みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

10月20日(日)のつぶやき

2013-10-21 01:11:04 | 花/美しいもの

明日仙台から帰ってから日テレの深夜ドキュメント見なきゃ。熊谷さんと綾屋さんが登場! ntv.co.jp/document/

寺町みどりさんがリツイート | 6 RT

解雇特区(雇用規制緩和特区)見送り/「雇い止め」着地点どこに 改正労働契約法施行から半年(上) blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…


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解雇特区(雇用規制緩和特区)見送り/「雇い止め」着地点どこに 改正労働契約法施行から半年(上)

2013-10-20 17:13:14 | ほん/新聞/ニュース
3日前からの風邪がすっきり治らなくて、セキが止まりません。

最初は乾いた咳だったので麦門冬湯を飲んだのですが、
今は痰がからんだ湿った咳になってきました。

もともと呼吸器が弱いのですが、やはり弱いところをねらいうちするみたいですね。
明日は市民派議員塾の仕事があるので、今日もソファに丸くなっておとなしくしていました。
うーん、困りました。

安倍政権がだしてきた「解雇特区」(雇用規制緩和特区)は、
政府内でも反対が強く、見送りになったようです。

「解雇特区」と「雇用」関連で集めてあった記事を、
まとめて紹介します。

  解雇特区、事実上見送り 政府内も対立、二転三転 
2013年10月19日 朝日新聞

 【山本知弘、清井聡】安倍政権が成長戦略の柱の一つとする「国家戦略特区」の規制緩和メニューが18日、決まった。焦点の「解雇ルールの明確化」は緩和色が大きく後退。解雇トラブルの事例をまとめた「雇用契約の指針」を政府がつくり、企業に助言する案に落ち着いた。政府内の意見対立もあって特区案は二転三転。当初の「解雇特区」は事実上、見送りになった。

 「特区全体の評価は90点。雇用は82、83点と思っている」。18日夕に会見した特区ワーキンググループ(WG)の八田達夫座長(阪大招聘(しょうへい)教授)は焦点の雇用で合格点をつけた。とはいえ、日本経済再生本部(本部長・安倍晋三首相)が決めた雇用の特区案は、当初のWG案から大きく変わった。

 当初案は(1)解雇ルール(2)労働時間法制(3)有期雇用制度の3点を見直し対象とした。外国企業の誘致などに「不便な規制」を外すためで、安倍首相も「実現に向けて検討を」と指示した。

 しかし、田村憲久・厚生労働相が「憲法上、特区内外で労働規制に差をつけられない」と慎重姿勢を崩さなかった。WGは作業の遅れから(2)の労働時間を特区構想から外した。

 焦点の「解雇ルールの明確化」も変わった。当初案では、特区で定めた指針に合えば、労使の契約が裁判官の判断を縛ることにしていた。だが結局、政府が判例をもとにした「雇用契約の指針」をつくり、個別契約が指針に沿うかを助言することで決着した。

 一方、有期契約は全国規模で見直しを始める。5年超で無期転換権が発生するのを延長。例えば、2020年の東京五輪のプロジェクトに向け、通算で5年超雇われた人でも権利が発生しない。企業は雇い止めができない無期転換への警戒感も強いからだ。

 5年ルールは今年4月に始まったばかりだが、厚労省が特区内外でルールに差はつけられないとするなか、全国一律での見直し案が浮上。厚労省幹部は「ギリギリの選択だった」と振り返った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 雇用規制緩和特区、断念へ…厚労省の反発に配慮 
2013年10月17日 読売新聞

 政府は16日、成長戦略の柱に位置づける「国家戦略特区」で導入する規制緩和について、焦点となっていた「解雇ルール」など、検討してきた雇用に関する全3項目を見送る方針を固めた。

 安倍首相は16日、首相官邸で菅官房長官、甘利経済再生相、新藤総務相と協議し、こうした方針を大筋で了承し、詳細を詰めるよう指示した。

 地域を限定して大胆に規制緩和を進める「国家戦略特区」での緩和項目を巡っては、政府の国家戦略特区ワーキンググループが選定作業を進めてきた。

 雇用については、外国企業や新興企業が進出しやすくすることを目的に、〈1〉労働者と経営者間で解雇の条件を事前に契約書面で決める「解雇ルールの明確化」〈2〉有期契約で5年超働いた労働者が本来、無期契約を結べる権利をあらかじめ放棄できる「有期雇用の特例」〈3〉一定水準以上の収入がある人の残業代をゼロにできる「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入を視野に入れた「労働時間ルールの特例」――を提案した。

 いずれも労働者の権利保護を掲げた労働契約法などを根本から覆す内容で、厚生労働省は「労働規制は全国一律でなければ企業競争に不公平が生じる」などと反発してきた。野党からも「解雇特区」などとして、臨時国会で政府に対する攻撃材料にしようとする動きが強まっていた。
(2013年10月17日03時22分 読売新聞)


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 解雇の規制緩和見送り 国家戦略特区で政府方針
2013年10月18日 東京新聞

 政府は十七日、地域限定で規制を緩和する「国家戦略特区」で、解雇の条件や手続きを明確化し、従業員を解雇しやすくする制度の導入を見送る方針を固めた。厚生労働省が「雇用ルールを特区だけで変えるべきではない」と反対し、野党や労働組合が「解雇特区だ」と反発したことなどに配慮した。

