曇り、19度、82%
我が家のすぐ近くの地元のスーパーには、イタリア、フランス、オランダ、イギリス、ニュージーランド、オーストラリアからのチーズが並んでいます。そうそう、たまには日本の6Pだってあります。珍しいチーズもちょいと足を伸ばせばチーズ室がある良い食材屋さんのケースに並んでいます。ところが私が戻る福岡はデパートのチーズ売り場にすらチーズの数が貧弱です。まして、ヒツジやヤギのチーズはネットで販売されているものを買う羽目になりそうです。そこで、この半年、片端からチーズを食べています。
ヨーロッパではヒツジのチーズは牛のチーズより古くからあったそうです。ヒツジのお乳を飲んだことはありませんが牛の乳より濃厚だと聞きます。ですから、ヒツジのチーズも濃い味になります。牛と違って一年中お乳を出すわけではありません。出産を終えたヒツジが授乳しているそのお乳を横取りして作るチーズです。ですからヒツジのチーズの出荷には時期があります。ヒツジのフレッシュなチーズは夏の終わりから秋にかけて作られるそうです。「ロックフォールチーズ」や「ペコリーノロマーノ」などもヒツジのチーズです。
珍しく見つけた「エトーキ」お国はフランスですがピレーネ山脈のバスク地方、スペインと国境を挟み独特な文化、言語を持つバスク地方です。熟成させて外側は硬質な「エトーキ」です。もっと圧縮させた硬質なチーズが「オッソ イライテ」と呼ばれるものです。牛の乳からできるチーズより確かに解けるような濃い味を感じます。その上、ヤギのチーズのような癖のある匂いもありません。ピレーネ山脈で放牧されたヒツジを想像しながらパクパク。あまり美味しいので、ついつい食べ過ぎてしまいます。何かで読んだことですが、バスク地方ではヒツジのチーズを食べながら、口の中で「ヒツジ、ヒツジ、ヒツジ」と何度もつぶやきながら食べるのだそうです。そうするともっと美味しくなると書かれていました。
このバスク地方、当然スペイン側にもヒツジがたくさんいて、同じようなチーズがスペイン名であるそうです。牛のチーズよりヤギのチーズよりややお高いヒツジのチーズですが、口どけの良さと乳のまろやかさを感じるチーズです。さて、あとひと月足らず、どれだけのチーズを食べれますやら。