気ままに

大船での気ままな生活日誌

かまくらは映画の町だった、そして今も

2013-01-18 09:39:49 | Weblog
午後、近くの鎌倉芸術館で名画を観た。昭和33年日本初公開のイタリア映画、”鉄道員”。映画会場は、元松竹大船撮影所のあった場所。そして、その洋画配給は川喜多長政・かしこ夫妻の”東和”による。川喜多夫妻の旧居が、現在の鎌倉市立川喜多映画記念館。そこで、今、”高峰秀子特集”が開催されている、先日、彼女の主演映画で、成瀬巳喜男監督の”放浪記”をみてきたばかり。高峰秀子は大船撮影所を地盤に活躍された女優さん。そして、今日のNHKクローズアップ現代は、「涙と怒りの“共感力”~今、世界が注目の映画監督・木下恵介」。木下恵介監督は、小津安二郎監督と並ぶ名監督として、松竹大船で映画をつくってこられた。その映画の代表作が、番組でも紹介されていた”二十四の瞳”。その映画も高峰秀子主演で、川喜多映画記念館で、昨年、観た。さらに、先日、お亡くなりになった大島渚監督が、はじめて助監督として採用されたのが、この大船撮影所である。

ここ、一週間ほどの間に、ぼくが観た映画、そしてテレビ番組やニュースが、かまくら大船に関わりをもっていることに驚き、こういうこともめったにないので、記事にしておこうと思った。たしかに、大船撮影所があった頃は、映画の全盛期で、前述の名監督や、大スターを輩出した。いつか、山田洋次監督の講演を聞く機会があったが、彼が大学を卒業する頃は映画界が一番の就職先で、松竹の助監督試験には定員の何十倍もの応募者があったという。大島監督も同時代であったから、相当な難関を潜り抜けてきたのだ。小津や木下に負けてなるものかと、ヌーベルバーグの旗手として、海外でも評価される作品を輩出した。ぼくは、あまり大島映画をみなかったが、”愛のコリーダ”の無修正版をアメリカでみたことがある(汗)。たしかに、あの時代、かまくら(大船)は映画の町だった。

こうした古い時代ばかりではなく、現在も、かまくらは、映画の町である。鎌倉芸術館(かまくら銀幕上映会)と鎌倉市立川喜多映画記念館が、日本および海外の名画を大スクリーンで次々と上映してくれるからだ。それは、鎌倉にそれらを支える映画愛好家が多数、存在するということでもある。

”鉄道員”も、とても良かった、何度みてもいい。いきなり、流れてくるギターの名曲にぐっとくる。ソノシート世代(汗)。50歳になる、口やかましい鉄道機関士のマルコッチ(ピエトロ・ジェルミ)一家の物語。末っ子のサンドロ(エドアルド・ネヴォラ)の可愛いこと。事実上の主役。名子役も、もう、60歳台のオジサンだという。ラストシーンでは、すべての混乱が収まり、ギターを弾きながら、眠るように死んでいくマルコッチ。ほろり。

次回の名画は、”アラビアのロレンス”。この映画も何度でもみたい。そして、”ひまわり”も。川喜多映画記念館では、まるで大島監督の最後を知っていたかのように、次回は、”大島渚特集”。奥様の小山明子さんの講演会も計画されている。是非、行かねば。

うん、かまくらは、どこにも負けない、映画の町といってよい、とダンゲンする。

・・・

NHKクローズアップ現代 ”涙と怒りの“共感力”~今、世界が注目の映画監督・木下恵介”


かまくら銀幕上映会 ”鉄道員”


鎌倉市立川喜多映画記念館 高峰秀子特集 ”放浪記”


同上。次回の特集。ご冥福をお祈りします。


今朝の富士山。
 
コメント
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