みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

ノーベル平和賞 性暴力の撲滅へ行動を/強姦被害者支援の活動家2人にノーベル平和賞/世界は性暴力の根絶へ

2018-10-07 14:00:34 | ほん/新聞/ニュース
名古屋での「第2回 市民派女性議員になるための選挙講座2018」が終了しました。

10.6~7第2回市民派女性議員になるための選挙講座2018/質疑中のどあめ、懲罰 熊本市議会 緒方議員出席停止に [熊本県]

昨日出かけるときに読んだ新聞のトップ記事は、
性暴力の根絶の活動をしているふたりが、
ノーベル平和賞に選ばれたという記事。

朝日新聞と中日は社説も、
「ノーベル平和賞 性暴力の撲滅へ行動を」
「ノーベル平和賞 世界は性暴力の根絶へ」。

みえにくい性暴力被害者に光があたったこと、よかったです。

下書きに入れてきたノーベル平和賞の関連の記事を紹介します。

  社説:ノーベル平和賞 性暴力の撲滅へ行動を
2018年10月6日 朝日新聞

 紛争の下で用いられるのは、銃や爆弾だけではない。地域社会を破棄する「兵器」として、レイプなどの性暴力が使われている。
 世界史を通じて繰り返されてきた蛮行は、21世紀のいまなお後を絶たない。その現実に真剣な目を向け、行動をおこす契機としたい。
 今年のノーベル平和賞が、アフリカの医師と中東の女性に贈られることが決まった。ともに戦時下の性的虐待と闘う勇気と貢献がたたえられている。
 コンゴ民主共和国の婦人科医デニ・ムクウェゲさん(63)は長年、被害女性の治療に尽力している。犠牲者600万人超ともいわれる内戦のなかで、弱者の救済に半生をかけてきた。
 イラクのナディア・ムラド・バセ・タハさん(25)は、少数派のヤジディ教徒だ。過激派組織「イスラム国」(IS)に家族を殺され、自らも「奴隷」とされたが、九死に一生を得た後は果敢に世界に告発を続けた。
 異民族の対立や、利権争い。紛争の背景が何であれ、戦乱でまず犠牲になるのは女性や子どもらだ。アフリカの性暴力は、必ずしも欲求を満たすためだけではなく、わざと感染症を広げたり、子供を産めなくさせたりするためでもあるという。
 「民族浄化」という、おぞましい言葉は近年広く使われる。90年代のボスニア・ヘルツェゴビナ内戦をはじめ、最近ではミャンマーの少数派ロヒンギャが集団で迫害され、多くの性被害がおきているとされる。
 ノーベル委員会は授賞の理由として、世界の意識向上をめざしたという。紛争当事者だけでなく、見過ごしてきた国際社会の責任も問い、犯罪を終わらせる目標を呼びかけた。
 「(各国の)経済的繁栄の裏には、人生を破壊されている無数の女性がいることを知ってほしい」。ムクウェゲさんはそう語ったことがある。中東やアフリカに資源を頼りながら、その地の人間の苦難に思いをはせない国際社会の視野の狭さを考えずにはいられない。
 日本を含む国際社会は、もっと現実を直視するべきだろう。シリア、イエメン、南スーダンなど、いまも収拾が見えない戦乱の下には、見えない性暴力や人権侵害が膨大にある。
 国連を中心とする国際機関を通じた貢献策を、もっと広げられないか。紛争の停止をめざす国際調停と並行して、日本には医療ケアなどの人道支援に力を注ぐ余地があるはずだ。戦争犯罪を罰する国際司法の取り組み強化も求められている。 


