みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

自治のカタチ 地方議会「原発安易に切り離せない」/フランスに根付くコミューン

2011-06-18 18:19:52 | 地震・原発・災害
きのう6月に咲く白い紫陽花(アナベルと柏葉紫陽花)が好き、と書きましたが、
庭にほとんど雑草のようにはびこっているドクダミの花も好きです。

  

ふつーのドクダミの花も清楚でかわいい、のですが、
  
特にこれ、八重のどくだみ「白雪姫」がステキです。
  

雨のなか、実なりクチナシも咲きました。
クチナシも大好きな花で、いろんな種類が植えてあるので、
これからじゅんばんに咲いていきます。
  
花たちを見てると、梅雨のうっとうしさがやわらぐ気がします。


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話しはかわりますが、
読売新聞の大阪本社版の「企画・連載」には、読ませる記事が多くでよい内容。
最近では、「性暴力を問う」がとってもよくて、おりに触れて読んでいました。


 関西発:性暴力を問う(読売新聞) 


いま連載しているのは、「自治のカタチ 第2部 地方議会」。
今日の記事に、友人の敦賀市議の今大地晴美さんのことが取り上げられていました。


関西発:自治のカタチ 第2部 地方議会(読売新聞)


自治のカタチ 第2部 地方議会〈5〉原発安易に切り離せない
 大震災、新たな課題


 東日本大震災や福島原子力発電所の事故は、各地の議員にも衝撃を与えた。
 「皆さんが『安全』と言えば言うほど不安になる」
 福井県敦賀市。日本で初めて40年運転に入った敦賀原発1号機を含め3基が立地する。7日の市議会で原子炉の安全性を強調する国の担当者に、今大地(こんだいじ)晴美(60)がかみついた。
 4月の市議選で、4期目を目指した今大地は福島原発事故を受けて「脱原発」を訴えた。これまで「市民派」として原発には慎重だったが、公約に掲げたのは初めてだった。
 交付金など原発関連収入が歳入の2割を占め、市民の3割が原発関連の仕事に就くとされる同市で、脱原発を唱えたのは共産市議2人と今大地だけ。街頭では「原発を止めたら生活はどうなるんだ」と詰め寄られた。前回選で握手を求めてきた人も「ごめんなさい」と目を合わさなくなった。
 1334票集めて当選したが、前回より151票減らした。原発を受け入れてきた市の歴史を実感した。今すぐ原発を止めるのが難しいのも分かっている。ただ、「いったん立ち止まり、これからの街について市民と考えたい」と話す。
 原発を積極的に推進してきた市議らも揺れ動く。
 「安全神話は崩れた」
 7日の市議会では、推進派市議からもこれまでにない厳しい言葉が飛んだ。しかし、ほかに大きな産業はない。将来を考えれば原発は簡単に切り離せない。
 ある市議は言う。
 「代替エネルギーが見つからない中で、安易に脱原発とは言えない。ただ、市民に不安が広がっているのは事実。安全対策をいっそう強く求めるしかない」
     ◎
 津波対策も突きつけられる。東南海・南海地震による津波被害が懸念される和歌山県田辺市で5月中旬、市と住民の緊急の意見交換会が開かれた。町内会長らが「逃げたくても高台がない」「避難ビルを造って」と口々に対策強化を訴えた。被災地の惨状を知り、切実さを増していた。
 1946年の昭和南海地震で多数の死者が出た同市だが、今回の震災では避難指示が出たのに避難率は4%に満たなかった。
 市議の小川浩樹(44)は6月初め、同市と地形が似た岩手県陸前高田市に入った。壊滅した街に絶句した。傍聴した意見交換会を思い出し、「避難ルートや場所の整備など取り組むべき課題は多い。私たち議員もこれまで甘かった。住民の危機感の高まりを市に伝え、実現するのが議員の使命だ」と誓った。
 被災地でも議員が奔走する。津波で市街地の65%が浸水した宮城県東松島市。市議の菅原節郎(60)は自宅を流され、妻子を失った。それでも、「つらいのは私だけじゃない」と避難所を巡る。被災者の要望に耳を傾けるのが日課だ。
 「集落単位の高台移転でコミュニティーを守ってほしいと望む声が多い。そんな声を伝え、津波に強い街づくりにどう生かすか。議員の力が問われている」
 震災100日の18日から市が着手する復興計画づくりで、市民の思いをぶつけるつもりだ。
 「3・11」で浮かんだ地域の課題。克服に向け、議員は住民と向き合う。(敬称略、おわり)
 (この連載は十郎浩史、祝迫博、南省至、山本慶史、沢野未来が担当しました)
(2011年6月18日 読売新聞)
 


