雨、4度、90%
主人の上京は仕事が目的でしたが、昨年お亡くなりになったお世話になった方の仏前に参ることが第一義でした。帰国ままならず、葬儀には参列できませんでした。手土産を整えなくてはなりません。先日、主人が散歩の途中で立ち寄った和菓子屋、「うめ最中」を買った店の品はどうかと他のお菓子のお味見を私に言いつけられました。
福岡に因んだ菓子の名前がついています。志賀の島で見つかった「金印」に名を取った焼き菓子、 表には「金印」の文字が浮き出ています。白餡、黄身餡の優しい味に焼き菓子独特の香ばしさを感じます。
「谷風」、春風の意味だそうです。この菓子屋のある辺りにはケヤキの並木があります。並木に吹く春風のイメージ、 柔らかな求肥の皮の中には、あっと驚く香りが飛び出して来ました。「シナモン」です。この香りにつられた私は写真を撮るのを忘れて食べてしまいました。
齧りかけで失礼します。「シナモン」の香りが風を思わせるのか、粋なお菓子でした。
「胡桃」と名付けられた端正なお菓子、外は落雁のようですが砂糖が多いのか口の中ですっと溶けます。 白餡に胡桃が刻まれています。大きめに刻まれた「胡桃」の歯ざわりが落雁のような生地に面白い取り合わせです。ただ非常に甘くて、半分は翌日食べました。
この3種類に先日の「うめ最中」を加えた詰め合わせを作ってもらいました。仏前にと伝えると、グレーの水引で落ち着いた包装をしてくれました。
生菓子もあるようですが、創作和菓子の姿、お味に手にと取る人を喜ばせてくれると思います。
手土産にはいつも頭を痛めます。常套の品なら「虎屋のお羊羹」が無難かとおも思うのですが、新しい発見も兼ねていくつかの店の菓子を頭の隅に入れておきます。お味見役の私も楽しみな手土産選びです。