チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

墨の香り

2024年05月11日 | 日々のこと

晴、18度、88%

 早朝走っているとどこからか「墨」の匂いがして来ました。深い息をすると「墨」の香りは頭を目覚めさせる様な透明感がありました。同じ場所ではありませんが時々早朝の空気に「墨」の香りを感じます。

 久々に硯箱を開けました。 小さい頃から使って来た「墨」はちびれて、それでも捨てきれずに硯箱に入っています。どちらも日本の「墨」です。手付かずの「墨」には彫りと紋様があります。「紫玉光」の名前を持つ「墨」です。 中国の有名な「墨」です。鳩居堂からも同じ名前の「墨」が出ていますが刻印が違います。おそらく母の硯箱から私が残した「墨」です」。でも母は中国の墨が好きではありませんでした。はて?どうして母が持っていたのかしら。中国の墨が好きでないことを知っていた私は、香港からの土産に「墨」を買ったことがありません。どなたからの頂き物でしょうが手付かずでした。

 ちびれた「墨」を使うと指が汚れます。「紫玉光」をすってみました。 古くなった「墨」だからかしばらくすらないと香りが立ちません。香りがたっても、早朝に香ったあの墨の匂いとは違います。中国の「墨」の匂いです。長くすったのに、墨色も日本のそれとは微妙に違います。

 日本の「墨」も様々ですが、奥の深い香りが好きです。墨汁の香りとも違います。「紫玉光」の香りにはその深さがありません。それでも硯箱の蓋を開けたままビューローの蓋を閉めて一晩置きました。 翌朝、蓋を開けたら「紫玉光」の香りはさらに薄くなっていました。

 筆を持つ機会も減っています。今更新しい「墨」を求めるのも考えます。煤と「松脂」が主成分の「墨」です。日本の松の香りがあの深さを出すのでしょう。普通の日本の「墨」を買うかもしれません。ただ香りが欲しいために。


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