東日本震災と原発事故がおきて、市民といちばん近いところにあり、
市民のいのちと暮らしを守る「基礎自治体市町村)」の役割とあり方、
存在意義が、いま、あらためて問いなおされています。

放射能汚泥 政府と自治体の協力で対策を(6月16日付・読売社説) 

東日本の広範な地域で浄水場や下水処理場の汚泥から放射性物質が相次ぎ検出され、各自治体が頭を抱えている。
 汚泥は水を浄化した後に残るもので、主に放射性セシウムが検出されている。
 3月に起きた福島第一原子力発電所の水素爆発などで大気中に飛散し、雨に混じって地表に落下した。雨水管などを通じて処理場に集まったらしい。
 政府は当面の方策として、セシウムが検出された汚泥の施設内保管などを指示していた。
 しかし、保管量は増える一方で、東京都内、神奈川、埼玉、茨城県などの処理場では、月内にも、汚泥を詰めた袋で施設が満杯になることが懸念されている。
 政府は、汚泥対策に悩む関係自治体と緊密に連携して、対応を急がねばならない。
 放射性物質を含む汚泥については、これまで、廃棄物として処分するための明確な基準が定められていなかった。
 近く政府は、事故で発生した汚染廃棄物について、放射性物質の量が1キロ・グラム当たり8000ベクレル以下の汚染なら、他の産業廃棄物などと同様に処分できるなどとした新たな基準を示す方針だ。
 これにより、各地にたまった汚泥も、相当量が処理場から持ち出し可能になるとみられている。
 セメント原料や園芸用土などとして汚泥を引き受けていた業者が、受け入れを断るケースも続出していた。こちらも再開につながると期待されている。
 ただ、極めて少量でも、放射性物質が含まれた汚泥の扱いに不安を抱く住民も少なくないだろう。政府や自治体は、安全性の根拠を丁寧に説明し、理解を求めて行く必要がある。
 政府の試算では、管理の厳しい処分場なら、新基準の1キロ・グラム当たり8000ベクレル以下の汚染廃棄物を埋設しても、周囲に放射線による影響が出る恐れはない。
 処分場から外部に漏れた場合の人体への影響も年間10マイクロ・シーベルト以下で、日常生活で浴びる放射線の100分の1以下だという。
 今後も、汚染地域の土壌除去作業などで、様々な汚染廃棄物が発生する。これらについても処分策を早急に決めねばならない。
 福島第一原発の敷地内や周辺では、がれきなど、極めて高濃度の汚染廃棄物も大量に出ている。多種類の放射性物質が含まれ、処分方策を決めるデータもない。
 その研究と対策の検討にも、政府は早急に着手すべきだ。
(2011年6月16日 読売新聞) 


補償金・義援金理由に生活保護停止相次ぐ 被災自治体 
2011年6月16日13時6分 朝日新聞

 福島県南相馬市や仙台市などで、東京電力福島第一原発事故の仮払い補償金や義援金の支給などを理由に、生活保護の打ち切りが相次いでいる。仮払い補償金などを収入とみなしたうえに、仮設住宅の入居によって家賃分が浮くため最低生活費を上回ると判断したためだ。厚生労働省は被災した生活保護受給者の状況や意向を十分配慮するよう自治体に通知しており、実態を調べている。
 原発事故の警戒区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域を抱える福島県南相馬市は、約400の生活保護世帯のうち、仮払い補償金や義援金の受け取りが確認された約150世帯に対し、6月から生活保護を打ち切った。担当者は「緊急時避難準備区域では震災の被害は少なく、日常生活に戻っている。義援金などがなくなったら、すぐに生活保護の手続きができると説明している」と話す。
 同県いわき市は、仮払い補償金の対象になった生活保護世帯20世帯のうち、審査中などを除いた2世帯で今月分の支給から打ち切りを決めた。警戒区域や計画的避難区域になっている同県双葉郡や相馬郡を管轄する県相双保健福祉事務所も、補償金や義援金から生活必需品を購入した額を引いた額を収入とし、この収入と年金などで6カ月間生活できる場合は生活保護を廃止すると受給者に通知している。  


