。ルピシアのお茶とティーポットが入っていました。お茶は緑茶、紅茶、中国茶が混ざっています。半端ない量です。そして、薄いガラスのティーポット。私は一年を通して熱いお茶しか飲みません。しかもティーバックではなくルーズリーフを使います。理由は簡単、その時の気分でお茶の濃さを加減できるからです。でも、流しは紅茶の葉、緑茶の葉で後片付けが大変です。頂戴したお茶は全部ティーバックです。お茶っ葉でお茶を淹れますから、ティーポットは6つ、お急須や土瓶も入れるとポットだけでも10個ほど持っています。ルピシアのティーポットはそのまま冷蔵庫にも入れることのできる大きさです。早速、水出しのお茶を作ってみました。 ルピシアのマークのラクダがガラスに印刷されています。お茶2杯分の大きさです。水出しはティーバックを入れて冷蔵庫で一晩置くように書かれています。

 ルピシアのお茶も日本からのお土産でよく頂戴しました。一番いただいたのが、「桜フレーバー」の紅茶と緑茶です。一度、お正月用にといただいた緑茶には金箔が入っていてびっくりしたことがあります。数年前にはお茶の本場台湾にもお店を開いたと聞きました。緑茶、紅茶、中国茶そしてフレーバーティーと扱うお茶の数はかなりの量だと思います。日本発のティーサロンです。

 さて、水出しのお茶には何を選びましょうか。たくさんの袋を丁寧に読みました。「TOKIO」と書かれた緑茶に決めました。香りはベリーだそうです。この夏、たくさんのティーバックとこのティーポットのおかげで私のお茶の習慣が変わりそうです。ティーバックで出した冷たいお茶がいつも冷蔵庫に入っていると思います。このティーポットは熱いお湯にも対応しています。ティーポットとお茶のセット、素敵な贈り物をいただきました。

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日本国産の紅茶

2015年10月11日 | お茶

小雨,20度、73%

 緑茶,紅茶、中国茶、これらが全て同じお茶の木の葉っぱからできていると知ったのは,恥ずかしい事に20年ほど前のことです。日本で作られるから緑茶,中国で作られるから中国茶,それ以外の国で作られたお茶は紅茶、そんな図式が頭に出来上がっていました。作られる行程の違いがお茶の違いです。緑茶は発酵させない,中国茶は半発酵,紅茶は発酵させたお茶の葉です。

 同じお茶の葉からできているのですから,日本で紅茶が作られても何ら不思議ではありません。それでも日本のお茶の葉から作られた紅茶を頂いた時は、なんだか不思議な気がしました。しかもそのお茶は,新潟で作られています。新潟村上市のお茶屋さんの「雪国紅茶」です。しかも,100年ぶりに紅茶作りを始めたと書かれています。

 急に日本の紅茶作りに興味がわきました。調べてみると,日本各地のお茶の産地は明治から大正の初めまでは,盛んに紅茶を作っていたそうです。当時、絹と並んで輸出品として作られていたのだそうです。輸出先はロシア、ヨーロッパ各国。その昔,日本でもお茶は高級品,庶民は今のように緑茶を口にする機会が少なかったと聞いています。日本で出来た紅茶は,日本人の口に入る事無く輸出されていたのかもしれません。

 新潟でお茶の栽培と聞いた時これまた不思議な気がしました。お茶といえば南のイメージが付きまといます。最北限のお茶園がこの新潟だそうです。

  お茶の葉はこんな感じです。茎も入っています。少しラフな中国茶の葉に似ています。熱い熱いお湯でゆっくりと蒸らして淹れてみます。葉っぱ自体には香りがありませんが,お茶を注ぐと微かに甘い香りが立ち始めています。フルーティーというのでもなく、爽やかな香りです。お茶の色は澄んだオレンジ色。口に含むとウーロン茶の爽やかな透明感と紅茶の香りが微妙に拡がります。重たくないお茶です。お砂糖はもちろんミルクも不要です。お茶の個性が全面に出たお茶ではありません。お茶を飲む私たちが密かに感じるこのお茶の個性です。

 紅茶をいただく事は滅多にありません。日本からの緑茶,台湾からのウーロン茶はお土産でいいものを頂戴します。紅茶をいただくと非常に嬉しい,しかもティーバックではなくてルーズリーフです。初めてのお茶は,お茶の葉っぱを見たいので,ティーバックですら袋を切って葉っぱを確かめます。

 紅茶は体を温めてくれます。一年中熱い熱い紅茶を飲みます。夏は体から暑気を払い出してくれ,冬には体の芯がホッと暖まります。まだ行ったことのない新潟の地を想像しながら熱い村上の紅茶をいただいています。

 

 

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ベルガモットの香り

2015年06月08日 | お茶

曇り、28度、86%

 柑橘系のベルガモットの皮から採れる精油は、精油の中でもシトラスの香りが強いものの一つです。アロマとして知るずっと前からこのベルガモットの香りはお馴染みさんでした。トワイニングのアールグレーの紅茶の香りです。フレーバードティーの初めての出会いもこのトワイニングのアールグレー。ところが当時、昭和の40年代の初めに、この紅茶の香りがベルガモットという柑橘系のものだと知っている人はごく僅かだったと思います。私が、はっきりとベルガモットの名前を心に刻んだのは、私が30代に入ってからの事、アロマが段々世の中に知られ始めた頃の事です。

 ベルガモットがなんであろうが、トワイニングのアールグレーはずっと好きな紅茶でした。日東やリプトンしかなかった時代でした。トワイニングの紅茶はとっても英国的。フランスのフレーバードティーなんて全く知らない頃の話です。紅茶が好きな私は、今までたくさんの紅茶を飲んできました。歳が行くにつれ、好みもはっきりしてきます。冬は、バニラやシナモンの香りのする紅茶、夏は何が何でもアールグレー、年間通していただくのは、澄み切った色としっかりした紅茶の香り豊かなセイロンティー。

