晴、18度、75%
雨が上がって三日間、庭木の刈り込みをしています。この夏は雨が少なく高温で二本木を枯らしましたが、大きくなる木はどんどん大きく育ちます。暑い夏できるだけ木を見ないようにしていました。気づけばどの木もモッサリとしています。一昨日、風に吹かれて気持ち良く手ノコを使っていると、ふっと鼻を掠めました。「あっ咲き始めた。」と私の倍もある「金木犀」を見上げました。 薄黄色の丸い蕾が開き始めていました。
この数日、昼間は25度を超えます。「金木犀」の香りも強くなりました。見上げると花が開いて濃い蜜柑色になりました。高校生の頃から「金木犀」の香りを待ちました。あの頃は九月の終わりには咲いていたように思います。一週間にも満たない開花です。我が家の周りの古くからの家には必ず「金木犀」が庭にあります。国道を曲がってこの街に入ると途端、「金木犀」が香ります。幸せな一週間です。夕方窓を閉めるのが勿体無いくらい香りが漂っています。早朝は冷たい空気に清澄な香りです。日が上ると香りが色づき甘さを増します。
「金木犀」が咲くと毎年ブログに書きます。「金木犀が咲きました。」とタイトルを入れて来ましたが、いや違うと昨日思いました。「金木犀が香り始めました。」と今年から書くことにします。小さな花姿は可愛いのですが、愛でるのは「香り」です。この花を乾燥させお茶にする中国人の粋なこと。花の香りを移した「桂花陳酒」、花をゼリーに閉じ込めたお菓子、香港生活で「金木犀」の使い方を教えてもらいました。トイレの芳香剤やソープの匂いは科学的です。花そのものの香りを引き出す中国人の知恵は素晴らしい。乾燥させた花にお湯を注ぐだけのお茶は香りもきつくはありません。花が湯に広がり微かに黄色に染まります。
香りのある花が好きです。庭にはいく本も香りの木があります。優劣つけ難い香りの木です。