みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

格納容器も貫通?福島1~3号機「メルトスルー(溶融貫通)」 IAEAに政府報告書/原発事故報告書要旨

2011-06-08 08:51:30 | 地震・原発・災害
昨夜、P-WANニュースをセレクトしているときに、
福島原発事故で、はやい時期に「メルトダウン(炉心溶融)」を越える、
「メルトスルー(溶融貫通)」の状態になっていた、という事実がwebに出てきた。
メルトスルーは、国際原子力機関(IAEA)への報告書に書かれていた。

福島原発事故のあと、水素爆発したときには、しんそこ震え上がった。
わたしは反原発運動をしていたので、他の人より少しは原発のことに詳しく、
水素が出ているというのは、核燃料が溶けていることの証拠だから、
その時点で、メルトダウンを確信した。

すぐに小さい子を持つ人たちに、「政府は情報を隠すと思うから、
できるだけ外に出さないようにして放射能汚染を自衛して」と電話しつづけていた。

上野さんのお引越しを手伝いに行ったのは、事故から一週間後の18日。
二重マスクとゴーグルに帽子をかぶっての完全防護姿で、東京の人たちに笑われたんだけど、
その時点での、東京の放射線の数値は岐阜よりも高く、
事故以来、はじめて雨が降った日には、数値はさらに上がった。
広い範囲に降り注いだ放射能が、雨で集まって河川に流れ込み、水道水を汚染したのだと思う。

「水道水から放射能検出」のニュースを見て、
自衛のために、ペットボトルの水やお茶を飲むようにしていたのだけど、
なぜか一日中、舌や口の中がヒリヒリと痛かったのを覚えている。

その日は、台所用品の整理のために水仕事をしていて、水道水に触れる時間が長かったので、
手が荒れて真っ赤になり、あかぎれのようになってしまった。
わたしは皮膚が弱いので洗剤などにふれただけで手あれするのだけど、ちょうどそんな感じ。
放射線との関係は不明だけど、東京に5泊して岐阜に帰っても、
右手のひらの皮がやけどのあとにように赤くなって、手あれはなかなか治らなかった。

京大の小出さんは、格納容器も抜けていると指摘。
【福島原発】6/7/火★メルトスルー(原子炉貫通) 政府が公式に認める

核燃料が溶けて、原子炉を貫通して外部に漏れ出し、
それが水素爆発で環境中に大量に撒き散らされていたのなら、
政府や東電や、専門家が言っていた話しとぜんぜん違うじゃないか。

広い範囲の子どもたちにヨウ素剤を飲ませないといけなかったのに・・・!
今になってそんなことが分かっても、あとの祭り。

パニックで大騒ぎになることを心配して情報を隠すことより、
子どもたちの健康といのちを最優先で心配しないといけなかったのに・・・。

原発事故の情報隠しは、もはや犯罪的行為と言わざるを得ない。

  「チェルノブイリ・ハート」8月日本公開 
日刊スポーツ

 チェルノブイリ原発事故のその後を追い、03年に米アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞した映画「チェルノブイリ・ハート」(マリアン・デレオ監督、ウクライナ、米国合作)が8月から日本で上映されることが27日、分かった。
 配給権を取ったドキュメンタリー作家の稲塚秀孝監督は、福島第1原発事故の収束が見えない状況を踏まえ「今こそ、多くの人に見てほしい。全都道府県で公開したい」と話した。
 同作は、86年に起こったチェルノブイリ原発事故から16年後に、周辺地域や病院を訪れた記録。事故後、変形した心臓を持つ子供が目立って生まれ、放射線による影響とみられた。変形した心臓が「チェルノブイリ・ハート」と呼ばれたことから、タイトルが付けられた。
 既に、上映を希望する映画館からオファーもきている。稲塚監督は「取材した事実のみを伝え、予見的なことは言っていない作品。現実を見てほしいというメッセージがオスカーにふさわしいと認められた」とした。オスカーを受賞したバージョンに、5年後に再び原発周辺を訪れた記録を加え、デレオ監督が日本に向けて発信した最新のメッセージを挿入する。通常の大人料金は1800円だが1300円程度になる。
[2011年5月28日8時30分 紙面から]