 社説:ノーベル平和賞 世界は性暴力の根絶へ 
2018年10月6日 中日新聞

 性暴力を根絶する強い意志をきっぱりと示したノーベル平和賞だった。人間の所業とは思えぬ暴力が伝えられる。受賞者二人の勇気にならって実態を直視し、根絶のためにできることを考えたい。
 「女性の体が戦場になっている」。コンゴ(旧ザイール)で性暴力被害者の治療を続け受賞が決まった医師デニ・ムクウェゲさん(63)は二年前、来日して訴えた。
 コンゴでは部族対立や周辺国の介入で紛争が拡大。村を襲った武装勢力は女性を次々レイプした。
 ムクウェゲさんは病院や相談所をつくり、五万人以上を治療し、精神的なケアをしてきた。
 紛争のもととなっているのは金、スズ、タンタルなど豊かな鉱物資源だ。携帯電話やパソコンなどに利用される。私たちの便利な生活につながっていることを忘れてはならない。紛争地の鉱物は使わないよう徹底したい。
 もう一人の受賞者ナディア・ムラドさん(25)は、過激派組織「イスラム国」(IS)に性奴隷として捕らわれていた。ISが目の敵にしたイラクの少数派ヤジド教徒。兄弟らは殺された。脱出してドイツに逃れ、国連親善大使となり、ISの非道を訴えている。授賞理由は「沈黙を強いる慣習を拒否し、被害者代表として語った」と勇気をたたえた。
 戦時の性暴力はこれまでも各地の紛争で続いてきた。一九九〇年代のボスニア・ヘルツェゴビナ内戦では「民族浄化」を名目にした集団レイプが起きた。ミャンマーのイスラム教徒少数民族ロヒンギャ迫害でもミャンマー国軍が主導したレイプが報告されている。
 共通しているのは、女性にとって「魂の殺人」であるレイプが敵制圧の一つの手段とされていることだ。住民に恐怖心を植え付け、抵抗する気力を失わせ奴隷状態にすることも狙いという。
 二人の受賞決定は、被害者の尊厳を奪い、加害の側の人間性も奪う、戦争の非人道性をあらためて突きつけている。
 紛争地だからといって、人間の尊厳がおろそかにされていいわけはない。二人の訴えに真剣に耳を傾け、国際社会を挙げ性暴力根絶に取り組みたい。
 今回、性暴力根絶に光が当てられた背景には、性被害を告発する「#MeToo」(「私も」の意)運動の世界的なうねりがある。沈黙を破った女性たちの勇気が、社会を変え、平和につながることをあらためて願う。 


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  強姦被害者支援の活動家2人にノーベル平和賞
2018年10月5日 BBCニュース

ノルウェーのノーベル委員会は5日、強姦被害者を支援する活動家、ナディア・ムラド氏とデニ・ムクウェゲ医師にノーベル平和賞を授与すると発表した。
ムラド氏はイラクの少数派ヤジディ教徒で、過激派「イスラム国」(IS)に拷問、強姦された後、脱出し、ISに捕らわれたヤジディ教徒解放に奔走した活動家。現在は国連親善大使として人身売買被害者の救済のため活動し、強姦など性暴力が戦争の武器として使われる現状に対して国際社会として取り組むよう訴えてきた。
婦人科医のムクウェゲ医師は、紛争の続くコンゴ民主共和国東部で強姦被害者の治療に取り組み、戦闘行為としての性暴力による重傷の治療法を確立してきた。
オスロで受賞者を発表したノルウェー・ノーベル賞委員会のベリト・レイス=アンデルセン委員長は授賞理由について、両氏は「戦争の武器として性暴力が使われるのを終わらせようと努力してきた」ことを挙げ、両氏が「そのような戦争犯罪について社会が認識し、戦っていくよう、重要な貢献」を果たしたと称えた。
「私たちの被害を世界に見てもらいたい」
ムラド氏は3カ月にわたりISに性奴隷として扱われ、繰り返し売買され、性暴力を含め様々形で虐待された。
2014年11月に脱出した後、ヤジディ教徒の人身売買を終わらせるために活動家となり、戦闘手段としての強姦に厳罰を適用するよう国際社会に呼びかけるようになった。
ISから脱出して間もないムラド氏を取材したBBCペルシャ語のナフィエ・コナバルド記者は、ノーベル平和賞の発表後、当時の写真をツイートした。
記者は写真と共に、「私はナディア・ムラドがモスルを脱出した翌日に、彼女と会った。匿名でインタビューを撮影することもできると伝えたが、彼女はそれを断った。『いいえ、私たちがどういう目に遭ったのか、世界に見てもらいましょう』と言って。その彼女は今や、ノーベル平和賞受賞者だ」と書いた。

ラド氏は2016年、欧州評議会からバーツラフ・ハベル人権賞を授与され、受賞スピーチではISによる犯罪を国際裁判所に裁いてもらいたいと呼びかけた。
同年には、人身売買被害者の救済を訴える国連親善大使に選ばれた。
3万人の強姦被害者を治療
ムクウェゲ医師は、女性への性暴力が戦闘行為の一貫として行われるコンゴ民主共和国で、同僚たちと共に強姦被害者を治療してきた。患者の人数は約3万人と言われる。被害者の多くは、性器など身体に深刻な重傷を負っている場合が多く、ムクウェゲ医師は再建手術などの治療法を確立し、被害者に提供してきた。

008年の国連人権賞など様々な賞に選ばれ、2008年にはナイジェリア紙が選ぶ「今年のアフリカ人」に選ばれたほか、2014年には欧州議会が優れた人権活動家に贈る「思想と自由のためのサハロフ賞」を受賞した。
国連平和維持部隊の警護を受けながら、コンゴ東部ブカブのパンジー医院で生活している。戦闘行為としての強姦を厳しく取り締まるよう、国際社会に呼びかけてきた。
(英語記事 Nobel Peace Prize for anti-rape activists Nadia Murad and Denis Mukwege) 


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10月6日(土)のつぶやき

2018-10-07 02:01:19 | 花/美しいもの
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