お正月恒例の、鎌倉国宝館での氏家浮世絵コレクション展覧会、今年も観てきた。すべて、版画でなくて、肉筆のものだ。北斎のものが多く、今年も北斎コーナーがあった。”酔余美人図”、いつも感想を書いているので、今年は書かない(笑)。蛸とか大根とか鶴さん亀さん、鷲さん、燕さんと、今年も互いに、元気で再会できてうれしい。
春信は、版画が売れて売れて、暇がなく、肉筆画を描く暇がなかったらしい。そのひとつが氏家コレクションの中にある。”桜花遊君立姿図”だ。垣根から出てきた”春信美人”に桜の枝が嬉しそうに覗きこんでいる(逆かな)。懐月堂安度は、逆に肉筆画しか描かなかったらしい。”美人立姿”のきりっとした目が印象的な美人だ。
奥村政信の絵巻も楽しい。”当流遊色絵巻”、吉原へ舟遊びをしながら、吉原の大門につき、吉原で楽しんでいる様子が描かれている。歌舞伎や大相撲と、同様に残しておきたかった文化だ(汗)。
広重もある。高輪の雪図、両国の月図、御殿山の花図と、江戸の名所の雪月花の三幅だ。広重の雪は肉筆でもいい。岩佐又兵衛の子で福井藩の御用絵師だった、岩佐勝重の”職人尽図屏風”は、鏡師、経師、数珠師、歌比丘尼、染物師、鍛冶師が描かれている。司馬江漢の”江の島富士遠望図”は当時の江の島の様子がわかり楽しい。
常設展の部屋には、前回も展示されていた、大町辻薬師堂(現在は国宝館所蔵)の薬師三尊と十二神将が真ん中に飾られていたのはうれしかった。また、五島美術館所蔵の重文、愛染明王坐像、八幡さまの重文、弁財天坐像(衣装を着せられていたのは残念;笑)など、多くの仏像さんを拝観することができた。
華やかな浮世絵と厳かな仏像さんの組み合わせも、なかなかよいものだ。