「チェルノブイリ・ハート」を観た人のブログ記事から引用
・・・・・これは、題のとおり、1986年のチェルノブイリ原発の爆発事故がもたらした(今は世界の大半の人が忘れてるだろうけど)環境や人間にもたらしたすさまじい現実のドキュメンタリーです。HBOがスポンサーで、女性監督Maryann De Leoが16年後にベラルーシを訪問。99%が被爆し、今もホット・ゾーンと呼ばれる村を決して離れようとしない村民たち。病院、孤児施設、学校を訪れ、被爆の次世代にもたらす被害を、カメラは追う。
今でも、ベラルーシで生まれる子供たちの、たったの15〜20%だけが、『健康』な赤ちゃんである。聞き間違って異常なのが15〜20%かと思ってそれでもすごい数字なのに、事実は、『正常が15〜20%』なのである。。映像で出てくる、親にも育てられなくて捨てられた様々な奇形や障害をもつ赤ちゃんや子供たち。。ベラルーシの孤児院は、原発事故以後たくさん出来た。そして、まだまだこういう子供たちは増えつづけるのである。チェルノブイリ・ハートというのは、生まれながらに心臓に重度の奇形がある子供で、穴が一個ではないので(奇形が一個ではないので、シャントが起こって死産にはならない、つまり重度の奇形でほおっておけば確実にじきに肺高血圧で死ぬのだけど)生きて生まれる子供たちの事をさしていうらしい。心臓の奇形だけであれば手術で治る場合もあるので、世界各国からボランティアの医師が来て手術をしている。 他の国ではル−チンの手術でなおるはずなのに、心臓外科医の絶対数のたりないロシアでは、手術不可能とされてる子供たちがたくさんいるらしい。アメリカからのボランティアの心臓外科医に娘を治療してもらって、親に奇跡だと泣いて喜ばれるその医師がカメラに向かって、「感謝する気持ちはわかるけど、感謝されてうれしいけど、自分は医師として、あの子供達に責任があるんだ」(なおるものをなおしてあげないといけないと思う)と、目を赤くしていたのが印象的だった。・・・・・


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 福島1~3号機「溶融貫通」 IAEAに政府報告書
2011年6月7日 東京新聞

 福島第1原発事故で政府の原子力災害対策本部は7日、1~3号機で燃料が原子炉圧力容器の底に溶け落ち、一部は容器に開いた穴から外側の格納容器に落下して堆積する「メルトスルー(溶融貫通)」が起きた可能性も考えられるとした国際原子力機関(IAEA)への報告書をまとめた。
 原発の安全規制を担う原子力安全・保安院を経済産業省から独立させ、安全対策などの費用を明示した上で原発の在り方を国民的に議論する必要性も指摘。IAEAに送付し、今月下旬にウィーンで開かれる閣僚級会合で説明する。
 菅直人首相は対策本部会議で「国際社会に徹底した透明性を持って伝えることが、信頼を取り戻す上で重要だ」とした。
 報告書は、3月11日の東日本大震災で地震による設備の大きな損傷は確認されていないが、津波への備えが不十分だった問題点を指摘。外部電源が失われ、津波の影響も重なり冷却機能が失われたことが事態の深刻化につながったとした上で、各号機でのメルトスルーの可能性にも言及した。
 事故対応については、当初は政府と東京電力の責任や権限が不明確で、特に初期は意思疎通が不十分だったとした。保安院を含め関係する組織が複数存在する現状も指摘し「大規模な原子力事故で、力を結集して俊敏に対応する上で問題があった」と総括した。
(共同)


 原発事故報告書要旨
2011年6月7日 東京新聞

政府の原発事故報告書の要旨は次の通り。
 【はじめに】
 福島の原子力事故は、日本にとって大きな試練。世界の原発の安全性に懸念をもたらしたことを重く受け止め、反省している。世界の人々に放射性物質放出について不安を与えたことを心からおわびする。事故の教訓を世界に伝えることも日本の責任である。

 【地震と津波の被害】
 3月11日の地震は観測史上最大のマグニチュード(M)9。福島第1原発で外部電源がすべて停止、津波は14~15メートル。

 【事故の発生と進展】
 運転中の同原発1~3号機は地震で自動停止。津波で冷却系が機能を失った。1~3号機で原子炉圧力容器への注水ができない事態が続き、核燃料は水面から露出。炉心溶融に至り、一部は圧力容器下部にたまり、一部は圧力容器に開いた穴から外側の格納容器に落下して堆積する「メルトスルー(溶融貫通)」が起きている可能性も。燃料被覆管が過熱し大量の水素が発生。燃料から圧力容器、原子炉格納容器へ放射性物質を放出。
 格納容器圧力が上昇して破損するのを防ぐため蒸気を大気中に逃がすベントを実施。1、3号機で水素爆発が発生して原子炉建屋を破壊。大量の放射性物質を放出した。4号機でも水素が原因とみられる爆発。2号機圧力抑制プール付近でも爆発音。水素爆発の可能性。

