おはようございます。
上野の東京都美術館でゴッホ展が開かれている。日本人はゴッホが好きで、毎年のようにどこかでゴッホ展が開かれ、ぼくも毎年のように見ている気がする(笑)。その展覧会もあと数日で閉幕。二か月も前に見にいっているのにまだ記事していなかった。ゴッホさんのゴホ、ゴホという咳払いが聞こえてきたので、とにかく、思いつくまま書き留めておこうと思う。
響きあう魂 ヘレーネとフィンセント。ヘレーネとは?ヘレーネ・クレラー=ミュラー(1869-1939)のこと。実業家の夫アントンの支援のもと、美術品の蒐集を始め、とくにファン・ゴッホの作品に深い精神性や人間性を感じ取り、蒐集をすすめ、世界最大のゴッホ作品のコレクターとなった方だそうだ。1938年にはクレラー=ミュラー美術館を開館し、初代館長に就任したのだが、翌年、亡くなられたとのこと。
本展はクレラー=ミュラー美術館の作品を主体に、ゴッホの弟テオ一家が所蔵していた作品を継承しているゴッホ美術館の作品も最終章で展示されている。
本展も撮影禁止で、もう後期高齢者で断捨離実行中の故、図録は買わない主義なので(笑)、ちらしに載っている主要作品だけしか載せられないのは残念。
本展の目玉は、何と言っても、この作品。夜のプロヴァンスの田舎道(1890年5月12-15日頃)。
夕空に描かれるのは、三日月と金星、左下の小さいのが水星だという。昨夕、晴れていれば、三日月と金星が近接し、水星の代わりに土星という、ゴッホの夜空が見られたのに残念。水星の存在は、当時の星空を調べたのでしょうか。ゴッホらしいうねるような糸杉。MoMA所属の、名作、”星月夜”にも脇役で糸杉が描かれているが、この絵では糸杉が主役。”糸杉と星の見える道”という名称でも知られる。療養のために1889年から1年ほど過ごしたサン=レミ=ド=プロヴァンス時代の最期の作品となる。実物は初めて見るが、好きになった作品。2019年上野の森美術館のゴッホ展でメトロポリタン美術館蔵の”糸杉”を見ているが、クレラー=ミュラー美術館蔵の糸杉の方がイイね。
黄色い家(通り)1888年9月 ゴッホ美術館所蔵のものである。アルル時代の作品。画面手前中央右側の緑色のシャッターの小さな家屋がゴッホが借りていた家。2011年のオランダ旅行のとき同美術館で見ている。