みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

すべての女性に学ぶ権利を~タリバンから銃撃受けたパキスタン少女

2012-10-20 23:09:16 | ジェンダー/上野千鶴子
10月9日、パキスタンの14歳の女性マララさんがタリバンから銃撃を受け、
重傷を負った。
一時は命の危険も心配されたけれど、
イギリスで治療をうけて、いまは歩けるまでに回復しているとのこと。
命が助かってよかった。

彼女は女子教育を禁止するタリバンの支配下で、
ブログを開設し、教育権を求める運動を行っていたという。

世界中に数えきれないほどの、学びたくても学べない、
教育を受ける権利をおかされている女性がいる。

日本でも、わたしの若いころは「女には教育はいらない」と言われ、
進学できるのは、裕福な家庭で、かつ親に「理解がある」ほんの一握りの女性だった。

マララさんの快復を祈るとともに、
すべての女性に自由に学ぶ権利を、と心から思う。

  少女への銃撃―貧しい国の女性に力を  

 女子の学ぶ権利を訴えていたパキスタンの14歳の少女、マララさんが撃たれ、重体だ。貧しい国の女性が教育を受け、自分の意思で生き方を選べるように支援する必要がある。
 反政府武装勢力のパキスタン・タリバーン運動が犯行を認めた。この勢力は女子が学校に通うことを禁じ、それに従わないマララさんを狙ったという。
 許しがたい蛮行だ。
 マララさんは3年前から、学校に通う日々の思いをブログにつづり、政府が開いた講演会で女子にも教育が要ると唱えた。
 彼女が住んでいた地方をはじめ、世界にまだ、女性に教育は要らず、家が決めた相手と結婚すればいいという地域がある。
 脅されていながら、発言を続けたマララさんの勇気をたたえたい。彼女と同じ考えの少女は大勢いるに違いない。
 折しも、今月11日は国連が設けた第1回の「国際ガールズデー」だった。
 途上国でも貧困が緩和された地域はあるものの、女性、とくに若い少女たちを取り巻く状況はなお深刻だ。
 女子教育を否定する考えは、特定の宗教というより、アジアやアフリカの社会に残る因習によるものだろう。
 パキスタンの隣国アフガニスタンでも、小中学校に通っていない女子は100万人に達し、女性の成人識字率は男性の半分ほどしかないという。
 国際社会はさまざまな手立てで貧困撲滅に取り組んできた。
 それなのになぜ、女性への教育の遅れが残り、差別や暴力が減らないのか。
 とくに目を向けたいのが、古い因習が残る農村や、都市のなかでも最貧層の住む地域だ。
 少女たちは10代で結婚させられ、多くの子を産み、育児や水くみといった仕事に追われて、教育の機会を奪われる。
 ユニセフの推計では、15歳以前に結婚させられる女子は世界で2300万人に達する。若すぎる結婚は、生まれる子どもの健康も害することが多い。
 南アジアでは、若い女性に仕事があるとだまして売春させる人身売買や児童労働が横行している。さらには、望まない結婚から逃れようとする女性を一族が自らの手で殺害する、といった悪習も残っている。
 途上国の教育や地域保健への支援で、日本は経験を重ねてきた。女子学校の建設や、女性教師の育成で貢献できる。
 マララさんは治療のために英国に運ばれた。回復を祈り、犯行に抗議する声は、今後も国境を超えて広がっていくだろう。


  【コラム】中日春秋
2012年10月11日 中日新聞

 十四歳のマララさんは今、パキスタンで一番有名な少女だ。新聞の一面に、その名前と写真が載っている
▼おととい、北西部スワト渓谷にある学校で、生徒らを乗せたバスに男が乗り込んできた。「どの娘がマララだ?」。男は彼女と友だちに銃弾を浴びせた
▼スワトは「東洋のスイス」と呼ばれた美しい地だった。だがイスラム原理主義勢力のタリバンが勢力を伸ばし、政府軍との戦場になった。十一歳だったマララさんは「矢車草」というペンネームで、ブログを書き始めた
▼戦火におびえる生活。女子教育を禁止するタリバンの支配下でも消えない学習への意欲。国内外で、反響を呼んだ。有名になったマララさんを、タリバンは標的リストに入れた。しかし、「怖いけど立ち向かっていく」と屈しなかった
▼スワトや隣接するアフガンでは、女子校が焼き打ちされたり、生徒らに硫酸がかけられる事件が絶えない。アフガン女性課題省で働いた経験がある、国際協力機構の久保田真紀子さん(43)は「それでも、タリバンの目を逃れひっそり開かれる寺子屋のような女子校が無数にある。声が出せなかった女性たちが、少しずつ声を出すようになっている」と話す
▼少女の容体は、危険な状態にある。マララという名は、侵略者との闘いで、戦士を鼓舞し続けた伝説の女性にちなむという。小さなヒロインの回復を祈る。 


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 タリバンから銃撃受けたパキスタン少女、歩けるまでに回復 
2012年 10月 20日 ロイター

