曇、24度、82%
44年前、母親になりました。2ヶ月も早く母親になりました。早産でした。「未熟児網膜症」を患っていた息子は生まれて2ヶ月以上、病院で過ごしました。乳を飲ませることも出来ません。母親の私は「目が治りますように。」と祈るばかりでした。近くの方の勧めで巣鴨の「とげぬき地蔵」へ詣でました。「高齢者の銀座」といわれる「とげぬき地蔵」です。
おかげさまで44歳を迎える今は目に異常はありません。一昨日の上京は、そんな息子一家の孫娘に会うこと、誕生日前の息子に「おめでとう」を言うことが目的でした。上京前夜、ふと思い出したことがありました。44年前退院して来た生後2ヶ月の息子はまだ小さく、初めてお風呂を使わせると頭の突ペンがまだふにょふにょと固まっていないことに気付きました。新米母親の私は心配しながら日々を過ごしました。日に日に頭の骨が硬くなりました。柔らかかった頭の感触が何十年ぶりに指先に蘇りました。「よく育ってくれたわね。」
孫娘と二人だけのの楽しい買い物の時間、夕飯時には二日早く息子の「お誕生日祝い」でした。頭の骨のことは話しませんでした。「おめでとう」と身近で言ったのはずいぶん以前のことです。そして心で思います、「よく育ってくれたわね。」
昨日、福岡に戻る飛行機で思うことがありました。息子一家とはLINEでよくテレビ電話をします。孫の成長も見ているつもりでした。ところが会ってびっくり、テレビ電話で思うより心身ともに成長していました。怖いババには少し距離を置いています。自ずと悟った知恵でしょう。久しぶりに家族との時間を持ちました。実際に会うことの大切さをしっかりと感じます。目と目を見て「おかえり」「おめでとう」と言えることの嬉しさを感じました。会うことは人の温もりを感じます。ましてや家族です。
いつもの私の上京は何か用事を抱えていました。ゆっくりと家族に会うだけの時間がこんなに大事だとは65歳にして初めて知る喜びです。帰宅後、香港の主人から電話が入りました。「また東京に行かせてね。」「ああいいよ」いつもの返事です。我が家の家族全員が顔を合わせることが出来る日も近づいていると思います。
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