みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

【悩みのるつぼ】Q認知症予備軍夫婦への助言を:A(上野千鶴子)簡単な方法は距離を置くこと/薄紫のセイヨウニンジンボクの花

2016-07-05 09:40:35 | ジェンダー/上野千鶴子
薄紫のセイヨウニンジンボクの花も咲きました。
花の少ない夏に、すすしげに長く咲き続けます。


 セイヨウニンジンボク(NHKみんなの園芸) 
セイヨウニンジンボクとは 
セイヨウニンジンボクは、花が少なくなる7月から、さわやかなスミレ色の花を咲かせます。生育旺盛で育てやすい落葉低木ですが、あまり栽培されていません。ハマゴウ属には約250種が含まれ、主に熱帯に分布します。
日本にもハマゴウ(Vitex rotundifolia)、ミツバハマゴウ(V. trifolia)が自生します。このなかで、寒さにも強く、花が美しいことから栽培されるのが、セイヨウニンジンボクです。
花には芳香があり、葉にも香りがあり、開花期も非常に長いのが特徴です。樹高は3mほどになり、枝も広く張るため、栽培するには多少広い場所が必要ですが、開花時にはひときわ目立ちます。葉は、5~9枚の手のひら状になり、花のない時期でも楽しむことができます。
なお、ニンジンボクの名は、この葉が、チョウセンニンジン(Panax ginseng)に似ることに由来します。
半日程度は日が当たる場所から日なたで、寒風が当たらず、水はけのよい場所であれば、特別な管理をしなくても、毎年よく花を咲かせます。 

セイヨウニンジンボクの育て方


切り戻した二番花のバラ
  


応援クリック 人気ブログランキングへ してね 

話しは変わりますが、
土曜日の朝日新聞beの「悩みのるつぼ」の、
先週の回答者は上野千鶴子さんでした。
「認知症予備軍夫婦への助言を」の当事者には
ちとはやいのですが、他人事ではありません(笑)。

 【悩みのるつぼ】認知症予備軍夫婦への助言を
2016年7月2日 朝日新聞be

 ●相談者 男性 81歳
 私は81歳、妻は78歳、ふたり暮らしの夫婦です。近くに親戚はおりません。

 私たちは検査などで認知症と判断されたことはありませんが、それぞれの最近の日常生活および、ふたり一緒の生活を振り返ってみると、私たちは明らかに、いわゆる認知症の予備軍に接近しつつあることを感じています。

 短期、長期の物忘れ、持続するうつの状態、ささいなことへの怒りの爆発、ぎこちないふたりの間のコミュニケーション、お互いに対する思いやりの不足、時にはいわれのない嫌悪感の表出、徘徊(はいかい)(家出?)への誘惑感など……。これらは、明らかに認知症的夫婦の不幸な関係の現れと言わざるを得ません。

 以前は、このような関係では決してありませんでした。

 ふたりともなんとかしてこの意識的、無意識的な逆境から脱出したいと苦闘しておりますが、具体的な方策が見当たらないのです。

 最近、マスコミで高齢化社会が抱える問題として、認知症が取り上げられることが多いと思いますが、片方だけではなく、夫婦それぞれふたりともが日常的にこの問題をシェアしているようなケースに焦点があてられることは、あまりないように思います。

 今後どうしたらいいか、何か解決のきっかけとなるご助言をいただければ幸甚です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ○回答者 社会学者・上野千鶴子 
簡単な方法は距離を置くこと


 目からウロコ、のご相談でした。老老介護、認認介護については問題にされてきましたが、夫婦がふたりとも健康に暮らしているあいだは、行政も地域も問題ないものと見なしてきました。ですが、ふたりでいるからこそ、起きる問題もあるのですね。「以前はこのような関係では決してありませんでした」とおっしゃる反省的意識は十分に知的ですし、予備軍とはいえ認知症とは思えませんが、危機感はひしひしと伝わります。

 大阪の開業医、辻川覚志さんは『老後はひとり暮らしが幸せ』(水曜社、2013年)で、データにもとづき、ふたり暮らしの生活満足度がもっとも低いと実証しておられます。あいだに緩衝材がないふたり暮らしは、加齢に伴い、お互いに許容限度が下がったり気が短くなったりして、相手がいることがストレス要因になるんでしょうね。精神科医の高橋幸男さんは、独居の認知症者のほうが、同居の認知症者よりも穏やかに暮らしているという発見をしておられます。独居者には自分を否定する同居者というストレスがないからです。このままどちらかの認知症が進んで一方が他方を介護する関係になると、ストレスが高じて虐待も起きそう。おおこわ。

 いちばん簡単な方法は、ストレス源を視界からなくすこと。距離を置いて、接触を必要最小限に。家が十分に広ければ家庭内別居をしてください。あるいは一方が高齢者住宅や施設に移転するか。DV夫に怯(おび)えて暮らしていた高齢の妻が、要介護になって施設入居してから、初めて夜ぐっすり眠れた、という例もあります。それともできるだけ日中は出歩いて、顔を合わせないようにするか。公共図書館やコミュニティーカフェは、「きょういく(今日行く)」と「きょうよう(今日用)」を求める高齢者の「避難場所」になっています。

 もうひとつの方法は、ふたりのあいだに緩衝材を置くこと。辻川先生も同居家族がふたりより3人、さらに4人のほうがより満足度が高まる、と指摘しておられます。出て行った娘か息子に帰ってきてくれるように頼むか、あるいは猫か犬を飼うか。とはいえ、家族が増えるとその分お悩みも増えるので、辻川先生の結論は「老後はひとりぐらしが一番!」。なにしろエビデンスがあるから説得力があります。夫婦といえども他人は異文化、異文化はストレス……あたりまえのことです。それに耐えるのは愛があるあいだだけ、なんですよね。


最後まで読んでくださってありがとう
  クリックを

 記事は毎日アップしています。
明日もまた見に来てね
  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする