気ままに

大船での気ままな生活日誌

ナポリ・宮廷と美/カポディモンテ美術館展

2010-08-17 11:26:47 | Weblog
いつも和食系が多いので、たまにはバランスをとるために洋食系にした。美術館のことである(笑)。上野の国立西洋美術館で開催中の”ナポリ・宮廷と美/カポディモンテ美術館展”を観て来た。ナポリをみてから死ね、といわれているので、死ぬ前にと、二度ほど訪ねている。そのとき、ナポリの考古学博物館には二度とも行ったが、丘の上のカポディモンテ美術館いは行かなかった。こんな美女がたくさんいるなら、行っておけば良かったと後悔している。

ちらし絵に採用された、”貴婦人の肖像”が一番の美女である。貴婦人という名で出ているが、モデルは高級娼婦という説もあるそうだ。どちらでもいいことだが、じっとみつめられると、こちらがうろたえてしまいそうな目だった。パルマ出身のパルミジャニーノの作で、同美術館の至宝だそうだ。パルマといえば中田英寿がいたところだ。

そして、マグダラのマリア(ティツィアーノ・ヴェチェッリオ作)。よく知られているように、娼婦だったが、後にイエスに出会い悔悛した。画題によく取り上げられ、この展覧会でも、”悔悛するマグダラのマリア”等、合わせて三つほどあった。

その他、”歌手”(ベルナルド・カヴァッリーノ作)や”聖アガタ”(フランチェスコ・グアリーノ)、など美女が目白押しだ。美しい聖アガタは、高官からの求婚を断り、乳を切られたという。だから乳をみせないのだ。

一方、残酷な絵もある。男の首を切る瞬間の絵だ。”ユディトとホロフェルネス”(アルテミジア・ジェンティレスキ作)。作者自身が先輩画家から暴行を受けたことが頭にあり、そのうらみがこもっているのではないかと、いう意味の音声ガイドがあった。おお恐わっ。でもこういう絵を家に飾る人はいないだろうな、と思った。芸術的には価値のある絵なのだろう。

上記三つの絵は第3章;”ナポリのバロック絵画”の展示室にあるもので、ローマで殺人を犯したカラヴァッジョが逃走中、ナポリに滞在し、劇的な明暗と生々しい自然主義をこの地に伝えたということだ。その系譜の画家たちの作品である。だから残酷な絵が多いのだろう(笑)。

はじめに紹介した”貴婦人の肖像”、”マグダラのマリア”は、第1章;”イタリアのルネッサンス・バロック美術”の中にある。そして、この”アタランテとヒッポメネス”(グイド・レーニ作)もこの展示室にある。美女のアタランテは、求婚者が多く、徒競走で私に勝った者と結婚するわ、その代わり、負けたら首をもらう、と言う。とても足の速い娘だったのでなかなか挑戦者が現れない。ヒッポメネスは作略で、三つの黄金のりんごを懐に忍ばせ、競争の途中で、それを転がし、彼女が目を奪われた瞬間、抜き去り、結婚したというギリシャ神話の一シーンである。たしかに彼女、黄金のリンゴを拾っている。やっぱり金がないと美女は得られないのか(爆)。

たまには洋食系もいいものだ。とくにこの時代のものは、おいしそうな美女が多くお皿にのっていて、食欲をそそる(汗)。でも午後は和食系で、三井で仏像さんを観てきた。これも日本酒に合いそうな、おいしい和風料理だった。こんなこというと、バチがあたるかな。
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女流阿房列車

2010-08-17 06:19:54 | Weblog

ぼくは、内田百センセイの随筆が好きで、いつか、自分の飼い猫が行方不明になったときの日記風随筆”ノラや”を紹介したことがある。これも良かったが”阿房列車(あほう列車)”も百センセイの、いい味が出ていて、とても好きだ。これは、百センセイは電車が大好きで、それも乗ること自体が好きで、何の用事もないのに、たとえば大阪まで行って、すぐ折り返し、帰ってくる、その”旅行記”なのだ。

ぼくも電車が好きだが、そこまでは徹底していなくて、せいぜい無目的に、東海道線下りなら熱海ぐらいまでは乗るが、そのまま引き返すことはしない。せっかくここまで来たからと、下車して美術館に入ったり、温泉町を散策して帰ったりする。でも月間スイカ使用料金からみると、”亜・阿呆列車”といわれてもしかたがないかもしれない(大汗)。

ところが、百センセイに負けず劣らずというか、ある意味では、もっとすごい女性がいることを知った。百センセイは一等車(今のグリーン車)に乗って、酒を飲みながらの乗車だが、この女性は、もうただ外目には”苦行”としか思えない電車旅なのだ。たとえば、東京の地下鉄を全線16時間22分かけて完乗するとか、JRの特急を使わずに、24時間で最長のキロ数を乗るとか(答えをいうと横浜から熊本の八代、1343.9キロ)、東海道五十三乗り継ぎなんていうのある。日本橋から始まって、とにかく53回乗り継ぎして、京都の三条大橋まで行くのだ。

ただ、これだけの強行日程となると、うっかり居眠りして乗り過ごしたりすると困るので、新潮社の人が一緒に乗ったり、途中駅で弁当を差し入れてもらったりはしている。でも、よほどの電車好きでなくては、できないことである。

その人は、酒井順子さんという作家で、もともと、何の目的もなく電車に乗って、窓の外の景色をみている自分に陶酔してしまうというほど電車が好きなのだ。そんな女だから、こんな”苦行”もできたのだろうと序論で述べている。ぼくも、もう少し若ければ、”東海道五十三乗り継ぎ”、なんかやってみたいなと思う。でも今でも、時間をかければ、やれないことはない。1回目は日本橋から熱海まで。次は、熱海から浜松くらいまでと、酒井さんのコースをなぞっていけば可能かもしれない。足腰が弱らんうちに実行に移そう(電車でも、腰痛もちになるとつらいだろうから)。

”女流阿房列車”には、まだまだ、いろんなのがあって、”紅葉独り占め京都「鉄学」の道”なんていうのもあり、トロッコ列車で亀岡に行ったり、鞍馬や比叡山へとか京都の全鉄道を使って紅葉狩りするという、比較的楽なコースもある。これなら、今のぼくにも出来るかも。そして、このシリーズ最後の旅は、”四国巡礼「お線路さん」の旅”。四国を鉄路で一周しつつ、来し方行く末に思いを馳せようという旅だ。でもただ、回るだけではなく、”一県につき最低4駅は旧国名がついた駅で下車しなくてはならない”という条件がついている。88駅でなくて良かったね。

こうゆう、あほうなことをする人が、ぼくは大好きです。そのうち、ぼくも、何か、あほうなことを企画して”爺流阿房列車”をブログで紹介してみたい。当面、東海道線、大船ー熱海間(熱海までスイカが使えるのです、御殿場線はだめです)、一日全駅下車の旅でもやってみるかな(汗)。
・・・
ぼくは、すでに、恥ずかしながら、いくつかあほうな事を成し遂げています(大汗)。

1)大磯から葉山までの湘南全海水浴場に行く(もちろん実際海水浴をして、ついでにビキニスタイルのお嬢さんを観察する;汗)
2)品川から箱根までの旧東海道全宿場町を歩く。そして遊女のお墓をみつけ、参拝する(意外と少ないです、川崎、藤沢、大磯)。
3)これは地元で当然だけど、鎌倉市内の神社仏閣をほぼ全部参拝している;ほぼというのは、まだ知らないお寺さん、お宮さんがあるかもしれないので)



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