 一方、外資系やベンチャー企業向けに、雇用ルールの相談に応じる組織を特区内で整備する。解雇などのルールが分かりにくいとの指摘があり、相談体制の整備で進出を促す。

 政府の国家戦略特区の作業部会は、解雇条件の明確化などを求める「労働特区」を提案していた。解雇規制の緩和見送りが固まったことで、難航した「労働特区」は決着。当初案より大幅に縮小することになった。

 労働特区では相談体制充実のほか、解雇紛争の判例を分かりやすくまとめた事例集を作り、企業に情報提供することで紛争防止に役立てる仕組みを導入する。 


 解雇特区、限定正社員… 雇用でも企業優先 安倍政権 
2013年10月12日 東京新聞

 安倍政権が労働者の解雇ルールや派遣労働の規制緩和を目指した議論を本格化させている。十五日召集の臨時国会には「解雇特区」と批判される制度創設を含む国家戦略特区法案の提出を予定。ほかにも「限定正社員」導入や日雇い派遣復活を検討している。安倍政権は消費税増税をにらみ、具体策で成長戦略を裏付けたい考えだが、雇用政策でも企業側優先の姿勢を鮮明にしている。 (金杉貴雄)

 政府の規制改革会議の「雇用ワーキンググループ」(座長・鶴光太郎慶応大学教授)は十一日、残業代を事前に決めた範囲で打ち切る「裁量労働制」の導入など、労働時間の規制緩和に向けた議論を始めた。政権への提言を「ミッション(使命)」(事務局)として具体化を進める。

 首相は、成長戦略の一環として「企業が世界で最も活動しやすい環境をつくる」と主張。税制では、東日本大震災の復興特別法人税を前倒しで廃止する検討に入り、法人税の実効税率引き下げにも前向きな姿勢を示しているが、雇用政策でも企業が恩恵を受ける検討項目がめじろ押しだ。

 国家戦略特区法案は、開業五年以内の企業などが従業員を解雇しやすくなる制度が柱の一つ。政府は「雇用特区」と名付けたが、規制緩和に批判的な有識者らは「解雇特区」と呼ぶ。

 解雇ルールでは、正社員より解雇しやすい限定正社員や、不当解雇を職場復帰でなく金銭で解決できる制度の創設を議論している。第一次安倍政権で検討されたが「残業代ゼロ法案」と批判されて導入を見送った「ホワイトカラー・エグゼンプション」の実現を求める声もある。

 こうした政策が実行に移されれば、使い勝手の良い労働力を利用して業績を伸ばす企業が出てくるかもしれないが、働く側にとっては不安定さが増す。

 二〇〇〇年代前半に小泉政権が進めた規制緩和で「派遣切り」が社会問題化するなど「格差」が拡大。民主党政権で、日雇い派遣を原則禁止する改正労働者派遣法が成立するなど規制緩和に一定の歯止めがかかった。

 安倍政権は再び緩和路線に傾いている。来年の通常国会では、関係法案が次々と提出されることも予想され、労働界などに「労働者の人権がないがしろにされかねない」と懸念の声が強まっている。 


  「雇い止め」着地点どこに 改正労働契約法施行から半年(上)   
2013年10月18日 中日新聞

◆ハウス食品元嘱託社員ら、雇用継続求め団交
 ハウス食品に雇われ、全国のスーパーなどで商品の陳列や補充を担う「店舗フォロー業務」に携わってきた嘱託社員八十九人が、営業体制の改革のために九月末で一斉に雇い止めとなった。一部の人は「ハウス食品ユニオン」を結成し、今年四月に施行された改正労働契約法を盾に同社と団体交渉を続けているが、双方の主張は平行線のまま。リストラの調整弁になるリスクを負いながら働く、非正規労働者の問題を二回に分けて考える。

 「雇用を守るのは正社員だけなんですね」

 「私たちは弱い立場。それでも社員と一緒に二十年も仕事をやってきました。一斉の解雇ではなく、もう少し大事にすべきじゃないですか」

 九月下旬、東京都内にあるホテルの会議室で開かれた団体交渉。これまで長期にわたり、反復更新されてきた雇用継続を求め、嘱託社員の女性らの訴えが響いた。

 店舗フォローは、主に量販店に特化した限定職種。商品販売スペースの確保など来店者の視点を生かした販売促進を担う。ハウス食品は、十月からの持ち株会社体制移行に伴い、営業体制を大幅に変革。通信販売の増加など、顧客の買い場の多様化に対応した営業活動をするため、店舗フォローの外部委託を決めた。

 嘱託社員に「最終の雇用契約」が告げられたのは半年前の三月下旬。委託先へ再就職後の一年間は給与などの待遇を維持するとし、その後は個人事業主として働くことに。安定収入が見込めなくなるため、二十人が「一方的な切り捨ては不当」と、四月に労組を結成し、従来と同条件での雇用継続を求めて、団体交渉を続けてきた。

 これに対し、社側は「九月末で、この嘱託の仕事はなくなる。それ以外の解決策を」と繰り返した。結局、契約終了に伴う金銭補償や、委託会社での仕事の待遇についての話は、計八回の団交でほとんど進まず、雇用について「ゼロか百か」の議論は、ついにかみ合わなかった。

 「皆それぞれ家庭の事情を抱えている。個人事業主になるなんて、とても対応できない」。勤務二十三年の女性(50)は、不安を募らす。住宅ローンを抱えた男性や、大学受験を控えた子のいる母子家庭も。嘱託社員の相談を受け、団交を支援している派遣ユニオン(東京)の関根秀一郎書記長は、「雇用継続は全く検討されず、事実上の団交拒否だ」と非難する。

