チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

福岡ー香港、一往復半した文庫本

2021年11月04日 03時54分38秒 | 日々のこと

雨、14度、78%

 主人から文庫本を一冊送って欲しいと頼まれたのは夏に入った頃のことでした。すぐに求めて、「印刷物」扱いで郵便局から出しました。宛先は家ではなく会社宛てにしました。会社だとスタッフが郵便受けを覗いてくれます。家だと疲れて帰宅した主人は郵便受けを覗かないこともあります。

 福岡を出た文庫本はひと月経っても香港に着きませんでした。主人がある時、「もしかしたら以前の会社の住所に送ったのではない?」と尋ねます。すっかり忘れていました。ずいぶん前に主人の会社は引越しをしていました。郵便物の新しい住所への配達期間はすでに切れています。文庫本は迷子になってしまいました。「また買って送りますね。」と言うと「その必要はないよ。」との返事でした。「印刷物」扱いは郵便料金がお安いのですが、レジスターが効きません。

 以前は福岡から香港への郵便物は福岡発で香港に向かっていました。コロナの影響で直通便は今はありません。一旦東京に集められ香港に向かいます。時間がかかるようになりました。しかも東南アジアの郵便事情は日本のようなきっちりしたものではありません。30年間の香港生活で郵便物が消えてしまった経験は幾度もありました。迷子と知ってひと月が経った頃、郵便受けに私の字の封筒が入っていました。 「あっ!戻ってきた。」嬉しいのはもちろんですが、国際郵便が正確な処理をしてくれるようになったことに喜びました。早速その日のうちに今度は主人の家の方に送りました。

 10日ほど待たせましたが、無事に主人の元に届きました。新刊本ではありません。古い本です。私が買い求めるまでも別の方が読んだ本です。その本が飛行機に乗せられて海の上を幾度も行き来しました。本の内容もそんな不思議さを秘めた話です。この文庫本の「人生」いえ、「本生」を思うと数奇な気がします。

 

コメント
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