気ままに

大船での気ままな生活日誌

避暑館

2010-08-23 21:07:51 | Weblog

これだけの猛暑が続くと、昼間の散歩はどうしても控えるようになる。そうすると、外出先は図書館とか映画館のような冷房の効いたところに足が向かう。今日は、ワイフのお気に入りの茅ヶ崎のイタリアンレストランに一緒に行った。帰りは近くの茅ヶ崎図書館に寄り、涼むつもりだった。”サンデー毎日”で曜日感覚が薄れているので(汗)、月曜休館であることをすっかり忘れていた。

仕方がないので、図書館隣りの高砂緑地の松林の中の日影のベンチにしばらく腰かけた。海風もあり、思いのほか涼しくて気持ちよく過ごせた。周囲の松林をみていて、ふと思い出した。鏑木清方は、戦時中、茅ヶ崎に疎開していたそうだ。松林が多く、とても気に入ったことを彼の著書に書いている。松林を海のようにみたて、その向こうに富士山という構図のスケッチを、先日、清方記念館でみている。当時は、この高砂緑地のように、茅ヶ崎には松林があちこちにあったのだろう。


ワイフは、このまま家に帰るというので、大船で別れ、ぼくは横須賀線に乗り換えて、月曜でもやっている逗子図書館に向かった。おどろいた。平日だというのに、雑誌類を閲覧する席がいっぱいなのだ。ここは席が多いので、こんなことはめったにない。すぐひとつ席が空いて、座れた。クーラーがよく効いていて、つい、こっくりしてしまった(汗)。図書館は絶好の”避暑館”だなと改めて思った。

午後5時頃、大船に戻った。大船は鎌倉市といっても、庶民的な地域なので、パチンコ屋さんが多い(ラーメン屋さんも多いけど)。パチンコ屋さんもクーラーがばっちり効いていて、”海物語”(パチンコ好きだった母さんからよく聞いていたので詳しいのだ;汗)かなんか、うっていれば、好きな人には、ここは最高の”避暑館”だなと思った。きっと、例年よりお客さんが多いのではないだろうか。

この写真、偶然、どちらも、”パ”が隠れて、放送禁止用語になってしまった(爆)、まずいことになってしまったが、撮り直しに行くわけにはいかないので、掲載することをお許し願いたい。これで思い出したが、山田洋次監督もこの手をつかって笑わせることが多い。寅さんシリーズの、どなたがマドンナのときか忘れてしまったが、そのときは夕暮れのネオンの”パチンコ”の字が点滅する画面だったが、パの部分だけが故障で消えているのだ(爆)。小津監督も結構、名画といわれている映画の中にも、Hな会話を入れて、くすくす笑いを誘っている。こういう大監督でもやるのだから、今回の掲載もどうぞご容赦していただきたいと思います。ぺこり。

それにしても、この猛暑、いつまで続くのだろうか。”避暑館”に行く日がますます多くなってしまう。
。。。。。

宮里藍ちゃん、おめでとう。米女子ゴルフツアー、岡本綾子さんの記録を抜いて、5回目の優勝。賞金ランキングもトップ。世界ランキングトップ、返り咲き間違いなし。沖縄県、また、うれしいことが続きましたね。
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シャガールとモーツアルト

2010-08-23 10:36:50 | Weblog

小林秀雄の名著”モーツアルト”にこんなくだりがある。モーツアルトの手紙の一節である。”構想は、あたかも奔流のように、実に鮮やかに心のなかに姿をあらわします。しかし、それが何処から来るのか、どうして現れるのか私には判らないし、私とても、これに一緒に触れることはできません・・・美しい夢でもみているように、凡ての発見や構成が、想像のうちに行われるのです。いったん、こうして出来上がってしまうと、もう私は容易に忘れませぬ、という事こそ神様が私に賜った最上の才能でしょう”

芸大美術館で開催されているシャガール展で、生前のシャガール自身が語っている、映像をみることができる。そこで、彼はこう述べている。”絵描きになったときから絵の描き方を忘れてしまった。心の中に湧き上がるものをそのままカンパスに描いているだけだ。神様が自分を通して描かせている”この言葉を聞いたとき、これはモーツアルトと同じだと思ったのだ。

そうゆう目でみると、シャガールの絵は面白い。故郷ロシアを離れ、パリに行き、ユダヤ人だったため、さらにアメリカに亡命する。流浪の人生を送っているのだ。悲しいだけではなく、最愛の妻ベラとの幸福な日々もある。シャガールの絵は、彼自身の人生模様と無縁ではない。そのときどきの心模様が多彩な色彩として、画面を覆わせる。ふいに、故郷、ロシアの(現在のベラルーシ共和国)の教会や田園風景が画面の端に出てきたりする。そして、人の顔も抽象的なときもあれば具象的なときもある、人が逆立ちしてたり、空を飛んでいることもある。ときには頭だけが離れて飛んでいる。

だから、どの絵もそれぞれ、まるでモーツアルトの曲を聞くように、楽しませてくれる。ただどれかひとつといったら、この絵だろうか。米国に亡命してから1944年に急逝し、しばらく絵も描けないほど悲嘆にくれていたが、翌年57歳のとき、再開し、愛妻ベラを偲び、31年に描いた”サーカスの人々”を二分割して、その左画面を描き直した作品”彼女を巡って”だろうか。悲しみがあふれてくるような絵だった。手元に置き、何度も何度も描き直したそうだ。

そして、第5室においては、なんと、モーツアルトとのコラボがみられるのだ。シャガールは舞台美術にも手を染めていて、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場のこけら落としに上演された、モーツアルトの”魔笛”の舞台装置から全出演者の衣装まで、すべて任されたのだ。その衣装デザイン、舞台背景の下絵等が展示されているのだ。モーツアルトとシャガール、ふたつのファンタジックな世界の融合は、すばらしい舞台になったらしい。”魔笛”上演史上に残る、名演目になったとのことだ。それはそうだろう、これ以上の天才によるコラボは空前絶後だろう。ぼくは、ここの展示室に一番長くいた。長椅子があり、その前で、耳を澄まさないと、きこえないくらいの小さな音で、音楽がながれていた。もちろん”魔笛”だ。ぼくは、この音楽を聞きながら、シャガールの衣装をきた俳優さんたちが踊り、歌う姿を想像していた。

(ちらしから)








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