記者の目:フランスに根付くコミューン=宮川裕章
  

 日本の市町村にあたる「コミューン」はフランスで約3万6500を数える。その約7割が人口700人未満。全国1724市町村の8割以上が人口5000人以上の日本と比べ、小さな自治体が行政の末端を支える。フランス中部アリエ県で約1年間、語学研修を受けた私は、周辺のコミューンを訪ね、地方自治のありようを考えた。

 ◇不便でも“手作り自治”に自負
 フランスの地方行政は州、県、コミューンの3層から成る。社会福祉サービスの多くや中学校の管理は県、地域の道路や小学校の管理など身近なサービスはコミューンと権限が配分されているが、実際には戸籍の管理程度しか行えないコミューンも多い。
 最初に訪れたアリエ県のコミューン、ノワイヨン村は国鉄ムーラン駅から約15キロの山あいにある。緑の牧場が連なる美しい風景だが、バスは廃止され、駅からのタクシーは片道38ユーロ(4370円)。村は過疎に直面していた。1950年代末に2000人に達した人口は、現在724人。若者は就職先を求めて都市に移住した。ラファイ村長(64)は「産業がなく人口の回復は難しい。若い夫婦を迎えるには教育施設の充実しかない」と語った。だが予算は乏しい。09年の歳出62万ユーロ(7130万円)は、ほぼ同人口の山梨県丹波山村(09年度一般会計歳出13億2600万円)の18分の1だ。「近年一番の目玉事業」(村長)として3年かけた小学校の改修工事でも総額40万ユーロ(4600万円)。役場の職員は2人で、コミューン議員15人は村長(月額手当1000ユーロ=11万5000円)と助役以外は無報酬。村長は「村の運営は多くのボランティア行為で成り立っている」と、手作りの自治の心意気を語った。
 それでも住民は大きな不満を抱いていない。主婦のスブリエさん(63)は「財政難でバスはない。でも今は誰かがついでに車で買い物をして来てくれる」とコミューンへの愛着を語る。集会場で近隣コミューンとの合併の可能性について約20人の住民に尋ねたが、ほぼ全員が反対だった。
 人口42人の県内最小のコミューン、ボース村を訪ねると、丘の上の小さな役場で、元小学校校長のドゥサル村長(66)と唯一の事務職員デュモンさん(46)が働いていた。役場の開庁時間は週2回の午前だけ。デュモンさんは四つのコミューンの掛け持ちだ。やはり公共交通機関はなく、歳出は4万6000ユーロ(529万円)。それでも村長は「これで十分」と言う。「住民に一番近い行政サービスを提供している。墓標の修繕や路肩に花を植えるのも私の仕事」と自負する。たばこ屋を営むオディルさん(45)は「大施設や公共交通機関がなくても各家庭には車があり、近くの都市に出れば不自由しない。コミューンをなくしてまで発展する必要はない」と語った。
 仏政府は50年代以降、合併するコミューンに補助金を支給するなどの合併推進策を取った。小規模財政による各コミューンの政策能力の不足や近隣コミューンでの施設重複による非効率の解消、コミューン全体での経費削減などを目指した。だが、コミューン数は約3万8500から2000程度の減少にとどまった。「平成の大合併」で市町村数が99年の3232から1724に激減した日本とは対照的だ。背景にあるのは住民のコミューンへの愛着だ。人口220万人のパリ市など大都市を除けば、ほとんどのコミューンは教会区と領域が重なる。教会での結婚式とは別に行う行政上の結婚式も、役場の一室で市町村長が立ち会うのが通常だ。顔の見える行政が伝統的に根付いている。

 ◇農村に残る郷土愛や奉仕
 仏政府は現在、日本の広域連合に類似するコミューン共同体の拡充を進める。複数コミューンでの共同体の編成を義務付け、経済開発などの権限をコミューンから移譲させる。コミューンを残しながら、効率性を追求しようという折衷案だ。だがピュイドドーム県の8コミューンで構成するコトードランダン共同体議長を務めるモン村のシャサン村長(53)は「今後の共同体の機能拡大がコミューンの機能縮小、消滅につながりかねない」と不安を口にした。
 合理化と、そこで失われる金銭に換算できない価値のバランス。農村を歩きながら、そんなことを考えた。フランスでも日本同様、過疎やインフラ不足の問題はある。一方で、個人主義的と形容される国としては意外なほど、住民の無欲、郷土愛、人のつながり、無償の奉仕など、合併が進んだ日本の地方自治では失われつつあるものが残っているように思った。自治のありように対する答えは単純ではないが、今後も自問を続けたいと思う。
毎日新聞 2011年6月16日 


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