晴、21度、96%
小さな生まれたての「カマキリ」がイチゴの葉にいました。 鎌をたたんでいますが、後ろ足、目のぎょろぎょろは「カマキリ」です。よく見ると二匹います。 イチゴを置いている「モチノキ」の辺りを見回しました。「卵があるのかしら?」結構目立つ大きな卵ですが見当たりません。
私は小学1年生の時、背丈がクラスで前から2番目でした。早生まれです。席は決まって最前列の両端、廊下側か窓側です。窓側には窓の手前に棚があり、金魚鉢などが置かれていました。そこに牛乳瓶に刺さった「カマキリの卵」がありました。ボーッとした子供でしたから、授業など聞いていません。一日中、先生と反対の方の「カマキリの卵」を見ていました。先生は注意もしませんでした。小学5年生でやっと引き算がわかるようになる子なんてどうでもよかったのだと今にして思います。
ちょうど今ごろの季節だったのでしょう、卵から次々に透明な「カマキリ」が出て来始めました。後から後から一体何匹あの卵にいたのか?初めて見る昆虫の孵化でした。小さな「カマキリ」は窓から外に出て行きます。窓の外は斜面の草原、その斜面を登りきると塀もフェンスもなく「市立の動物園」とつながっていました。昭和30年代半ばののんびりした話です。数分で「カマキリ」の姿は消えてしまいました。あの時の興奮が今も忘れられません。女の子ばかり56人のクラスでした。
この庭に「カマキリ」が現れたのは帰国後2年目、以来毎年の常連です。秋も深まるとコロンと死骸が転がっています。なのに卵を見たことが一度もありません。少し緑になった「カマキリ」、生まれて数日でしょう。「カマキリ」は「バッタ」ほど植物に悪さをしません。今年もこうして庭の生き物たちの営みが巡って来ました。