 ハウス食品は、嘱託での雇用継続ができない代わり、契約終了後の激変緩和策を提示。当初、委託先への再就職後の待遇を一年間維持するとしていたが、二年間に延長した。委託先への再就職を希望しない場合でも、規定の退職慰労金を積み増して対応する方針。だが、雇用継続をめぐっては両者の溝は深いままだ。

◆“合理的理由”めぐり対立
 雇用継続を求める労組側は、改正労働契約法の一九条で認める労働者の権利を主張。有期契約を反復更新している場合、使用者は合理的な理由なく雇い止めができないと、規定されているからだ。

 しかし、ハウス食品は「嘱託社員の契約終了は、商品の販売環境の変化に対応するための、新たな営業体制の構築によるもの。単なる期間満了による雇い止めではない」と反論する。十分な合理性があり、法には抵触しないという考えだ。

 同法は雇い止めの理由について、「社会通念上相当である」ことを求めているだけで、具体的な判断の規定そのものはあいまいになっている。

 さらに、こうした論点を法的に集団で争うことの課題もある。企業の労働法務に携わる弁護士は、「雇用の継続を求める訴訟では、労働者の契約実態について、それぞれ個別に判断するため、対象者の多い今回の事例では、現実的ではない」と指摘する。お金と時間と労力をかけて個人で裁判するほど、元嘱託社員たちの生活に余裕はない。

     ◇
 袋小路に入って追い詰められる非正規労働者たち。その背景にどんな要因があるのか、より良い選択肢はないのかを、次回(二十五日付)考える。
(林勝)


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10月19日(土)のつぶやき

2013-10-20 01:09:51 | 花/美しいもの

WANの女たちがみる――『女たちの都~ワッゲンオッゲン~』 | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=124…


教育委員会 政治からは遠ざけよ/教科書是正要求 現場に根差す採択制を goo.gl/5QzdUP


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教育委員会 政治からは遠ざけよ/教科書是正要求 現場に根差す採択制を

2013-10-19 21:17:24 | ほん/新聞/ニュース
北海道からのおいしい秋サケが出回るようになったので、
いろんな野菜を入れて、生秋サケのチャンチャン焼きをつくりました。

   
先に鮭の両面を少しのオリーブオイルで焼いて、いったん取り出し、
そこに野菜をどっさり入れてその上に鮭をのせて蒸し焼きにするだけ。
かんたんでおいしい料理です。

  

生のカツオの刺身は好きじゃないので食べないのですが、
カツオの生節は食べられます。
   
生わかめを敷いて、生姜のだし醤油で「いただきまーす。」

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昨日は朝から喉が痛くて寒気がしてたのですが、
市民派議員塾の課題のレジメの提出期日だったで、
一日、体調の悪さをガマンしながらのお仕事。

で、きょうは早朝ウォーキングを休んで休養日、
一日寝たり起きたり。

5紙届いている朝刊ものんびり隅から隅まで読みました。
関心があった、教育委員会の在り方を中日新聞社説で、
教科書採択問題を毎日新聞の社説で見つけました。

  【社説】教育委員会 政治からは遠ざけよ 
2013年10月19日 中日新聞

 教育委員会の在り方を話し合う中央教育審議会が二通りの改革案を示した。最大の焦点は教育行政の決定権を首長に移すか、教委に残すかだ。時の政治的思惑に左右されかねない首長案では危うい。

 最近のいじめや体罰、子供の自殺といった問題は、教委のふがいなさを露呈させた。事なかれ主義や隠蔽(いんぺい)体質が厳しく問われた。

 非常勤の委員による合議は形骸化し、危機管理の機能が損なわれている。代表者の教育委員長と事務を取り仕切る教育長が併存し、責任の所在が曖昧だ。多くの欠陥が指摘された。

 政府の教育再生実行会議は四月、民意を担う知事や市町村長が教育長を選び、教育行政の現場責任者に据えると提言した。中教審の議論はここから出発している。

 首長が抜てきする教育長に責任を委ねる仕組みでさえ、現場の不偏不党が保てるのか気になる。それなのに、中教審では首長を教育行政の「執行機関」として決定権を与える案が有力視されている。

 この首長案では、教委は首長の「付属機関」とされて独立性を失う。諮問に答申したり、建議や勧告をしたりする存在に格下げされる。学校教育の政治的な中立性が脅かされる恐れが強まる。

 現下の教委ですら首長からの独立を貫くのは容易ではない。

 静岡県の川勝平太知事は九月、全国学力テストの成績下位校の校長名を公表すると言い出した。大阪市の橋下徹市長は一月、体罰自殺のあった桜宮高校の体育系学科の入試の中止を求めた。

 どちらの教委も異を唱えた。静岡県では上位校の校長名の公表に、大阪市では普通科に振り替えての入試に、押しとどめた形だ。

 もとより首長が代われば考え方も変わる。選挙のたびに方針が揺れ動くような環境は、子供の成長にとって百害あって一利なしだ。

 憲法や歴史、道徳、原子力といった多様な意見を伴う分野での介入も許しかねない。過去の軍国主義教育への反省に立った教委制度の理念をゆがめてはならない。

 もう一つの案では教委を「執行機関」として残すが、教育内容や教科書採択などの重要事項に限って決定権を持たせる。首長からの距離は保てそうだが、教育長への強い歯止めが欠かせない。

