みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

【悩みのるつぼ】Q自殺は本当にいけないですか:A(上野千鶴子)正直に弱さを認めましょう

2011-06-12 12:01:43 | ジェンダー/上野千鶴子
去年の秋に花が終わった処分品を買って、鉢に植えた紅白の石竹(セキチク)。

先に赤が咲きはじめ、
   
続いて、白も咲いてはなざかり。
   

別名,、カラナデシコ(唐撫子)。
ナデシコの仲間で庭で簡単に育てられます。
   

   

6月は、いろんな山野草が庭のすみでひっそりと咲きます。
    

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朝日新聞の土曜別刷り「be」の「悩みのるつぼ」。
今週は上野さんのはずだと思って、昨夜、宴も終わって
寝る前に新聞を見たら、そうでした。

「自殺は本当にいけないですか」という重いテーマに、
上野さんはどう応えていらっしゃるでしょう。

     
     2011.6.11 朝日新聞

 自殺は本当にいけないですか
相談者  無職男性 50代


 50代の無職男性です。自死(自殺)について相談します。
 自殺者は13年連続で年3万人超と報道されています。世間一般的には自殺は良くない、弱い人間のすることだという暗いイメージが出来上がっています。どんな理由があろうとも、自殺は絶対にいけないといいます。
 でも私は、自殺を正当化できないか、後ろ暗いイメージを残さないで自死できないかと考えてきました。人に迷惑をかけない方法で自殺するとしても、本当にいけないことでしょうか。・・・・・・
・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・
 ・・・・将来の年金を支給するための財源として、消費税の増税をしようとしている政府にとっても、私が自死すれば負担は軽くなり、究極の社会貢献だと思います。
 世間一般的に言う、将来を悲観しての自死ではなく、明るく前向きな自死だと私自身は思うのですが、いかがでしょうか。

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正直に弱さを認めましょう
回答者 社会学者・上野千鶴子

  ひとは社会的な理由からではなく、個人的な理由から自殺します。冒頭「世間一般的には」と書き起こすあなたは、自殺する気がはなからない人とお見受けしました。
 するってぇと、このご質問の意図は?
 解釈その1。回答者に議論をふっかけてどんな答えが返ってくるか相手を試す。残念ですがそんな一般論につきあっているヒマはありません。
 解釈その2。「自殺の正当化」の理由を求めているあなたは、この欄の回答をその「正当化」の根拠にしようとしている。自殺は積極的なアクションであり、遺書は生涯最後の命をかけたメッセージです。そこに「朝日の悩みのるつぼで、こんな回答をもらったから」なんて書かれてはたまりません。その手はくわなの焼きはまぐり。そもそもこの欄の回答には、命をかけるほどのねうちはありません(笑)。
 解釈その3。信念や信条で自殺なさるならとくにおとめしません。ただしあなたのその信条にわたしは同意しませんし、つまらない信条だと思います。
 くりかえしますがひとは社会的な理由から自殺することはありませんし、あなたが言うように「将来を悲観して」自殺を選ぶこともありません。ひとは個人的な理由から現在を悲観して自殺を選ぶので、あなたに現在とくに死ぬ理由がなければ、ホンモノの自殺志願者から自殺を口先でもて遊ぶ者と、怒りを買うでしょう。
 解釈その4。この文章には書かれていない何かもっとべつな理由で、あなたは死にたいと思っており、それを引きとめてほしいと思っている。そもそも本気で死ぬつもりのひとは、お悩み相談なんてしません。「死にたい」メッセージは、その実「死にたくない」メッセージ。自殺者がたび重なる自殺予告をすることは知られていますが、それはそのメッセージを受け止めてほしいというアピールです。
 そう思えば「50代、無職、独身、男性」の背後には、どんなご事情があるのでしょうか。「親しい友人もいない、兄弟親戚もいない」あなたは、この社会では孤独死予備軍のハイリスクグループに属します。つらい、さみしい、助けてほしいのなら、こんな回りくどい言い方をしないで、正直にそう言いましょう。きっと誰かが受け止めてくれます。自分の弱さを認めることがまず先です。これだから男はめんどくさいんですよね。  
題字・イラスト きたむらさとし


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コメント (4)
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