どこまでだって歩いていけるさ

2012年1月22日 それまでの日記を引き連れてOCN Cafeから移住。
新しい扉の向こうには何があるのだろうか。

「ポンピドゥー・センター傑作展」と「バラ色の人生」

2016年07月29日 | 日記
昨日見に行った「ポンピドゥー・センター傑作展」は 1906年からポンピドゥー・センターがパリで開館される1977年までを さまざまなジャンルの芸術と「イズム」を中心に 一年ごとに一人の作家 ひと作品という構成で見せるものだった

71作品のうち 名前を知っていた人はほぼ四分の一だったので なかなか興味深く見ることができた

作品ごとに作家自身の芸術に対する言葉が掲げられている

自分が作品を作る時の姿勢 芸術とは何か 何を求め何を第一義に置いているか それぞれ全く違うが そのどの言葉も説得力を持って私の心に響く

ひとつひとつ作品を単に展示するわけではなく 時代とその流れと個人と社会を感じさせる なかなかの企画展だったと思う 


この展覧会のデザインは パリを拠点として活躍する建築家・田根剛という人だそうだ

この71作品のうち なんとあのル・コルビュジエの作品もあった

彼が美術学校に通っていたこと また当初 ポンピドゥー・センターの設計を彼に依頼する予定だったこと(彼の死によって流れた) そしてこの日本にある彼の作品が世界遺産になったこと そんなことが関係しているのだろうか

彼はなんといっても ミースやライトと並ぶ近代建築の三大巨匠なのだ

そして建築家というのは当然かもしれないが 芸術にも造詣深く また実際に絵を描いたり家具のデッサンや設計をする人も少なくない

単に美術館という箱の設計ということではなく 芸術を理解し いかに見せるかを演出するのも非常に大事であることを思えば 今回のこの展覧会が「ポンピドゥー・センター」という建築物も含めた上でのフランスアートの紹介となったのも わからないでもない

期間中の公式サイト→ 「ポンピドゥー・センター傑作展」 


私のお気に入り3作品

ブレッソンの写真「サン・ラザール駅裏」(あんな瞬間は何度も試しながら作ったものだろうか 偶然とは思えない)

カンディンスキーの「30」(直線も曲線も円も楕円も あんな風に自由自在に しかも美しく描いてみたい)

ジャン・プーニーの「赤いヴァイオリン」(知らない人だったが 色彩も構図も何もかもが気に入った)

他にも幾つか印象に残ったものがあった


ところで1906-1977までの年ごとの作品であれば 72作品でなくてはならない

なぜに71作品か

それは1945年が欠けているからである

白いボードにはただ年数だけが書かれている

その前に立つと小さな音量ではあるが ある女性歌手の有名な曲が耳に入ってくる仕掛け 

これも一つの展示と考えて良いだろう

そしてその曲とは・・・エディット・ピアフの「バラ色の人生」

コメント
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