 松江市で八月、漫画「はだしのゲン」の学校での閲覧制限が問題化した。教育長の判断だった。予算を握る首長に教育長の任免権まで認めるとすれば、教委機能の向上と強化の手だてこそが肝心だ。 


  社説:教科書是正要求 現場に根差す採択制を 
毎日新聞 2013年10月19日 

 残念な「初例」になった。

 中学の公民教科書をめぐり、沖縄県八重山採択地区の竹富町教育委員会が地区協議会で決定したものとは異なる教科書を使っている問題で、下村博文文部科学相が沖縄県教委に対し、竹富町教委へ是正要求するよう指示した。

 地方自治法に基づく措置だが、教育行政では前例がない。

 複数の市町村で構成する義務教育教科書の採択地区の場合、教科書は協議会で決定したものに統一する。教科書無償措置法が定める。

 2012年度から使用する公民について、竹富のほか石垣市、与那国町で構成する八重山地区協は保守色が強いとされる育鵬(いくほう)社版の教科書を採択したが、竹富は拒み、独自に東京書籍版を使うことにした。

 根拠としたのは、教委に採択権を認めた地方教育行政法である。

 文科省はこの2法は一体的に矛盾なく運用されるものとしているが、明快ではなく、下村文科相は法改正も考えるという。

 こうした法の不備に今回の混乱の一因があったというべきだが、それだけが本質的な問題ではない。

 国定教科書が廃止され、検定制度に移った戦後、学校ごとなどに教科書が選ばれた時期もある。だが、学校や地域によっては教員への負担が大きく、十分な調査研究ができない▽教科書会社の売り込みが個別に激しくなり、寡占化を生みかねない▽非効率的である−−などを理由に、1963年の教科書無償化とともに現行のように共同採択(広域採択)制が取り入れられた。

 これを見直すべきだという意見は少なくない。例えば、96年、政府の行政改革委員会は規制緩和の一環として教科書採択制度の改善を提言している。

 それによると、基本は各学校の教育課程にふさわしい教科書を学校自ら採択することであり、必要があれば共同研究をする仕組みを工夫することで問題は解決される。

 また、採択の形態と業者の過剰な売り込みに直接関連はなく、不公正への対処はできる。寡占化の懸念も、むしろ採択の広域化が原因になるという指摘もある。言い換えれば、広域採択の理由とされてきたものが、必ずしも合理的ではないということだ。

 主たる教材である教科書は、学校の個性的で多様な教育に、よりマッチしたものを現場の目で選ぶべきだという考え方が底にある。

 法を改めて「再発防止」を図るよりも、それぞれの現場に根差した採択のあり方を熟慮、熟議する契機とすべきではないか。

 今回の措置に伴う協議でも、実りある論議が広がることを望む。


(どうする教育委員会:上)強まる首長の影響力(2013年10月16日 朝日新聞) 

(どうする教育委員会:下)国の改革案 課題は?(2013年10月16日 朝日新聞)


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10月18日(金)のつぶやき

2013-10-19 01:09:01 | 花/美しいもの

カジノ解禁反対論も 「日本は既にギャンブル大国」/あまーい!山県特産「利平栗」の蒸し栗 blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…


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カジノ解禁反対論も 「日本は既にギャンブル大国」/あまーい!山県特産「利平栗」の蒸し栗

2013-10-18 20:01:39 | ほん/新聞/ニュース
10月の初めにもらって、冷蔵庫のチルドに入れて甘みが増した利平栗を、
「ためしてガッテン」の方法で蒸しました。

使うのは土鍋。
底に水を入れてスノコを敷いて、
取り出しやすいように日本手ぬぐいでふんわり包んで蒸します。



まず沸騰して湯気が出て1分したら火を止めて、
約10分そのまま置いておきます。
その間に甘みが増すそうです。

その後、また火をつけて4~50分蒸します。
火を止めたらそのまま冷めるまで放置。

栗の上でいっしょに蒸した鳴門金時。 
サツマイモの方が早く火が通るので、先に取り出しました。

皮がはじけて、 
とってもあまーい蒸し栗ができました。


蒸す前に2時間ほど水に浸けたので、鬼皮が軟らかく、
渋皮もきれいに剥けました。





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話しは変わりますが、
昨日の中日新聞の生活面に、白井さんの
カジノを解禁するための法案に批判的な記事が出ました。

山県市特産の「利平栗」のことを記事にしてくださったのも、白井さんでした。

  カジノ解禁反対論も 「日本は既にギャンブル大国」  
2013年10月17日 中日新聞

 十五日に開会した臨時国会では、カジノを解禁するための法案が本格的に審議される可能性がある。推進論の政治家らは「観光客が増える」「経済効果が大きい」などと強調するが、いわゆるギャンブル依存症の人が増えてしまう、といった反対論も強い。

 多重債務者の救済活動に取り組んできた法律家や市民団体幹部らは、カジノ解禁に強硬に反対している。ギャンブル依存が原因の借金地獄の怖さを知っているからだ。

 中部地方の多重債務者支援団体の六十代の男性幹部は、自身がギャンブル依存症だった。四十代のときパチンコにのめり込んだ。勤め帰りに酒場に通ってアルコール依存症に。酒をなかなか断ち切れず、はけ口をパチンコに求めた。

