気ままに

大船での気ままな生活日誌

アルフォンス・ミュシャ展

2007-09-10 09:34:13 | Weblog
今日はワイフ主導の美術展見学です(笑)。横浜高島屋で開かれている「アルフォンス・ミュシャ展;あこがれのパリと祖国モラヴィア」です。一昨年、ボクの退職記念のつもりの”中欧三か国の旅”のとき、プラハでミュシャ美術館を訪れました。ボクはそれほどでもなかったのですが、ワイフはミュシャのポスター絵をこのとき、大変気に入っていたのでした。

1895年、パリ。人気女優サラ・ベルナールの華麗な姿を描いたポスター「ジスモンダ」が町中の評判になりました。その画家こそ、モラヴィア(現在のチェコ)出身の当時無名のアルフォンス・ミュシャだったのです。このポスター絵から、この展覧会は始まります。

160点が展示されていますが、後半の故国へ帰るまでのパリの作品は、華やかでロマンチックな感じのものが殆どです。一見、同じようにみえますが、よくみると、女性の顔の表情が一枚一枚違っていて、それも、いろいろな感情表現が見事に表わされています。身体の線は結構太い、単純な輪郭線で描かれていますが、女体の美しさがよく表現されていると思いました。そして、背景には、あるときには精密に、あるときにはグラフィックに描かれた植物画が目をひきます。アールヌーボーの代表的作家といわれるだけのことはあります。

どの作品も見応えがありましたが、とくにボクは、4枚の絵がシリーズになっている連作「四季」と「時の流れ」(朝、昼、夕、夜の女性のくつろいだ姿)が気に入りました。画中の人はうっとりするような美人で、つい触ろうとしたくなりました(汗)。ふと、浮世絵の美人画みたいだなとも思いました。もしかして、ジャポニズムの影響も受けているかもしれないと思いました(どうでもいいことだけど)。

ミュシャは1910年、故国のチェコに帰国し、スラブ民族の歴史を描いた「スラブ叙事詩」を発表します。スメタナの「わが祖国」みたいなものですね。ポスターも作りますが、パリ時代のものに較べて、画中の女性は官能的なところは微塵もなく、まじめな目(?)をしたひとばかりでした。

「装飾資料集」のコーナーもありました。植物や人物のデッサン集みたいなもので、ミュシャがこれらの図柄を他のグラフィックデザイナーに使ってもらいたくて発表したものです。デッサンを勉強している人には役立つことが多いと思いました。

おみやげコーナーで、ボクは「時の流れ」の印刷されたクリアーファイルを買いました。家に帰って、ワイフが飾り戸棚の引き出しを開け、私がプラハで買ったミュシャの絵も「時の流れ」だった、と素っ頓狂な声をあげました。意外と(?)気が合うことが分りました。
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