みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

上野千鶴子さんの【悩みのるつぼ】&『ナショナリズムとジェンダー 新版』『生き延びるための思想 新版』

2012-10-16 21:15:39 | ジェンダー/上野千鶴子
10月13日の朝日新聞beの【悩みのるつぼ】の回答者は上野千鶴子さん。

ちょうどこの日は、上野さんと東京でごいっしょしてました。


2012.10.13 朝日新聞be

  【悩みのるつぼ】
私が送りたかった人生なのか

相談者:会社員女性 41歳

41歳で会社員。幼児一人の母親です。人生80年の半分を過ぎ、最近、私はこんな人生を送りたかったのか、という後悔に似た気持ちがあります。
 37歳で出産以来、自分の思い通りにいかないと強く感じてしまいます。それまではやりたいことをやってきたように思っていたし、いざやる気になればなんでもできると思っていました。
 しかし、子ども中心の生活に変わり、自分のやりたいことを我慢し、仕事も勤務時間を短縮している状態です。これが子どもが18歳まで続くのかと思うと、本当に自分が送りたかった人生なのかと思ってしまいます。・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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求めて得た経験を楽しまなくちゃ
回答者:社会学者 上野千鶴子


 困りましたね。アラフォーでこんなに「夢みる夢子ちゃん」状態では。
今の生活がイヤだからリセットしたいだけ、としか聞こえません。
 のぞんで結婚し、ほしくて子どもに恵まれたんですよね。きっと晩婚・晩産なんでしょうから、若気の至りで結婚へジャンプしたわけでもなさそうです。・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 


集英社の 上野千鶴子WEB連載「おんなの本」を読みなおす の連載も始まりました。

初回は、 第一回:田中美津『いのちの女たちへ とり乱しウーマン・リブ論』
おもしろいです。

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翌日の10月14日も上野さんといっしょに、4年前の堺市立図書館での
「特定図書排除事件」を振り返るイベントの、講師をしていました。

東京滞在中に上野さんから、岩波現代文庫の最新刊の二冊、
『ナショナリズムとジェンダー 新版』と『生き延びるための思想 新版』を
サイン入りでいただきました(嬉)。

分厚い本なので、まだ全部は読めてないのですが、
どちらも単行本に入ってない章が増えていて、読みごたえがあります。
『生き延びるための思想 新版』には、3.11後の「東大最終講義」の全文が収録されています。

「読書会」で仲間と1年ずつかけて読み込んだ本ですが、
あらためて最初からじっくりと読みたいと思っています。

まだ発刊前ですが、紹介させていただきます。

  
『ナショナリズムとジェンダー 新版』   『生き延びるための思想 新版』

 岩波現代文庫 

  ナショナリズムとジェンダー 新版

編集部からのメッセージ
「慰安婦」問題は,いまだに解決を見ないまま,切れば血の出るような問題でありつづけている――
 著者が本書解題でそう書く通り,2012年の現在,竹島(独島)の領有権をめぐる日韓の争いに関し,未解決のままの戦後処理,とりわけ「慰安婦」問題がさかんに論じられている.ただし「血の出る」思いをしているのは,声高に語る政治家や国家主義者でないのは言うまでもない.
 1991年,元「慰安婦」金学順さんらによる日本政府の告発は,社会に大きな衝撃を与えた.このとき突き付けられた問いに応えようと書かれたのが,上野千鶴子『ナショナリズムとジェンダー』(青土社,1998年)であった.
 国民国家の中で女性はどのような位置に置かれたのか,あるいは自ら進んでそのメンバーになろうとしたのか,「歴史」とは何か,「記憶」「語り」とはどのような性質をもつのか…….それは現実の政治から分離した話ではなく,著者は「女性のためのアジア平和国民基金」をめぐる論争の場に身を置き,発言することともなった.著者は,旧版『ナショナリズムとジェンダー』を,「これまでの書物のなかでもっとも熱をこめて書いた書物と言える」と書く.
 本書は,その『ナショナリズムとジェンダー』を第I部とし,主にそれ以後に書かれた論考を第II・III部として収録した.「慰安婦」問題に関する著者の発言が,今回この1冊にまとまった.「慰安婦」問題はなぜいまだ「終わらない」のか,「自著解題」も付した本書を手に,ぜひ多くの方に考えていただきたい.

