チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

「捨てられません。」

2017年01月13日 05時43分43秒 | 日々のこと

曇り、15度、79%

 5年ほど前、実家の整理を始めました。母は掃除はしない、整理整頓ができない、衣服は畳まない人でした。埃まみれ、蜘蛛の巣を払いながらの整理でした。そんな母親の血が流れていることが恥ずかしいと思いながらの整理でした。息子たちにはこんな思いをさせたくないと思いながらの整理でした。

 いよいよ昨日から一番大きな引越しの荷物を作り始めました。頭の中では、入れるものの手順が整っていたつもりです。開ける時のことを考えて、台所のものはひとまとめ、衣服はひとまとめと箱に詰めていきます。これで3回目の荷物出しです。本も捨てました。DVD、CDも捨てました。衣服ももう着ないなあと思うものはブランドのものでも捨てました。ここで、問題が一つ、外出着は捨てれるのに普段着のTシャツが捨てれないのです。シミも付いています。白ではなくて黄ばんでいます。それでも捨てれない。主人など「もういい加減に捨てなさい。」と仰います。捨てれない。

 もう20年も前、よく香港の山に入りました。週に一度、暑かろうが寒かろうが主人と二人でテクテクと歩きます。九龍サイドの山の中、時には誰一人すれ違うことなく歩きました。そんな山中の小川で拾った3つの石、以来ずっと洗面所に3つ並んでいます。石なんて箱の隅っこに放り入れればいいのですが、考えればただの石です。じっとその小さな石を見つめて、捨てれない。

 台所の荷造りは最後にと思っています。整理は粗方ついたと思っていました。このふた月ほどで、お茶や香辛料を使い切っています。その空き缶、空き瓶があります。 ほんの一部です。クラブトリーの缶や瓶はもう30年、このころのラベルのデザインが好きです。30年、ジャムを食べた後、香辛料が入っていました。空き瓶や空き缶を持って帰るなんてねえ、と思うのですが、捨てれない。軽くてそんなに場所を取ることもないだろうに、荷物の箱に「空き缶」なんて書くのも憚られます。それでも捨てれません。

 人から見ればガラクタです。そのガラクタを抱え込むか、捨てきるか。数年前、母のことを心の中で罵りながら実家の整理をした自分が可笑しくなりました。私だって、いっぱいガラクタを後生大事にしています。ああ、困ったものです。

コメント
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