みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

放射能汚染:内部被ばく、母親らが学習会 食品、一から見直しを/内部被ばく 東電、甘い計算法主張

2011-06-16 17:13:02 | 地震・原発・災害
昼過ぎから雨が降りはじめました。
外で花苗を植えたり庭仕事をしていたのですが、
雨に濡れたくないのであわてて家に戻りました。

  

   

  

福島原発事故による放射能の被害はじわじわと広がり、
遠く離れた大阪でも下水汚泥などから放射性物質が検出されています。

汚泥に放射性物質 16都道府県 NHK 2011.6.14)

もはやどこにいても、放射能汚染からは逃れられません。
とはいえ、何を食べてもどんな生活をしていても同じではなく、
取り込む量が少なければ少ないほど、内部被ばくが少ないのが、
閾値のない放射能の特徴です。

張本人の東京電力は、「内部被ばくの線量を甘い方法で計算していた」
そうですから、やはり自分で情報を仕入れて自衛するしかないですね。

京都では「放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会」が自主学習会をしたそうです。

東日本大震災:内部被ばく、母親らが学習会 食品、一から見直しを/京都 

◇ジャーナリスト・平賀さん講演に質問相次ぐ
 福島第1原発事故による放射性物質の食品からの検出が相次ぐ中、子供の内部被ばくを懸念する母親たちの自主学習会が8日、京都市左京区で開かれた。持続可能な食とエネルギーをテーマとするフリージャーナリスト、平賀緑さん=同区=の講演に約35人が参加。示された資料を熱心にメモする姿が目につき、質問も相次ぐなど関心の高さが表れた。当日の講演の様子を紹介する。【太田裕之】

 ◇野菜は、給食は大丈夫?
 市民サークル「放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会」のメンバー、右近由美さん(45)が企画。電子メールで知人らに案内しただけで、会場からあふれる数の母親たちが集まった。
 まず平賀さんは、国が食品について示した暫定規制値(放射性セシウムは1キログラム当たり500ベクレル)が、従来の輸入品規制値(同370ベクレル)や米国の法令基準(同170ベクレル)より緩められていることを説明。「経済面なども考慮して決められたこの値を下回った食品は、放射性物質を含んでいても『安全』として市場に出回っている」と述べた。
 また、生産者も守る立場にある国は消費者に汚染を意識されたくない▽肉も野菜も穀物も、品種改良や添加物による大量生産が広がっている▽そうした「アグリビジネス」ではコストが重視され、低所得者ほど不健康な食品に頼らざるを得ない状況にある--などの傾向にあることを指摘。「そもそもの食品の生産流通システムを知ることが重要で、ラベル表示を見れば、ある程度分かる」と話し、放射性物質以外の有害物質への注意も呼び掛けた。
 さらに、これからの消費者の心掛けとして「国に基準強化は期待しにくいが、検出データを求めることは有効」「どこでどう育ったかの素性が分かる食材を使い、自分で料理するのが基本」とし、その上で「安心できる食べ物のためには原発も核も全廃しないといけない」と結んだ。
     ◇
 質疑応答では、保育園に通う4歳の娘と7カ月の息子がいる京田辺市の上村真代さん(38)が「京都の野菜は大丈夫?」と尋ね、平賀さんは「東北に比べればまだまし。京都での地産地消を広げる意義はある」と回答。放射線量測定器についても質問があり、平賀さんは「市町村にも購入可能。働きかけはできる」と話した。
 小2の息子がいる左京区の女性(39)らは学校給食について「学校に尋ねても国の規制値より低く安全と言われるだけで詳細が分からない」と懸念。平賀さんは「国の規制値では安全と言い切れないと資料を示して指摘して」と語った。
 府が関西広域連合の枠組みで福島県を支援していることから「福島県の農産物を京都で購入する動きはどうか」との質問も。平賀さんは「一番困っているのは生産者。しかし、食べて応援するのは違うと思う。原発を許すことにもつながる」と指摘。「現代の日本で農業を続ける人を私は尊敬している。その人たちの畑や土に放射性物質がまき散らされたのだと、一緒に怒っていくことだと思う」と話した。
 終了後も参加者同士の意見交換が続いた。上村さんは放出された放射性物質の総量を経済産業省原子力安全・保安院が6日に37万テラベクレルから77万テラベクレルに上方修正したことに触れて「実は倍でしたと後から言われる。発表は信頼できない」。3歳の息子がいる左京区の篠原幸子さん(41)も「流通する食品が本当に安全なのかどうか分からないのなら、注意深くした方がいい」と話した。
 平賀さんは「こんなにも大勢のお母さんたちが来られるとは」と関心の高さを実感。「放射線だけに気を取られると他の不健康な食品を選んでしまう恐れがある。この機会に食べ物全体を見直してほしい」とも強調した。
     ◇
 平賀さんが示した資料は「緑の情報サイト~持続可能な食とエネルギー」(http://midori.info/)で見ることができる。
毎日新聞 2011年6月14日 地方版 


