気ままに

大船での気ままな生活日誌

藤沢の映画館がまた消える

2010-08-14 21:13:02 | Weblog

ぼくが、5年前、大船に引っ越してきて、うれしかったことの一つに、隣駅の藤沢に映画館がふたつもあることだった。ところが、まず駅前のオリオン座が2年ほど前、閉館し、そして、またもうひとつの、遊行通り沿いの”藤沢中央”が、この8月を最後にクローズするというニュースを聞いた。さみしいことだ。たしかに、いつも観客は少なかったし、いつ、つぶれても仕方がないような状態だった。ただ、アカデミー賞をとった後の、”おくりびと”のときはすごかった。超満員で、おまけに、追加上映までした。今、考えると、あれが、この映画館の”死に花”だったのかもしれない。

今日、茅ヶ崎に行った帰りに、寄ってみた。まだ、三つの映画が上映中で、夏休みの子供たちで賑わっている様子だった。でも、”8月31日閉館”の文字が映画館の入り口に大きな目をむいていた。お別れに、そのうち、中井貴一主演で高島礼子も出る、Rail waysでもみてみよう。

茅ヶ崎のシネコンのせいだろうか。大店舗ができ、近くの個人商店がつぶれていくようなのかもしれない。車を使わないお年寄りは、ますます映画から離れてしまうだろう。遊行通りの小学生がつくったぼんぼりも、さみしそうだった。


競争はどの業種でも同じで、友隣堂も新本だけではなく古本も扱うようになっている。ブックオッフに対抗しているのだろう。ブックオフも大変だ。うちの近くのブックオフ内のカフェが最近つぶれてしまった。

夕刊紙も大変だ。夕刊ふじと日刊ゲンダイが、まったく反対の見出しで、販売を競っていた。

藤沢駅前の松園さんも、妖艶女路線でいくか、凛とした女路線でいくか迷っていた。

大船駅の仲通りは相変わらず、繁盛していた。むかしこの辺りに、オリオン座があった。古地図で調べたことがある。松竹大船撮影所があった、この地に映画館がひとつもないのはさみしいことだ。その代わり、鎌倉芸術館でときどき、いい映画をみせてもらえるのはうれしいが。鎌倉駅周辺にも三つも映画館があったそうだ。映画の栄華はもう戻ってこないのだろうか。



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近代日本画にみる東西画壇 泉屋博古館分館

2010-08-14 11:40:15 | Weblog

六本木一丁目の泉屋(せんおく)博古館分館という美術館を初めて訪ねた。分館というから、本館があるはずで、調べたら、それは京都市左京区の鹿ヶ谷というところにあるそうだ。東京の分館は平成14年に設立されたそうだから、知らない人も多いと思う。住友コレクションは、一に中国の古代青銅器、二に中国絵画、そして、その他に日本画、陶磁器、工芸品など、となるそうだ。だから、今回の展示は、住友コレクションの中では、マイナーな分野の展覧会となる。

”近代日本画にみる東西画壇”というテーマで、東京、京都、大阪の画家たちの作品が、ふたつの展示室に並べられている。はじめ、ざっとみて、また、ゆっくりとみた。江戸は粋、京は雅、大阪は婀娜(あだ)だという、この微妙な違いを感じとって下さい、という案内があったから、そうゆう観点でみてみたのだ。まず、大阪の”婀娜”ってなんだ、と頭をくるくる回してみて、歌謡曲の、♪婀娜な年増を誰が知ろ♪(東京行進曲)を思いついた。すると色っぽいということだ(汗)。これが正しいのかどうか、分からないが、そう思って、大阪画壇の絵をみると、そういう面もたしかにある。上島鳳山の十二月美人(前期、後期半分ずつ展示してある)は、たしかに、婀娜な娘さん達だった。ちらし絵も飾っている。ぼくは、今回、これが一番気に入った作品だ。小冊子”近代日本画(泉屋博古館)”も買ったので、その中からの写真を載せる。

でも、その他の作品は、七賢人だとか、春秋花鳥とか、柘榴白鸚鵡図とか色気を感じるものはなかった。でも、花鳥風月にも”婀娜な”と感じる感性をもつ人もいるのかもしれない。ただ。ぼくは、少なくとも七賢人には色気を感じなかった(笑)。大阪画壇コーナーでは、ぼくのような素人には、知らない画家さんばかりだったけれど、有名画家とどこが違うのだ、というくらいの技量の優れた作品が多かった。有名になるかどうかは、きっと、どの分野でも紙一重で、ほとんど運とコネ(爆)で決まるないかと改めて感じた。

柘榴白鸚鵡図(山田秋坪)


京都画壇には有名画家の竹内栖鳳の”禁城松翠”や富岡鉄斎の”掃蕩俗塵図”も良かったが、木島桜谷の華やかな菊花図の屏風(赤い菊花と少し混じる白菊、深緑の葉と少し混じる淡い緑の葉が金色の地に映えていた)や、先日、出光美術館”日本美術のヴィーナス”展でみた小杉放菴の”天のうづめの命”と同じ場面を描いた、原田西湖の”乾坤再明”も良かった。こちらの天のうづめの命はおっぱいは隠していた。これが京の”雅”のだろうか(爆)。

禁城松翠(竹内栖鳳)

乾坤再明(原田西湖)


東京画壇には、ぼくの好きな、東山魁夷の、北欧風景を描いた”スオミ”と、夕暮れの雪景色を描いた”雪暮”が展示されていた。どちらも初見だったが、暗い感じがして、それほどいいとは思わなった(期待値が高いので;笑)。狩野芳崖は恐い顔をした”寿老人”を描いていた。あの優しい”悲母観音”とは対極のものだ。人も、恐い時もあれば、優しいときもある、天だって、晴れるときもあれば、嵐のときもある、それでいいのだ、酒さえ飲めれば

菊地容斎の絵巻物も楽しかった。狐の嫁入りは聞いたことはあるが、鼠の嫁入りは聞いたことがない。ここでは、狐と鼠の両方が嫁入りする行列を、鳥獣戯画みたいな感じで描いている。軽快な筆使いが快い。




結局、三都市間の微妙な雰囲気の差は、ぼくの能力では判別できなかったけれど、十分、楽しむことができた。近くに、前日、記事にした大倉集古館やこんな美術館もあるので、今度は三点セットで出掛けてみよう。

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