 【災害への対応】
 放射性物質の放出に備え原子力災害対策本部長の首相が避難と屋内退避を指示。緊急時対策支援システムと緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)は機能せず。放射線監視装置はほとんど使用不能。
 汚染水の海洋放出について近隣諸国を含め通報が十分でなかったことを反省。国際評価尺度(INES)暫定評価レベル5から7への引き上げに1カ月が経過。迅速、的確な対応が必要だった。

 【事故の教訓】
 自然災害を契機にしていること、複数の原子炉の事故が同時に起きたことなどスリーマイルアイランド原発事故、チェルノブイリ原発事故と異なる点が多い。電気、通信、交通が壊滅した状況で原発作業や防災活動を行わざるを得なかった。

 ▽過酷事故防止策
 地震で外部電源に被害。現在まで、安全上重要な設備や機器に地震による大きな損壊は確認されていないが、さらに調査が必要。津波に対し、発生頻度や高さの想定が不十分だった。
 地震や津波に備えた電源の多様性がなく、配電盤などが冠水に耐えられず、電池の寿命も短かった。使用済み燃料プールのリスクは炉心に比べて小さいとして、代替注水などを考慮しなかった。
 複数炉で同時に事故が発生し、設備を共用したり距離が近かったりしたため、事故が隣の原子炉に影響を及ぼした。燃料プールが高い位置にあり対応が困難だった。原子炉建屋の汚染水がタービン建屋に及んだ。

 ▽過酷事故対応策
 連続した水素爆発が事故をより重大にした。水素が漏れて爆発する事態を想定していなかった。
 格納容器のベントシステムの操作性に問題があった。放射性物質の除去機能が不十分。中央制御室や緊急事態対策所の放射線遮蔽、空調や通信、照明の強化などが必要。
 個人線量計が津波で水没し、適切な放射線管理が困難になった。空気中の放射性物質の濃度測定も遅れ、内部被ばくのリスクが増大した。
 実効的な訓練が不十分。自衛隊、警察、消防との連携に時間を要したが、的確な訓練によって防止できた可能性がある。
 周辺でも地震、津波の被害が発生し、機材やレスキュー部隊の動員を迅速かつ十分に行えなかった。機材の集中管理や同部隊の整備を進める。

 ▽原子力災害対応
 大規模な自然災害と原子力事故が同時に発生した場合に備え、通信連絡や物資調達の体制・環境を整備する。
 現在、緊急時の環境モニタリングは自治体の役割だが、国が責任を持つ体制を構築する。
 事故当初、政府と東電の意思疎通が不十分。原子力災害対策本部などの責任や、役割分担の見直しと明確化を進める。
 住民や自治体に適切なタイミングで情報提供できないことがあった。放射線や放射性物質の分かりやすい説明も不十分。

 ▽安全確保の基盤強化
 安全規制行政は、事故に俊敏に対応する上で問題があった。原子力安全・保安院を経済産業省から独立させ、原子力安全委員会や各省も含めて体制の見直しを検討する。
 原子力安全や防災にかかる法体系や指針を見直す。高経年化対策の在り方を再評価。既存施設に対する新法令や新知見の位置付けを明確にする。

 【むすび】
 原子力安全対策の根本的な見直しが不可避。原子力発電の安全確保を含めた現実のコストを明らかにし、原子力発電の在り方について国民的な議論が必要。事故収束に向け多大な困難を覚悟しているが、世界の英知と努力を結集して、必ずこの事故を乗り越えることができると確信している。
(共同)


 YouTube:核燃料、圧力容器貫通の可能性…政府が報告へ

東京電力福島第一原子力発電所の事故について、政府が国際原子力機関(IAEA)に提出する報告書の全容が7日明らかになった。
 報告書は、破損した1~3号機の原子炉圧力容器の底部から溶融した核燃料が漏れ出し、格納容器内に堆積している可能性を指摘した。
 格納容器まで溶けた核燃料が落下する現象は「メルトスルー」(原子炉貫通)と呼ばれ、「メルトダウン」(炉心溶融)を上回る最悪の事象。これまで圧力容器底部で、制御棒の貫通部などが破損し、高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏出したことは明らかになっていたが、政府が公式にメルトスルーの可能性を認めたのは初めて。
 また報告書は、原子力安全規制の行政組織が縦割りで、国民の安全を確保する責任が不明確だったと認め、原子力安全・保安院を経済産業省から独立させ、原子力安全委員会なども含めて、体制を抜本的に見直す方針なども打ち出した。
(2011年6月7日14時30分 読売新聞)


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