*なお,女性が「国民化」するとはどういうことか,女性と軍隊参加,対抗暴力についてさらに考察を進めたのが『生き延びるための思想』である.今回「新版」として同時刊行した.

著者紹介
上野千鶴子(うえの ちづこ)
1948年,富山県に生まれる.1977年,京都大学大学院社会学博士課程修了.現在,ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長,東京大学名誉教授,立命館大学特別招聘教授.著書に『セクシィ・ギャルの大研究』 『家父長制と資本制』『おひとりさまの老後』『ひとりの午後に』『女ぎらい』『不惑のフェミニズム』『ケアの社会学』『生き延びるための思想 新版』ほか.

目次
I 『ナショナリズムとジェンダー』
 1 国民国家とジェンダー
 2 「従軍慰安婦」問題をめぐって
 3 「記憶」の政治学
   あとがき
II 戦争の憶え方/忘れ方
 1 国を捨てる
 2 今もつづく「軍隊と性犯罪」
 3 沖縄女性史の可能性
 4 戦争の憶え方/忘れ方
 5 過去の清算――ドイツの場合
 6 戦後世代の再審に希望
III その後の「従軍慰安婦」問題
 1 記憶の語り直し方
 2 「民族」か「ジェンダー」か?
 3 アジア女性基金の歴史的総括のために
参考文献
自著解題


 生き延びるための思想 新版

編集部からのメッセージ
 民主党政権が末期症状を呈している2012年秋現在,“強い”国家への指向が,“強い”政治家によって語られ喧しい.「日本国民として」と,奮い立つ人もいるかもしれない.しかし,この上,国民としての役割を強要されてはたまらない,という思いの人も少なくないだろう.
 そもそも「国民」とは何か? 「市民」の範疇はどう設定されてきたのか? 『ナショナリズムとジェンダー』で「慰安婦」問題を論じた著者は,並行するように,本書で,国家,市民権とジェンダーとの関係を論じた.
 湾岸戦争,イラク戦争を経て,女性の軍隊参加は珍しくなくなったが,男が戦争に行くなら,女も平等にその権利を求めるのが男女平等なのか? 連合赤軍などの女性革命兵士,チェチェンなど民族紛争地での女性テロリストは,なぜ死に至る道をとらざるを得なかったのか? 戦争という国家暴力が犯罪化されない理由,またDV(ドメスティック・バイオレンス)という私的暴力が放置され続けてきた理由にも迫る.
 本書は,旧版(岩波書店,2006年)に,暴力とジェンダーをめぐるいくつかの論文を追加,最終章には,弱者が弱者のままに生きられる社会を熱く語った,東日本大震災後の東大最終講義も収録した.
 「強者の論理に殺されるな」「逃げよ,生き延びよ」――著者のやさしく力づよいメッセージが,いま改めて多くの人に届くことを願っている.

著者紹介
上野千鶴子(うえの ちづこ)
1948年,富山県に生まれる.1977年,京都大学大学院社会学博士課程修了.現在,ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長,東京大学名誉教授,立命館大学特別招聘教授.著書に『セクシィ・ギャルの大研究』 『家父長制と資本制』『おひとりさまの老後』『ひとりの午後に』『女ぎらい』『不惑のフェミニズム』『ケアの社会学』『ナショナリズムとジェンダー 新版』ほか.