「緑の情報サイト~持続可能な食とエネルギー」

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毎日新聞の「クローズアップ2011」は、ふつか続きで、放射能汚染のこと。

クローズアップ2011:内部被ばく 東電、甘い計算法主張 

◇厚労相「内部被ばく100ミリシーベルト限度」
 東京電力福島第1原発で、限度を超えた被ばくをする作業員が相次いでいる。特に放射性物質を体内に取り込む内部被ばくが深刻だ。細川律夫厚生労働相は14日、内部被ばくが100ミリシーベルトを超えた人を作業から外すよう東電に指示したが、被ばく量の算定を巡って東電と厚労省が対立、作業員の安全を優先した対策が遅れた。作業の長期化が避けられない中、被ばくの実態把握さえおぼつかない現状は、東電が工程表で公約した復旧作業にも影響しかねない。

 ◇根拠薄い「政治判断」
 「東電は当初、内部被ばく線量を甘い方法で計算していた」。厚労省の幹部は憤る。
 福島第1原発の作業員から緊急時の上限の250ミリシーベルトを超える被ばくをしたとみられる2人の存在が発覚した5月30日には、内部被ばくの線量は不明だった。線量計算を巡り厚労省は、同原発で最初に水素爆発があった3月12日を起算点にするよう東電に求めた。しかし、東電側は「いつ内部被ばくしたかは不明。3月末まで作業したなら震災当日と月末の中間の3月21日前後を起算点にすべきだ」などと主張した。
 内部被ばくは「ホールボディーカウンター」という機器を使い、ある時点の線量を測った上で過去にさかのぼって総量を積算する。さかのぼる期間が長いほど積算線量は高くなるため、東電側の計算では厚労省より積算線量が低くなる。厚労省労働基準局の職員は「厳しく計算するよう説得したが向こうも譲らず、にらみ合いが続いた」と証言する。
 ただ、東電の測定値は「暫定値」で、最終的な線量は放射線医学総合研究所(放医研)が精密に検査し算出する。放医研は厚労省と同じ起算点を用いて6月10日、2人の内部被ばくを590~540ミリシーベルト、外部被ばくと合わせて678~643ミリシーベルトで確定させた。
 東電も最終的には放医研に合わせて計算し直して13日に同省へ報告、新たに6人の上限超えが判明した。
 一方、細川厚労相が「内部被ばくの限度は100ミリシーベルト」と指示したのは根拠の薄い「政治判断」だった。
 最初の上限超え発覚後、厚労省は同様の作業をしていた約130人の内部被ばく線量を測るよう東電に指示し、6月3日に報告させた。この時点では新たな上限超えはいなかったが、100ミリシーベルト超が3人いた。当時は線量計算を巡り東電と争っていた時期で、厚労省は「100ミリシーベルト超の3人も最終的に上限超えの可能性が高い」と判断、作業から外すよう指示していた。
 その後、東電が計算し直した13日の報告を同省は「実態に近い」と評価。この報告では新たな上限超え6人のほか、200ミリシーベルト超の作業員が6人いたため、この6人も念のため作業から外すよう事務レベルで指示した。
 しかし、細川厚労相は「100ミリシーベルト超」で作業から外した3日の指示にこだわり、事務レベルの指示を変更した。基準が後退したと受け取られるのを恐れたとも見えるが、労基局の高崎真一・計画課長は「東電の対応が遅れがちな点も踏まえた政治判断」と説明した。【井上英介】

