気ままに

大船での気ままな生活日誌

一つ家に 遊女も 寝たり 萩と月 

2007-09-26 11:22:12 | Weblog
昨晩は中秋の名月でした。その日の午前中、ボクは宝戒寺のすばらしい萩をみてきました。というわけで、今日は萩と月の2題話です。

月編:
昨夕は見事な中秋の名月をみながら月見酒を楽しみましたが、ボクは、それだけではもの足りなくて、真夜中のお月見もしました。何度か夜中に起きて、ベランダから空を見上げました。一度目は、お月様、雲に隠れていました。でも雲越しにほのかなあかりがあり、そのそばに、小さな雲の切れ目がありました。すると、数分後に、ななんと、お月さまがその隙間から数分間だけ顔を覗かせてくれたのです。

そして、2時間後。今度は中天より少し西寄りに、先ほどのより厚い、黒い雲がかかり、そのわずかな隙間にお月さまがこうこうと輝いていました。すばらしい眺めでしたので、デジカメをとりに戻ったわずかな時間に、ななんと、お月さまはすっぽりお隠れなさっているではありませんか。

二度とも、”ちょっとだけよ”でした。まるで、ボクがベランダに現われる時間をあらかじめ知っていたかのようでした。ボクは、去年もそうでしたので、お月さまと気が合うなと、とても幸せな気分になりました。これも、普段からお月さまを可愛がっているからだろう、と自画自賛したのでした。

萩編:
萩の寺の愛称もある宝戒寺。白い花の萩が、山門前、本堂の前、そして裏の庭と境内を覆いつくしています。歳をとるにつれて、ボクは萩が好きになってきたように思います。夏の暑い盛りに、小さな葉っぱをいっぱいつけた、しなやかな枝をめいっぱいに伸ばし、つぼみもいっぱいつける。そして、残暑の熱い空気に、もうあなたは出てって、とでも言うように、萩の花が次々と咲き始める。

ボクは最近、花は見るだけではなく、おさわりしたり(汗)、味見をしたりして楽しんでいます。さわってみると、植物によって”触感”がずいぶん違うことが分ります。いろいろな植物を触っていますが、萩は最高レベルの”触感”です。とくに花芽のある梢は、とても柔らかな”触感”で、まるで遊女の柔肌みたいです(汗)。花の味は淡泊ですが、葉っぱは、しばらく咬んでいると軽い苦みを感じます。天ぷらにするとおいしいかもしれませんね。

というわけで、ボクは、朝一番で訪れた、まだ人気の少ない宝戒寺で、雪のような白い萩の花をいっぱいつけた枝垂れの枝を、両手でかき分けてかき分けて、進みました。花と枝振りを鑑賞し、そしておさわりし、枝を揺らして音を聴き、かすかな花の香りを嗅ぎ、味見する、ボクは五感で萩を楽しみました。また、今年も一層、萩が好きになったような気がしました。

・・・
萩と月というと、芭蕉の名句が思い起こされますね。

”一つ家に 遊女も 寝たり 萩と月”

芭蕉さんも、ボクのように萩の花を見て、触って、遊女みたいだなと思ったのかもしれませんね。それで、遊女を萩に、そして自分は月にたとえたのではないでしょうか。

ついでながら、仙台銘菓「萩の月」も好きですよ。








コメント
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