目次
はじめに――あげた手をおろす
I 女性兵士という問題系
 1 市民権とジェンダー
 2 女性兵士の構築
 3 対抗暴力とジェンダー
 4 「プライバシー」の解体
II 戦争の犯罪化
 1 戦争は「魅力的」か?
 2 沖縄戦の記憶
 3 フェミニズムから見たヒロシマ
 4 銃後史という思想
III ナショナリズムを超える思想
 1 フェミニズムとナショナリズム
 2 ナショナリズムを超える思想
 3 「国民国家」論の功と罪
IV 「祈り」に代わるもの
 1 インタビュー 死ぬための思想/生き延びるための思想
 2 「祈り」にかえて
V 3・11の後に
 1 生き延びるための思想
参考文献
自著解題 


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10月15日(月)のつぶやき

2012-10-16 01:21:47 | 花/美しいもの

本日うぐいすリボン主催『堺市立図書館BL小説廃棄要求事件をふりかえる』。図書館関係者、BLファン、「表現の自由」派が一堂に。上野は一貫して「表現の自由」擁護の立場。「想像力は取り締まれない」と壇上で発言したら拍手を受けた。

寺町みどりさんがリツイート | 68 RT

日本学術会議主催『雇用崩壊とジェンダー』10/13終了。報告者は十分に準備した報告をし、質問も多く、熱気にあふれ充実したシンポだった。報告者とコメンテーターがそれぞれたいへん印象的な発言を。

寺町みどりさんがリツイート | 4 RT

うぐいすリボン主催『堺市立図書館BL小説廃棄要求事件をふりかえる』。この事件、あまりに知られていない。福井焚書坑儒事件のとき、放っておいたら飛び火すると予想した。そのとおりになった。詳しくは「みどりの一期一会」2008.11.3~を参照blog.goo.ne.jp/midorinet002/

寺町みどりさんがリツイート | 80 RT

jfsribbon.org/2012/08/blog-p…今日は「堺市立図書館BL小説廃棄要求事件を振り返る」取材。事件当時敵もうまいなと思ったものです。(オタクも腐女子嫌いは多く、反表現規制派もBLに冷淡、BL内の差別表現等から同性愛擁護とも単純な連帯は無理)でも、敵は常に弱い輪からせめてくる。

寺町みどりさんがリツイート | 65 RT

オタクのプライベートな嗜好に過ぎなかったものがバッシングを受けることによって、彼らは結束し、政治化していきました。同じことが、腐女子界では起きないのでしょうか。腐女子は政治化しないのかしら。私は期待しているんですけどね。(上野千鶴子)blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/…

寺町みどりさんがリツイート | 113 RT

規制派のフェミニストもたしかにいましたが、反規制派のフェミニストもいました。私は後者です。その点では宮台真司さんたちと意見が一致していました。そのあたりの詳しい事情は、永山さん、昼間さんの『マンガ論争勃発』を読んでください。(上野)blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/…

寺町みどりさんがリツイート | 33 RT

表現の自由のためのNPO法人うぐいすリボンでは、賛助会員を募集しております。次の世代に「自由な社会」と「豊かな文化」を残すために、ぜひご協力くださいませ。mp.canpan.info/uguisumembers/…会費の決済はVISAとMasterCardが対応しております。

寺町みどりさんがリツイート | 32 RT

日本学術会議主催『雇用崩壊とジェンダー』。大沢真理さん「日本の再分配は逆機能。再分配後の貧困率が再分配前を上回る。これなら政府が何もしないほうがまし」

寺町みどりさんがリツイート | 34 RT

たくさんのいのちに生で向き合う経験が必要、この世界はいのちの世界です! RT @oujiman: 正解のある問題の解く訓練を長く続けると、疑問を持ったり創造する力が衰えて、正解のない問題を解く能力が低下するのだとか。政治家や学者が問題を解決できないのには理由があるんですね☆

寺町みどりさんがリツイート | 2 RT

障害者差別禁止法案 「合理的配慮」広く求める/表現規制防ぐ監視を 弱者を救う新規立法に goo.gl/K6VkD

寺町みどりさんがリツイート | 1 RT

パキスタンで女性が教育を受ける権利を訴えて銃撃された14歳の少女が、意識不明のまま英国に運ばれました。より高度な治療を受けるため。犯行声明を出したパキスタン・タリバーン運動は、事件を伝えている内外メディアも攻撃すると予告しています。 t.asahi.com/8ela

寺町みどりさんがリツイート | 149 RT

コメント
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