 ◇基準高すぎる
 元原発作業員が東電に損害賠償を求めた訴訟で原告代理人を務めた鈴木篤弁護士は「原告は年間70ミリシーベルトの外部被ばくで多発性骨髄腫が労災認定されたが、5ミリシーベルトで白血病が労災認定されたケースもある。今回の内部被ばくには絶句するしかない」と話す。その上で「100ミリシーベルトという基準は高すぎる。そもそも、内部被ばくの基準がなかったのは大問題だ」と指摘している。

 ◇3月の作業員、2割未検査
 被ばく線量が250ミリシーベルトを超えた作業員8人は、事故発生直後に構内で作業していた。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「発生から1週間はマスク着用の徹底や空気中の放射線測定ができていなかった」と説明する。
 最初に250ミリシーベルトを超えたことが判明した2人は、3、4号機の中央制御室の運転員で、3月11日はマスクを着けていなかった。新たに判明した6人について東電は「マスク着用の指示は出した」としているが、現場でどの程度徹底されていたかは不明だ。
 現状把握も追いついていない。放射性物質がピークだった3月に同原発で作業していた3726人のうち、内部被ばく量が判明しているのは約6割の2367人。残る1359人の半分は検査すら受けていない。
 測定器(ホールボディーカウンター)はわずか4台しかない。東電は「よそから運ぶにも専門業者に依頼したり設置場所の補強工事が必要で時間がかかっている」と釈明する。
 現場から約20キロ離れた前線基地の「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町)で車両の除染作業に携わる下請け会社の男性(28)は「内部被ばくの基準を設けるのは当然だが、それ以前に検査の環境を整えるべきだ」と訴える。ホールボディーカウンターが足りないためなかなか検査を受けられず、作業員の不満がくすぶっているという。
 東電は5月に見直した工程表に「作業環境の改善」を盛り込んだ。休憩所の増設など一部は着手しているが、「上限超え」が増える中、作業に支障が出る恐れもある。
 松本本部長代理は会見で「作業員が足りなくなる事態にはならない」と強調した。経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は「作業員が足りなくなれば、他の電力会社などの協力で人材を確保しながら、工程に支障がないよう努めたい」と話す。小林圭二・元京都大原子炉実験所講師(原子核工学)は、「東電や政府はメンツをかけて工程表通りに復旧を進めようとしているが、作業員の人命や健康を軽視している」と憤る。【岡田英、久野華代、袴田貴行、河内敏康】

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 ■福島第1原発での限度を超えた被ばくを巡る動き■

4月27日 50代女性社員が法定の限度(女性は3カ月で5ミリシーベルト)を超える17.55ミリシーベルトの被ばくと東電が発表
5月 1日 40代女性社員が7.49ミリシーベルトの被ばくと東電が発表
  30日 30代と40代の男性社員が、緊急時被ばく限度の250ミリシーベルトを超える被ばくの可能性があると東電が発表
6月 7日 厚生労働省が労働安全衛生法に基づき福島第1原発に立ち入り調査
  10日 放射線医学総合研究所の評価で30代社員の被ばく量は678ミリシーベルト、40代社員は643ミリシーベルトと判明。経済産業省原子力安全・保安院が東電を厳重注意。厚労省が是正勧告
  13日 新たに6人が250ミリシーベルトを超えた可能性があると厚労省が発表
  14日 細川律夫厚労相が、内部被ばくが100ミリシーベルトを超えた作業員は作業から外すよう東電に指示
毎日新聞 2011年6月15日 


クローズアップ2011:福島第1、浄化装置稼働へ 出口なき汚染水処理 

◇放射性汚泥、大量に
 東京電力福島第1原発で15日、仏原子力メーカー「アレバ」の汚染水処理システムの試運転が始まった。同原発では、原子炉冷却のため注水を続けているが、格納容器などが破損しているため、冷却水が放射性汚染水となって原子炉建屋外へ流出している。注水量を増やせばその分汚染水が増え、量を絞ると原子炉の温度や圧力が上がって事態が悪化する恐れがある。処理システムは悪循環を食い止める武器となるが、同時に大量の高レベル放射性廃棄物が発生し、収束作業に新たな「不確定要素」が加わることは確実。年明けまでに収束することを目指す東電の工程表にも影響を与えそうだ。【中西拓司、比嘉洋】

