気ままに

大船での気ままな生活日誌

六本木一丁目界隈

2010-08-13 21:49:08 | Weblog
そういえば、営団地下鉄南北線の”六本木一丁目駅”を降りたことがなかったな、と下車して思った。目黒から乗ったが、その前の白金や麻布十番は、何度も降りたことがあるが、この駅は初めてだった。覚えのない景色が目の前に拡がっていた。現代的ビルがあり、ひょんなところから、東京タワーが見えたりした。はじめての駅の下車は、電車好き(乗ることの)の、ぼくにとっては胸おどることなのだ。

何故、この駅に降りたかというと、住友コレクションの美術館、泉屋懐古館分館の展覧会を観にきたのだ。最寄の駅は、ここで、徒歩3分と知って、湘南新宿ラインで、大崎まで来て、目黒経由で南北線に乗り換えてきたのだ。この美術館もはじめての訪問だった。ぼくの好きな日本画が、それも東西画壇の比較という観点で展示され、ぜひ観てみようと思ったのだ。とても、楽しめた。感想文は、のちほどとして、ついでに、この辺りを散歩したので、その風景を載せてみたいと思う。まず、泉屋懐古館分館。


その、すぐ近くに、スウェーデン大使館とスペイン大使館があった。スウェーデンといえば、ぼくはイングリッド・バーグマン。あとはなにもない(汗)。美人が多いのだろうか。この国はいまだ訪れたことがない。美人を観にいきたい(汗)。スペインといえば、ワールドカップ優勝。でも一方で苦しい経済問題。大使館も喜んだり、悲しんだり、大変なことだろう。マドリッドのプラド美術館には行ったことがある。暑い、暑い日だったっけ。

スウェーデン大使館

スペイン大使館


ここまで来たら、その先に見慣れたホテルが目に。現役時代、二、三度泊ったことのあるホテルオークラだ。こんな近くだったのだ。その先に中華風の建物が。新宿御苑の日本庭園前の中華風建築物と並ぶ名建築物だ。大倉集古館。美術館だ。

こんな展覧会をやっていたので、入ろうと思ったら、時計をみると4時半。その時間が閉館時間だった。ああ残念と、庭園だけ観た。青銅器や石像物がいっぱい。タダでみさせてもらった。これらの中には、韓国から返還してほしいというものもあるらしい。

大倉集古館の庭



ここまで来れば、銀座線の虎ノ門へと。そっちへ向かった途中で嬉しいことがあった。ぼくの好きなお神輿に出会ったのだ。小さな神輿だったけど品格のあるいい神輿だった。いつも尊敬の念をもって神輿をみていると、必ず、こういうときに顔を出してくれるのだ。それにしても小樽の神輿は良かったなあ。

今日もとても楽しい一日だった。


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日本美術のヴィーナス 出光美術館 

2010-08-13 12:04:27 | Weblog


日比谷の出光美術館で開催中の”日本美術のヴィーナス”展を観て来た。江戸の浮世絵から明治、大正へと続く、美人画の流れがよくわかる構成になっていて、楽しく観賞できた。ちょうど、学芸員説明づきのどこかのグループが入ってきて、ラッキーだった。ときどき、紛れ込んで、解説を聞き、なるほどと思った。以下の感想文も、それを参考にしているものもある。 

第一章は、今の季節に相応しい”清涼の美人”。なんといっても、この章のスターは、ちらし絵に採用された歌麿の”更衣美人図”。歌麿の肉筆画としてはただ一つの重要文化財だそうだ。帯を解き、うすきぬを緩める瞬間。扇子で風を送り、涼をとる。襦袢もみせての、色香を感じさせる姿態。どきんちゃん(汗)。そして、もっと色っぽいのが、西川祐信のふたつの美人図。おっぱいをあらわにした”清涼の美人”(笑)。今年のような猛暑だったら、どこまで脱ぐのだろうか(爆)。なお、この章のはじめに展示さているのが、なんと普賢菩薩騎象図(鎌倉時代)だった。何故?美人画の源流は仏画だったという説。たしかに、艶やかな菩薩さま。まあそういう考え方もあってもおかしくない。

第二章は”古雅の幻影”。”源氏物語”や”伊勢物語”等の古典文学からの場面を“見立て”にして描かれた美人画のコーナー。ここには歌麿の”娘と童子図”がある。娘もいいが童子も可愛い。何を”見立て”にしているのか分からなかった。竹田春信の”見立江口の君図”は西行法師が淀川下流の江口の里で一夜の宿を断られた故事を見立てにしているとのことだ(学芸員さんの話)。あとで調べたら、西行は、ここでこのような歌を詠んでいる。”世の中を厭ふまでこそかたからめ仮の宿りを惜しむ君かな”。もっと古典を勉強せにゃ、あ管なあ。これは、第1章に展示されていたものだが、目をひいた作品があった。双幅の”蛍狩美人図”(蹄斎北馬 )、二人の女が必死の形相で蛍を追っている。これも、平家物語の宇治川先陣の見立てだそうだ。どちらが佐々木高綱で梶原景季だろうか(笑)

第三章は”美人たちの遊宴”。ここのは素直に楽しめた。遊ぶっていいことだ(汗)。”美人鑑賞図”(勝川春章)はすばらしかった。一番印象に残った作品だ。ワイフもそう言っていた。11人もの美女が、探幽の掛け軸を観ながら、ああだこうだと、楽しげに語らっている。絵に奥行きもあり、スケールも大きい。遊女(遊ぶ女)もいいが(汗)、美女(美術が好きな女、歴女から思いついたぼくがつくった新語、ぶすでも構わない;爆)もいいな。ついでながら、勉女(勉強する女、便秘症でも構わない;爆)もいいな。

第四章は”伝統美と革新のあいだ”。おなじみの松園さん、清方さんが登場する。お二人とも、浮世絵を勉強し、美人画の大家になった。江戸の浮世絵から明治、大正へとつながってるのだ。よく分かる例として、清方の”朝妻船”と蹄斎北馬の”朝妻船図”が並べてある。モチーフが同じだ。そして、清方の”五月晴”と勝川春章の”桜下三美人図”も隣り合わせにある。よくみると美女の顔がよく似ている。そういえば、小村雪岱は昭和の春信といわれている。お盆に入ったけど、みんなご先祖さまと繋がっているのだ。

清方さんの”たけくらべの美登利”、そして松園さんの”四季美人図”等、東西両横綱の作品のほか、深水の”通り雨”も目をひいた。強い風雨をよける雨傘。大きくゆれる袂、紗の着物から透けてみえる襦袢の模様。今はこんな色っぽい姿はみたくてもみられない。カッパ姿のゲゲゲの河童女しかみられない(爆)。深水さんの娘さん、朝丘雪路さん、この前の八幡さまのぼんぼり祭りに出していましたよ。さすがに上手な絵でした。

出光がパトロンで小杉放菴の作品の半数を蒐集しているいう。その彼の作品も最終コーナーに、いくつか展示されていた。”天のうづめの命”が良かった。おおらかにおっぱいを出して舞う天のうづめの命。岩戸に籠った天照大神(あまてらすおおみかみ)を外に出ていただくために、裸で舞っている。神さまが、岩戸から覗き見するところを狙って、みんなでこじ開けてしまう。神さまは、みなおおらかなんですよ。ホモ・サピエンスはうわべだけまじめそうなこと言って、影でわるいことをしている。面白いことに、この女神は笠置シズ子さんがモデルだそうだ。”東京ブギウギ”でも歌って舞ってるのでしょう。小杉放菴は彼女のフアンだったそうです。絵ハガキ買ってくれば良かったと後悔している。





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