 家族に内緒で借金。「このままではまずい」と思いつつもパチンコがやめられず、借金の総額は五百万円ほどに。自宅も借金の担保に差し出した。返済困難になって自宅が競売にかけられそうになり、借金の一部は親族に肩代わりしてもらった。残りは簡易裁判所の特定調停手続きで返済負担を軽くし、何とか完済した。「妻に謝り続けました」

 多重債務者を支援する側に回った後は、ギャンブルがもとで借金を重ねる人の相談を数多く受けた。内緒の借金が家族にばれ、生活が困窮する中、家族関係が壊れるのが典型的なパターン。法的手続きで債務を減らしても、ギャンブルがやめられない人がいるなど、解決は難しい。

 自殺しようかと考える人もおり、「ギャンブル資金ほしさで勤め先の金を横領した」といった話も珍しくない。競馬、競輪など公営ギャンブルにはまる人もいるが、比率はパチンコやパチスロの方が圧倒的に高いという。

 厚生労働省の研究班は二〇〇八年、成人を対象にさまざまな依存症についてのアンケートを実施。四千百二十三人から回答を得た。ギャンブル依存症の推定の有病率は男性9・6%、女性1・6%。「あくまで暫定値」と断っているものの、国内では五百万人以上がギャンブル依存症者という計算になる。

 ギャンブル問題にくわしいジャーナリストの若宮健さん(73)は「日本は既に世界一のギャンブル大国。さらにカジノを解禁して国民をギャンブル漬けにするのはとんでもない」と断じる。

◆韓国では国民の利用制限
 若宮さんが依存症との関連で注目するのが韓国。公認されたカジノ施設が各地にあるが、国民が利用できるのは江原(カンウォン)道にある江原ランドだけ。この施設の利用客は多いが、依存症者増加の弊害が目立っている。朝から開店を待つ人がずらりと並ぶ光景に若宮さんは目を見張った。

 日本でカジノを解禁する場合でも、国民の利用を制限するかどうかという論点は出てきそうだ。また、思惑通りに多くの客が来るかどうかも定かでない。

 若宮さんはカジノブームに沸くマカオも視察。若者たちの多くが華やかなカジノ施設に就職し、カジノ利用客ら向けの女性のサービス業が盛んになっているなどの実態を見て回った。カジノについては、風紀面の問題はついて回る。

 ギャンブル依存症問題に取り組む法律家らでつくる「依存症問題対策全国会議」はカジノ解禁反対を訴える集会を相次いで開催。依存症や風紀の問題以外にも、「暴力団の資金源にならないか」「治安が悪くならないか」といった懸念が強いと強調している。

◆カジノ解禁をめぐる主な論点
・経済効果が地域振興につながるか
・ギャンブル依存の人が増えないか
・国民の利用を制限するかどうか
・犯罪が増えないか
・暴力団の資金源にならないか
・風紀が乱れないか
 (白井康彦)


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10月17日(木)のつぶやき

2013-10-18 01:16:29 | 花/美しいもの

中日新聞:カジノ解禁反対論も 「日本は既にギャンブル大国」:暮らし(CHUNICHI Web) chunichi.co.jp/article/living…


お待たせしました、出ましたよ!上野千鶴子『ケアの社会学』を語る | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/booktalk/?p=980

寺町みどりさんがリツイート | 10 RT

読書日記:今上野千鶴子さん「とかく女子は生きづらい?」/竹村和子さん遺著『境界を攪乱する』 blog.goo.ne.jp/midorinet002/e…


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読書日記:今上野千鶴子さん「とかく女子は生きづらい?」/竹村和子さん遺著『境界を攪乱する』

2013-10-17 20:15:44 | ジェンダー/上野千鶴子
竹村和子さんの遺著、『境界を攪乱する』(岩波書店)を読み終えました。

解説を上野千鶴子さんが書いてみえて、
5月の刊行時にWANサイトでも紹介され、
上野さんの解説「あなたを忘れない」もアップされたので読みたいと思っていた本です。

『境界を攪乱する』


   『境界を攪乱する――性・生・暴力』: 竹村 和子: 本
岩波書店

あなたを忘れない 彼女は倦まずたゆまず,たえまない境界の攪乱に参入し, 文化の共約可能性についての オプティミズムともペシミズムとも,両方に距離を置く, 悲観と客観,絶望と希望の隘路をたどりながら……. 上野千鶴子(本書解説より)

編集部からのメッセージ
 精緻で鋭利な思考で,21世紀のフェミニズム批評を牽引した竹村和子さん.2011年12月のその急逝の報は,大きな衝撃を与えました.ジュディス・バトラーを始めとするフェミニズム理論・現代思想のすぐれた紹介者であり,『フェミニズム』『愛について』などの書で自らの思索を広げ深め,海外の第一線の思想家とも対等に議論できる希有な人材として,国際的にもさらなる活躍が期待されていた中での訃報でした.
 本書は,その遺稿を集めたものです.著者の関心の広がりと深まりと軌を一にする,「セクシュアリティ」「フェミニズム理論」「バトラー解読」「生政治と暴力」の4部に分かれ,資本主義と異性愛主義の抜き差しならぬ関係を精神分析を援用して曝き,生政治にあまねく覆われた現代社会における,フェミニズムの困難な位置に迫ります.バトラーら欧米の理論家と濃密な対話を重ねた著者は,翻訳の可能性=不可能性をも見据えていました.それでもなお,「境界」の危うい裂け目を生きる夢を棄てませんでした.思索がそのまま自らにはね返る息詰まる場で,読み・書き・考える意味,性と生のありようを,根底まで突き詰めようと格闘した言葉の数々がここにあります.
 編集は,上野千鶴子さん.竹村さんの仕事の最高の理解者が,残された約50篇の論考から16篇を精選し,「竹村和子とは誰か?」――竹村さんの思索のあとを犀利に解き明かしながら,深い哀惜の情のこもった竹村和子論を書いています.