15日に試運転が始まった仏原子力メーカー「アレバ」の汚染水処理システム=東京電力提供 「配管から汚染水がしみ出した部分もあったが、処理システムは予定通りに進んでいる」。経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は15日の記者会見で、試運転が順調に進んでいると強調した。しかし、システムの稼働は、高レベルの放射性廃棄物の発生という新たな問題を生み出した。
 東電は、7月中旬までをめどとした工程表の「ステップ1」で「放射線量が着実に減少傾向になっている」こと、その3~6カ月後の「ステップ2」では「放射性物質の放出が管理され、線量が大幅に抑えられる」ことを目指す。
 しかし、汚染水処理に伴い、アレバ社製除染装置では、放射性の汚泥が年末までに約2000立方メートル(ドラム缶換算で1万本相当)発生。濃度は1立方センチ当たり1億ベクレルもの高レベルになるとみられる。他にセシウムを吸着し終えた容器(高さ2・3メートル)も1日2~4本程度発生する見込みだが、その処理は工程表に含まれない。
 経産省資源エネルギー庁幹部は「とんでもない高レベルの廃棄物が大量に発生し、第1原発の事故処理は未知の領域に入る。工程表に影響が出る可能性がある」と指摘する。同庁や原子力安全・保安院は、処理のための法改正や新法の制定も視野に処理策の検討をスタートさせた。
 膨大な高レベル放射性廃棄物の発生は、年明けまでに冷温停止することを目指した収束スケジュールの足かせになる恐れもある。
 5月の工程表改定で、東電は放射性物質を取り除いた処理済み汚染水を炉心の冷却水にリサイクルする「循環注水冷却」の実現を盛り込んだ。
 2号機では水素爆発によって圧力抑制プールが損傷を受けており、保安院のデータ解析では計300平方センチにわたって穴が開いているとみられている。そのため、冷却水を循環させるには損傷部分を補修するか、プール全体をコンクリートなどの巨大な構造物で覆う必要がある。だが、建屋内は高線量のため作業員の立ち入りは難航しており、破損箇所の確認すらできていない。
 状況は1、3号機も同様だ。ともに原子炉建屋自体が水素爆発で大きなダメージを受けており、水漏れなく「循環」させるには大規模な補修が必要になる可能性もある。「循環冷却」の目標がいつ実現できるかのめどは立っておらず、処理済みの汚染水は当面、施設内の仮設タンクに留め置かれる。
 いずれにしても、メルトダウン(炉心溶融)した核燃料を冷却する限り、処理システムを延々と稼働させなければならない。汚染水処理費には放射性廃棄物の管理費などは含まれず、巨額の処理費用が今後、のしかかってくる。
 放射性廃棄物の処理に詳しい東京都市大の本多照幸教授(原子力環境工学)は「世界的にも前例がない処理。最悪の事態を想定しながら、処理策の具体化を急ぐべきだ」と指摘する。

 ◇配管つなぎ目、懸念
 「本格運転に向けて予定通りに進んでいるが、一番の懸念材料は(参加企業各社の)配管のつなぎ目部分」。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は15日の会見でこう述べた。
 汚染水処理システムは(1)油分離装置(東芝)(2)セシウム吸着装置(米キュリオン社)(3)除染装置(アレバ社)(4)淡水化装置(日立など)--の四つで構成される。運転中は周囲が高線量になるため、遠隔操作で稼働する。
 16日以降にシステム全体の試運転が実施されるが、国内外5社が参加する大規模プロジェクトが順調に進むかは不透明だ。
 もし汚染水処理システムが稼働できなければどうなるか。東電は、未使用となっている集中廃棄物処理施設の地下2階部分を活用すれば、少なくとも今月中は海洋流出を避けられるという。来月上旬には高レベル汚染水を貯蔵する仮設タンクを設置するなど対策を立てているが、綱渡りの状況は続く。
 現在1~3号機へは1日約520立方メートルの冷却水が注入されている。この水が原子炉建屋の地下や、隣接するタービン建屋に滞留。大雨が降ればタービン建屋と地下でつながるピット(コンクリート製の穴)から海へ流出する危険性がある。
 システムでは1日約1200立方メートルの汚染水を処理でき、放射性物質を1000分の1~1万分の1程度まで低減できる。費用は年末までで計531億円。汚染水は年末までに25万立方メートル出るとみられ、1リットル当たり210円になる計算だ。
毎日新聞 2011年6月16日 


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