 夏になると、お水の代わりにアールグレーの熱い紅茶を何杯も飲みます。昨年から好きなアールグレーはクリッパーのもの。フェアトレイドと熱帯雨林を守る会から行き着いたフリッパーです。フリッパーの製品は香港で手に入るものは全て飲んでみました。会社の趣旨といい、手頃な値段といい、しかもいい紅茶を作っています。中でも、アールグレーの香りがひと際気に入りました。ベルガモットの香り、アールグレーといってもその会社その会社によって香りが違います。しかも最近では、トワイニングですら、レディーグレーといってブルーのペタルの入った柔らかなアールグレーまででています。自分に気に入ったアルーグレーを選ぶのも楽しみの一つです。

 さあ、アールグレーの季節到来、ところが香港中、クリッパーのアールグレイが品切れです。いつ入って来るか分からないと言われます。そこで、たまたま近くのスーパーで見つけたフランスのスーパーブランドCASINOのアールグレーを買いました。初めての紅茶の封を切るのはいつもの事ながらワクワクです。ところがこのティーバック、箱を開けても、中の小袋を開いても、ちっともベルガモットが香りません。熱い熱いお湯を注ぎます。それでも、ベルガモットばかりか紅茶の香りもたちません。色はきれいな濃い紅茶の色です。非常にがっかりしました。色付きのお白湯を飲んでいるような気分です。

 この紅茶を飲んだおかげで、ベルガモットを考えるようになりました。何でベルガモットに拘っているのか、確かに好きなだけですが、何故そんなに好きなのか、答えは、ベルガモットの香りが、紅茶を飲んだあとにスキッと頭のトッペンから抜けて行くように感じるあの一瞬です。頭の中もすっきり、肩の辺もすっきりとリセットしてくれるその瞬間です。

 そこで、以前よく買っていた2種類のアールグレーを買って来ました。 どちらのブルーのペタルが入ったレディグレーのアールグレイです。LOYDから飲みました。やっと、あのベルガモットの香りにまた出会えました。次にLIPTONを入れました。香りが数段違います。頭のトッペンからフワッと軽くなりました。

 もしも、ベルガモットの香りがないアールグレーに出会わなければ、きっと、この私ただのアールグレー好きのままでした。ベルガモットの持つその香りがもたらしてくれる様々な事に気付かないでいたと思います。

 それぞれの人が好きなお茶もそれぞれ。そして、その好きな理由には、何らかの身体的にも精神的にもほぐしてくれる要素が潜んでいるのかもしれません。

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お抹茶

2015年04月24日 | お茶

曇り、21度、81%

 海外に長く住んでいますと、皆さん日本の物に不自由されるでしょうと、心配して下さいます。来た当初は、日本のデパートの全盛期で7つもの日系のデパートがありました。にもかかわらず、食料品は、欲しいものが手に入らないことが多多ありました。日系のデパートで買えば手に入るものでも、お値段が高すぎて、ぐっと我慢。そうするうちに、代用することを覚えて行きます。お金が無いということは、随分頭を使うことになります。

 日本茶、こればっかりは代用品がないので、実家からの荷物に入って来る日本茶はほんとにありがたかったものです。それを知ってか、日本からおみえになる方達はお茶を持って来て下さいます。実家からのような普段遣いのお茶ではありません。お土産ですので、新物のお煎茶や玉露です。ご飯の後の一服ですらいい玉露を頂きます。お客様でもないのに、お煎茶を入れます。皆さんのおかげで、ここ10年ほど、そんな贅沢な日本茶の頂き方をしています。

 普通の日本茶ばかりか、お抹茶は手に入らないでしょうと、これまたお土産で頂きます。お抹茶は不思議なことに、銘柄さえ選ばなければかなり以前からデパートのお茶売り場に並んでいました。きっとお高いだろうと、はなから手に取ってもみません。一時帰国の折にお茶筅と一緒に大事に抱えて帰ってきていました。最近ではお茶筅を売っている店もあります。そして、我が家にはお煎茶などと同じく、いいお抹茶のお土産がやって来るようになりました。

 見出し写真左は、京都一保堂の季節のお抹茶です。季節を考えたお抹茶があるなんて初めて知りました。それ以外にも、それぞれの土地のお抹茶を頂きます。 左は八女のお抹茶、右は静岡のお抹茶。お茶どころのお抹茶が勢揃いです。

 今年は二月三月と落ち着かない日々を過ごしていました。気が付けば四月ももう下旬、お菓子を作ってお茶を頂く心の余裕がない日々でした。宇治に八女に静岡、よし、お茶の飲み比べをしようと、遅まきながら桜餅をこさえました。 初めに八女のお茶、色も明るく、抜けるようなさっぱりしたお抹茶です。まだ温かさの残る桜餅を一口。次に静岡のお抹茶を、こちらは色味共にはっきり、しっかりとしたお茶でした。ちょっと間を置いて、宇治のお茶を頂きます。驚くほどお軽い色のお抹茶です。苦みが少なく優しい甘みが残ります。

 それぞれの土地の水や土に支えられたお茶たち、こんなに違うものかと驚きです。同じ茶碗があったら、並べて比べられるのにと残念ですが、色も香りももちろん後を引くお茶の甘みもそれぞれ違いました。写真は八女茶です。

 こんな贅沢は、きっと日本に帰ったら出来ないなあと、お茶を頂いた方達のお顔を思い浮かべて、美味しく頂きました。

 

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