明け方、激しい雷鳴に目が覚めた。外を見ると黒い雲が垂れこめ、暗い朝のなかにしきりに雷鳴がする。小一時間で激しい雨になった。新庄や庄内地方で大雨の被害が出ているなか、内陸は比較的に少ない雨であったが、いよいよ本降りになってきた。義母のデイサービスを送り出しに行ったが、激しい雨のなかだ。道の側溝から水があふれ、道が川のようになって流れていた。
かってのお天気博士倉嶋篤氏の解説によると、雷が鳴り出すのは入道雲が7、8千mに達したときだという。大雷雨や集中豪雨のときは雲高さが1万5千mになっている。こんな時、雲の下は昼でも夕ぐれよりも暗く、空と地面が水の柱で連なったように強い雨が降ってくる。1時間に100mm以上の雨が降ると、雲の爆発という。ここでは、2時間後、うっすらと明るくなり雨の峠は越したように見える。雲の爆発ではなかったようだ。
雷が鳴ると、雲の下には冷たい空気ができるので急に寒くなる。それで心配した母親が、「さあ、坊や雷さまにお臍をとられるよ」と言って、腹巻をさせた。これが、雷が臍をとる、という俚諺のはじまりらしい。また雷が鳴ると、「クワバラ、クワバラ」というのは。菅原道真が大宰府に流された年京都を大雷雨が襲った。道真邸のあった桑原だけ雷が落ちなかったので、雷雨は道真の祟りということになり、誰もが雷が鳴るたび、「クワバラ、クワバラ」と唱えるようになったという。