著者紹介
竹村 和子(たけむら かずこ)

1954年--2011年.お茶の水女子大学大学院修士課程修了,筑波大学博士課程退学.博士(人文科学).香川大学,成蹊大学,筑波大学を経て,お茶の水女子大学大学院教授在任中の2011年12月逝去.専門は英語圏文学,批評理論,フェミニズム/セクシュアリティ研究.単著,『文学力の挑戦』(研究社,2012),『彼女は何を視ているのか』(作品社,2012),『愛について』(岩波書店,2002),『フェミニズム』(岩波書店,2000).訳書,スピヴァク/バトラー『国家を歌うのは誰か?』(岩波書店,2008),J・バトラー『触発する言葉』(岩波書店,2004),『アンティゴネーの主張』(青土社,2002),『ジェンダー・トラブル』(青土社,1999),トリン・T・ミンハ『女性・ネイティヴ・他者』(岩波書店,1995)ほか多数.・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・


 竹村和子さんから、贈り物 『境界を攪乱する--性・生・暴力』が公刊されました
(2013年05月18日 カテゴリ: B-wan 特集 竹村和子さんへの想い, 特集 )
 


   あなたを忘れない ちづこのブログNo.47  
竹村和子さんの最後の遺著、『境界を撹乱する』(岩波書店)が本日刊行。編集と解説はうえの。彼女の作品はこれ以上1点も増えない。時間が経つにつれて不在が心に沁みる。帯には「あなたを忘れない」…彼女の論文タイトルを解説のタイトルにもらった。解説は、自分でいうのもなんだが、力が入った。
以下は解説の冒頭から。再録を版元に許可していただいた。続きを読みたい方は、本を求めてほしい。・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2013年05月15日 WANちづこのブログ) 


WANサイトには、「上野千鶴子『ケアの社会学』を語る」もアップされました。

上野千鶴子『ケアの社会学』を語る~『ケアの社会学 当事者主権の福祉社会』(2011年:太田出版)をテーマに上野千鶴子さんが語ります

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今週の火曜日の毎日新聞夕刊テレビ欄下の「読書日記」も上野千鶴子さんでした。

いつものことですが、とってもおもしろいです。

  読書日記:今週の筆者は社会学者・上野千鶴子さん とかく女子は生きづらい?  
毎日新聞 2013年10月15日 東京夕刊

 *9月17日〜10月14日
 ■女子をこじらせて(雨宮まみ著、2011年)ポット出版
 ■「AV女優」の社会学(鈴木涼美著、2013年)青土社
 ■女子読みのススメ(貴戸理恵著、2013年)岩波ジュニア新書


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 とかく女子は生きづらい。

 「こじらせ女子」の名をこの世にはやらせた雨宮まみの「女子をこじらせて」を、アラフォーの友人にすすめられて初めて読んだ。おもしろさにぶっとんだ。そしてもっと早く読まなかったことを後悔した。雨宮はフリーのAVライター。音楽評を担当する音楽ライターがいるように、毎月量産されるアダルトビデオの新作レビューを書いたり、女優や監督のインタビュー記事を書いたりを仕事にしている。それというのも、男から相手にされない「女子力」ゼロのスクールカースト最底辺にいた(と思いこんだ)青春時代に、下りるに下りられない「女子をこじらせて」しまったから、という。

 女の子が女に成長する過程には、必ず男の視線による値踏みという契機が入る。そのなかで男にとって商品価値のある女とそうでない女とが選別される。男の視線は重力のようにあたりまえに偏在しているので、それから逃れて女が自意識をつくるのは難しい。

 雨宮は自分が商品価値のない女だからこそ、AV業界に足を踏み入れた。逆にいつでも商品になれる可能性があるからこそ、その業界の謎に挑んだ若い女性社会学者がいる。鈴木涼美著「『AV女優』の社会学」だ。渋谷や新宿を歩いている女の子たちは、若くてかわいいだけでスカウトされる。「ことわる理由がない」という理由で、彼女たちはAV業界に参入する。そのなかで彼女たちは「わたしがAV女優でありつづける理由」を饒舌(じょうぜつ)に語る。ふつうの女の子が、SMやスカトロまでこなすプロの女優になっていく過程を、そこに立ち会った鈴木はたんねんに追っていく。そして「自由意思」こそが「業務の一部」として生産され、本人の自意識に組みこまれていく過程を描きだす。

 この過程はプロフェッショナリズムと呼ばれるものと酷似している。映画「ハンナ・アーレント」に触発されて、アーレントの著書「イェルサレムのアイヒマン」をつい読んでしまったが、そこでも「より効率的にユダヤ人を移送する」プロフェッショナリズムが淡々と語られる。

 その類似性は、むしろAV女優という職業が他の職業とたいして違わないことを証明する。人は偶然のきっかけから職場に入り、やがて熟練によって職業的アイデンティティーを獲得していくからだ。だが、AV女優の過去はコンビニのバイト経験のようにおおっぴらに語ることはできないし、履歴書に書くわけにもいかない。わたしには「ふつうの職業」としてのAV女優より、彼女たちを商品として消費する「ふつうの男」の欲望のほうがずっと深い謎だ。AV女優について語られた本はごまんとあるのに、AVを消費する男を論じた本はなぜこんなに少ないのだろう?