[ロンドン 19日 ロイター] パキスタンでタリバン10+ 件勢力に銃撃されて重傷を負い、英国の病院で治療を受けていたマララ・ユスフザイさん(14)が、銃撃以降初めて歩けるまでに回復した。同病院の医師らが19日、明らかにした。
医師によると、ユスフザイさんは筆談が可能で、脳に損傷を受けているにもかかわらず、記憶にも問題はなさそうだという。危機を脱したわけではないものの回復の兆しを見せているとし、「今朝は助けを借りながら銃撃事件以降初めて歩いた」と話した。
タリバン10+ 件を批判するブログを書いて脚光を浴びたユスフザイさんは今月9日、下校するためスクールバスに乗っていたところ、頭部や首を撃たれた。医師の見立てによると、至近距離からの銃撃だったとみられている。


  
パキスタンでタリバン批判の14歳少女、下校途中に銃撃され重傷
2012年 10月 10日 ロイター

[ペシャワル(パキスタン) 9日 ロイター] パキスタン北西部のスワト渓谷で9日、イスラム武装勢力タリバンを批判するブログを書いて脚光を浴びた14歳の少女が、タリバン兵に銃撃され重傷を負った。
銃撃を受けたのはマララ・ユスフザイさん。警察によると、ユスフザイさんは下校するためスクルーバスに乗っていたところ、頭部や首を撃たれた。別の少女2人も負傷したという。
ユスフザイさんは、パキスタンのタリバン勢力の脅威にさらされた学校生活をブログでつづっていた。英BBC放送が報じた11歳の時のブログでは、「友達が私に『学校はタリバン10+ 件に襲われるの』と聞いてきた」「朝礼で、タリバン10+ 件が嫌うカラフルな服を着ないように言われた」などと書いた。
ブログの書き込みが評価され、ユスフザイさんは後に同国で最も栄誉ある市民賞を受賞。国際的な賞にもノミネートされた。
一方、タリバンの報道官は今回の犯行を認めた上で、「彼女(ユスフザイさん)は親欧米で、オバマ米大統領が理想のリーダーだとしていた」と批判。「彼女は若いが、パシュトゥン族が住む地域で欧米の文化を推進していた」と述べた。
これに対し、米国務省のヌランド報道官は「暴力を子どもに向けるのは野蛮な行為で、卑劣なやり方だ」と非難。「彼女や他の負傷者、家族らに対しお見舞い申し上げる」と話した。


 子どもの権利擁護活動の14歳少女、頭を撃たれ重体 パキスタン
AFPBBニュース 2012年10月10日 発信地:ペシャワル/パキスタン

【10月10日 AFP】パキスタンで9日、タリバンがスクールバスの中にいる14歳の少女の頭を銃で射ち重傷を負わせた。少女は、子どもの権利を守る活動で有名なマララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さんで、銃撃はこの活動に対する報復とみられるが、パキスタン国内に強い衝撃と少女を銃撃したタリバンへの憎悪が広がっている。
 マララさんは同国北西部のペシャワル(Peshawar)に空路搬送され、集中治療室で懸命の手当てを受けている。警察当局によると、事件では他にもスクールバスに乗っていた少女2人が負傷した。
 軍病院で診断を行った医師団は9日夜、マララさんは重体だと発表。ある医師はAFPの取材に「彼女は重体だ。弾丸は頭部を貫通し、肩の背中側、首のそばにとどまっている」と語った。この医師は「彼女は現在集中治療室で治療を受けており、意識はかすかにある程度だが人工呼吸器は取り付けられていない」と続け、今後3~4日間が峠だと語った。
 イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban Pakistan、TTP)」が犯行声明を出し、今回の事件はマララさんが同国スワト(Swat)地方で教育権を求める運動を行っていたことに対する報復であり、自分たちに反対する発言をする者は同様の運命をたどるだろうと述べた。
 2007年から2009年までスワト地方の大半を支配していたタリバンは、2009年7月の政府軍の掃討作戦で、一掃されたとみられていた。

■パキスタンの少女たちを勇気付けたマララさん
 3年前、イスラム教の強硬派聖職者マウラナ・ファズルラ(Maulana Fazlullah)師率いるイスラム教過激派がマララさんの通う学校を燃やし、スワト渓谷を恐怖に陥れた。当時11歳だったマララさんは、英国放送協会(BBC)ウルドゥー語(パキスタンの国語)放送のブログに匿名でタリバンの残虐行為を書き込んで国際的な注目を集めた。
 2011年、マララさんはBBCのリポートの中で自分の日記の抜粋を読み上げ、タリバン支配下の恐怖を伝えた。
「タリバンが昨日、女の子は学校に行くのをやめるべきだと発表したのでとても怖かった。今日は校長先生が全校集会で、明日から制服を着てこなくてもいい、女の子は私服で学校に来るようにと言った。今日学校に来た女の子は27人のうち11人しかいなかった」
 マララさんの行動はパキスタン北西部でイスラム過激派によって教育機会を奪われていた数万人の少女たちの共感を呼んだ。昨年マララさんはパキスタン政府から第1回の国家平和賞を授与されたほか、子どもの権利擁護団体「キッズライツ財団(KidsRights Foundation)」から国際子ども平和賞(International Children's Peace Prize)の受賞候補者にも選ばれた。(c)AFP/S.H. Khan



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10月19日(金)のつぶやき

2012-10-20 01:24:09 | 花/美しいもの

ブログ更新!「議会は「民意」がおきらい?」ちづこのブログNo.34 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/ueno/?p=2148

寺町みどりさんがリツイート | 12 RT

あす10月20日(土)から全国公開。映画『希望の国』園子温監督/震災後の日常描き続ける  goo.gl/8aqYi


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