晴、10度、63%
栗が好きな主人に丹波の栗を送ってくださった方があります。先月、主人が香港に戻る日に頂戴しました。あいにく間に合いませんでした。そこで、生のまま冷凍しました。これまた新潟の方からご自分の地元のコシヒカリをいただきました。封を切らずに主人の帰りを待ちました。
コシヒカリ、真っ白なご飯も食べたいけれど大きな立派な栗があります。栗ご飯にすることにしました。昨日の朝から主人が栗を剥いてくれました。テーブルに向かって栗と格闘しています。主人の手元を見ながら、「頼むべきではなかった。」と内心思います。幾度か、「代わろうか?」と尋ねますが手を休めません。見る間に大きな栗が栗のかけらのようになって、こんもりと積まれました。手先が器用でない人に頼んで仕舞った私の失敗です。
香港に戻る前の昼食です。 栗むきのあと主人は庭師さんの手伝いで左官さんの見習いをしていました。栗ご飯の炊き上がる香りは独特です。土鍋の蓋を取ると、うっすらと渋皮の色がご飯に移っていました。かけらになった栗とコシヒカリ、口に運ぶとふんわりと優しいお味です。 少し遅くなった秋の味覚です。
栗ご飯の左のお魚は「サメ」です。サメの塩干物、お伊勢さんの名物だとお土産でいただいたものです。サメは練り物に混ぜられると聞いたのはずいぶん昔のこと、甘みがあると聞きました。そんな「サメ」が1匹、ポンと魚屋の店先で売られていたのを見つけたのは香港に行って直ぐのことでした。安かったのかどうか?記憶にありません。煮付けにしたのだと思います。噂通り砂糖のような甘さ、その上にアンモニアのような匂いがきつかったと思い出します。このアンモニア臭のため「サメ」の身は敬遠されているのでしょう。いただいた乾物は全く臭みがありません。伊勢ではこうして「サメ」を保存食にしていたのだと思います。身が厚く、身離れの良い「サメ」でした。
食卓を見て主人と大笑い、私が作ったものはらっきょうだけです。主人が家を出る前には大きなおりんごの頂き物が着きました。2個、荷物に詰めて香港に戻りました。いつもながら皆さんのご厚意で主人に美味しいものを食べてもらえます。ココさんも初の栗ご飯に目が大きくなっていました。