 女の子から女になる思春期のとば口で、身を切るような共感を味わえる書物のガイドが貴戸理恵著「女子読みのススメ」。著者は不登校経験のある若い女性社会学者。少女であったときの痛みを忘れないでオトナになったのがいまどきの女子たち。少し年長の女子たちによる「女子会2・0」(NHK出版)もおもしろい。ここでも千田有紀、水無田気流(みなしたきりう)というふたりの若い女性社会学者がリードしている。

 生きづらい女子のために私も「女たちのサバイバル作戦」(文春新書)を書いた。帯に「総合職も一般職も派遣社員も、なぜつらい? 追いつめられても手をとりあえない女たちへ」とある。担当編集者の30代女子が書いてくれたものだ。実感が迫る。

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 筆者は上野千鶴子、福地茂雄、西加奈子、苅部直の4氏です。
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 ■人物略歴 ◇うえの・ちづこ

 東京大名誉教授、認定NPO法人「ウィメンズアクションネットワーク」理事長。「おひとりさまの老後」など著書多数。


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10月16日(水)のつぶやき

2013-10-17 01:11:39 | 花/美しいもの

発達障害とモラハラ、DV 秋月ななみ | WAN:Women's Action Network wan.or.jp/reading/?p=123…

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生きる物語:「弱さ」の向こう側/8当事者研究と出合う/7患者の信頼、徐々に/6研修医の大きな壁 goo.gl/WHPxs8


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生きる物語:「弱さ」の向こう側/8当事者研究と出合う/7患者の信頼、徐々に/6研修医の大きな壁

2013-10-16 21:10:57 | ほん/新聞/ニュース
台風26号はこちらはそれたのですが、伊豆大島に大きな被害を出しました。
台風の被害を受けられた皆さまには、お見舞い申し上げます。


10月6日のブログで、毎日新聞の特集「生きる物語:「弱さ」の向こう側」の
熊谷(くまがや)晋一郎さんの記事を紹介しました。

6,7日の日曜日と月曜日はお休みだったのですが、
火曜日から後半の連載がはじまりました。

10月10日(木)の「8 当事者研究と出合う」には上野千鶴子さんも登場、
連載は、10月12日まで続きました。

後半の、「6 研修医の大きな壁」から「10止 違ってても、つながる」までを紹介します。

  生きる物語:「弱さ」の向こう側/8 当事者研究と出合う
毎日新聞 2013年10月10日 東京朝刊

 2005年12月、東京都内で開かれた東大時代の手話サークルの同期会。小児科医の熊谷(くまがや)晋一郎さん(36)は、後に共同研究者でパートナーとなる綾屋(あやや)紗月(さつき)さん(39)と7年ぶりに再会した。

 学外から手話講師として参加していた綾屋さん。聴覚障害はないが、幼い頃から初対面の人に会うとのどが緊張して声が出づらく、代わりに手話で会話していた。

 「アスペルガー障害を知っていますか?」。綾屋さんが熊谷さんに尋ねた。「当事者の手記を読むと私と同じ症状でした。診断してくれるお医者さんを知りませんか」

 その後、2人はファミリーレストランで話をするようになった。熊谷さんは、同障害が「コミュニケーション障害」と大ざっぱに定義され、原因が説明されていないことが引っかかった。対策のしようがないからだ。

 「あなたの中で何が起きているのか知りたい」。綾屋さんが言葉にできずにいた生きづらさの一つ一つを丁寧に聞き、2人でその感覚に合う言葉を探していった。

 例えば、綾屋さんは「おなかがすいた」という感覚が分からない。「胃の辺りがへこむ」「胸がさわさわする」などの感覚はあるが、それを空腹感に結びつけられない。

 「こういうことですか?」「少し違います」。すり合わせを重ね、障害の特徴を「身体内外からの情報を絞り込み、意味や行動にまとめあげるのがゆっくりな状態」という表現にまとめた。「幼い頃から、世界を水中から見ているような隔たりと苦しさを感じてきたが、やっと水から出て息ができた」と綾屋さんは言う。

 そんな中、06年4月から東大大学院で学んでいた熊谷さんは当時同大教授だった社会学者、上野千鶴子さん(65)と学内で再会する。大学時代、車椅子の留学生を受け入れることになった上野さんが聞き取りに来た縁で親しくなり、ゼミ生も一緒によくビールも飲んだ。

 「当事者研究って知ってる?」。綾屋さんとのことを話すと、上野さんは耳慣れない言葉を口にした。ライフワークとなる「当事者研究」との出合いだった。=つづく

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 ◇熊谷さんメモ

 山口県生まれ。東大先端科学技術研究センター特任講師。仮死状態で生まれた後遺症で脳性まひに。首から下が思うように動かない。

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 意見や感想をお寄せください。〒100−8051毎日新聞科学環境部(住所不要)「生きる物語」係。メールtky.science@mainichi.co.jp。ファクス03・3212・0768。



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 生きる物語:「弱さ」の向こう側/7 患者の信頼、徐々に  
毎日新聞 2013年10月09日 

 千葉西総合病院(千葉県松戸市)の診察室隣の処置室。研修医2年目の2002年、小児科に赴任した熊谷(くまがや)晋一郎さん(36)は、採血に次々訪れる赤ちゃんの腕を必死に探っていた。採血をする血管を見つけるためだ。

 「いつまでも探ってないで、勘で刺しなさい!」。すかさずベテラン看護師の澤山くみ子さん(60)の声が飛ぶ。覚悟を決め、澤山さんが教えてくれた角度で針を刺す。本当に血管があった。

 熊谷さんが「採血道場」と呼んだ特訓のコーチ役、澤山さんは「最初は手が震えていたが、コツをつかむと手の不自由な動きを逆に生かし、上手に刺した」と振り返る。

 試行錯誤の末、補助が1人つけばこなせることが分かった。約1カ月後、ひじの角度調整は熊谷さんの指示のもとスタッフが、注射器を引くのは自分の口を使うか誰かに手伝ってもらう、というスタイルができた。

 その頃、初めての当直を1人で任され、病棟や救急の患者にも対応。「緊張でほぼ記憶がない」が無事乗り切れた。「何とかなるかも」。採血は他科から応援依頼がくるほど上達した。

 小児科部長の金鍾栄(きんしょうえい)さん(56)は「熊谷先生はとにかく優秀で、みんな分からないことは彼に聞いた。車椅子を見て戸惑っていた患者さんの親もいたが、スタッフが『体は不自由だけど優秀な先生』と説明し、彼も体当たりで自分の良さを伝えていった。次第に『熊谷先生に診てほしい』という人が増えた」と話す。

 目の回るような忙しさで、スタッフ全員が誰かの手を借りなければ仕事が回らない状況。「『手伝おうか?』と声を掛け合った。ある意味みんなが障害をもつ状態で、助けを求めやすかった」

 みんなが自分の限界を自覚しチームワークを組むと、助け合いが前提となり、助け合っているのを忘れるほど違和感なく仕事が回り始めた。「これが自立かもしれない」

 別の病院も含め計4年半の病院勤務後、研究者の道を歩むため東大大学院に戻ることを決めた。転機となる再会と出会いが待っていた。=つづく

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 ◇熊谷さんメモ

 山口県生まれ。東大先端科学技術研究センター特任講師。脳性まひで首から下が思うように動かない。病院勤務時代は同僚とよく飲みに行った。

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 意見や感想をお寄せください。〒100−8051毎日新聞科学環境部(住所不要)「生きる物語」係。メールtky.science@mainichi.co.jp。ファクス03・3212・0768。


 生きる物語:「弱さ」の向こう側/6 研修医の大きな壁  
毎日新聞 2013年10月08日 東京朝刊

 小児科医の熊谷(くまがや)晋一郎さん(36)=東京都新宿区=は、東大3年生になった1997年、医学部で学び始めた。脳性まひで手足が思うように動かず電動車椅子を使うが、勉強や実習で特に困ることはなかった。

 2001年に医学部を卒業し、大学病院の小児科で研修医生活が始まった。大学入学と同時に1人暮らしを始め、通りすがりの人にトイレ介助をしてもらえた経験から社会と自分への信頼を深めていたが、大きな壁が待ち受けていた。

 小児科に配属された同期は約10人。初めての実践にみんなが不安と緊張を感じていた。最初に苦戦したのは、血管が細くムチムチした赤ちゃんの腕からの採血。患者のひじの角度調整、血管を探る、注射器を引く……。腕を自由に動かせない熊谷さんはこれらの動作を同時にこなせない。同期は1、2カ月も練習すると腕を上げていった。

 焦った熊谷さんは100円ショップで、プラスチックの小さなカゴを買った。アルコール綿やゴムバンドなど必要な医療道具を入れ、外側に注射器を固定。助けがなくても、1人で注射が打てる自助装置を作った。

 手作り感あふれる完成品を手に患者の所へ行くと、見たこともない装置に患者の親の厳しい視線が注がれる。緊張の末、失敗。また道具を買い足し、自助具はどんどん大がかりになっていった。

 患者の親から「担当を代えてほしい」と言われたこともあった。久しぶりに「障害がなければよかった」と思った。「自分が医者をやっていていい」という確信が揺らぐと、周囲に助けを求めることもできなくなった。再び、弱さを1人で抱え込むようになっていた。

 「千葉県の総合病院で働かないか」。研修医になって1年。自信を失いかけた時、声がかかった。「ラストチャンス」と自分を奮い立たせて初出勤した病院は、ロビーに患者があふれ、医師らが走り回っていた。「ダメかもしれない」。ぼうぜんとしながら2年目の研修医生活が始まった。=つづく

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 ◇脳性まひ

 出生前から生後4週間以内に生じた脳の損傷が原因で起きる、運動と姿勢の障害。筋肉や骨に問題はなく、それ以上進行しない。知的障害を併発することもある。

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生きる物語:「弱さ」の向こう側/9 「敗北の官能」を語る(毎日新聞 2013年10月11日)

生きる物語:「弱さ」の向こう側/10止 違ってても、つながる(毎日新聞 2013年10月12日)

の「生きる物語:「弱さ」の向こう側」のの全編(1から10まで)はこちらで見られます。

【特集】生きる物語:「弱さ」の向こう側 


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